オペラの題材にまでなってしまったアンナ・ニコル・スミスとはどんな人物なのか。第2のマリリン・モンローを夢見てテレビの世界に躍り出た彼女の生涯を、簡単に追って見ましょう。
アンナ・ニコル・スミス
1967年、テキサス州ヒューストン生まれ。実父と母ヴァージーは間もなく離婚、アンナは母親に育てられます。中学を卒業すると、叔母ケイと暮らすため同じテキサス州のメヘイアに移り、メヘイア高等学校に通うも、2年のときに中退。オペラにおけるアンア・二コルの物語は、ここからスタートします。
アンナ・ニコルは、メヘイアのアメリカン・レストラン、ジムズ・クリスピー・フライド・チキンでウェイトレスをしているときに出会った調理師ビリーと17歳で結婚、長男ダニエルを出産します。しかし、結婚生活はまたたく間に崩壊。ヒューストンに戻り、ここでストリッパーとして働き始めるのです。
アンナ27歳のときに、このクラブの常連だった石油王J・ハワード・マーシャルと再婚。
このときマーシャル氏90歳!当然、マーシャル翁の莫大な財産を狙ったものと大スキャンダルになりますが、翌年マーシャル氏が死去すると、マーシャル氏の息子と遺産をめぐっての訴訟合戦に。
ここで登場するのが弁護士ハワード・K・スターン氏。アンナ生前の最後の恋人でもあった人物ですが、2009年にアンナの死への関与が疑われ、二人の主治医とともに逮捕されています。オペラでは、アンナを陰で操る「悪の権化」スターン氏を戯画化して、アイロニーを込めて描きます。
さて、その後アンナは2006年に女児を出産、直後に長男ダニエルを亡くします。ダニエルの死因も薬物の過剰摂取と言われています。アンナ自身も、翌2007年に急死。今度はその遺産がアンナの娘ダニエリンに引き継がれることになったため、父親候補にスターン氏をはじめ、3人の男性が名乗りをあげるという異常事態となり、再び世間を騒がせたことは記憶に新しいことでしょう。オペラでは、もちろんスターン氏のその後については語られず、物語はアンナの死によって幕を閉じます。
アンナ・ニコルの劇中音楽
セレブの仲間入りをしたアンナがひらくパーティで演奏するために呼ばれたミュージシャンがまた豪華!お見逃しなく。
ジョン・パリチェリ(gt)、元ルーズ・チューブ
ジョン・ポール・ジョーンズ(ba)、元レッド・ツェッペリン
ピーター・アースキン(dr)、元ウェザー・リポート