Five plus Twenty
SPECIAL LONG INTERVIEW
with 小里 誠&阿部耕作
interview : 荒野政寿 (CROSSBEAT)
【後編】
- 荒:
- 個人的に今回面白い曲だなぁというか、印象に残っている曲はありますか?
- 小:
- オレは「ドミノ トップリング」。もう自分のニューウェーヴ感覚というか、ホントに自分の根底にある気分をそのまま出して演奏できたから...楽しかったな。
- 阿:
- そうねぇ、ボクも「ドミノ」が一番...まあ小里くんと一緒だけど。
- 小:
- あと「地球の歩き方」かなぁ。バンドらしいグルーヴをどうやったら出せるかっていうのはねぇ、自分の中ではより洗練したというか...新たなアプローチをしてるつもりなんで。「踊れるバンド」みたいな部分もちゃんと出せたと思う。曲のスケールも大きいし、演奏してて気持ちいいですね。
- 阿:
- うん、そうだね。
- 荒:
- アルバムを通した全体的な感想を。
- 小:
- さっきまでも話したように「抜けた感じ」っていうのは自分の中では感じてて。曲はそれぞれポップなんだけど、目指しているところはそれぞれ先にあるというか。で、この先のバンドの変っていくヒントみたいなものがあちこちにあるような気がするし。ライヴのあり方もこのアルバムを出すことによってまたちょっと変ってくるんじゃないかな。
- 阿:
- (苦笑)いや~。毎回ね、正直アルバムのことは分けて考えてないんだよね。個人的には。全部つながっているんだよ、本当は。
- 小:
- ライヴも、レコーディングもね。
- 阿:
- うん。だからそういう区分けをしてないからね~。ずっとメンバーも変らず、仁さんとやってるっていうのはここ数枚変らないんで...。大きく変わったっていうのは外から言われて分かるようなところがあるよね。もちろんその都度その都度何か新しいことにチャレンジしなきゃいけないなっていう意識で取り組んではいますけど。
20年目にして訊く、お互いの印象…
- 荒:
- で、お二人がお互いにどう思っているかっていうのをあんまり訊いたことが無くて。
- 阿:
- 確かにね~(笑)。
- 荒:
- そこが一番謎なんで(笑)いい機会なんで訊いてみたいなと思って。
- 小:
- 難しいですね...横にいるのに(笑)。
- 阿:
- ちょっとビールでも飲んだ方がいいんじゃない?(笑)
- 小:
- 阿部さんはですねぇ...。
- 阿:.
- ..お互い今将棋打つような感じになってるよねぇ(笑)。
- 小:
- ねぇ、そうだねぇ。
- 阿:
- 相手の出方によってねぇ(笑)。
- 荒:
- (笑)まず客として観てたときに、お二人がなにか危うい感じになるとか、なにか様子が変っていくとかはあんまり露骨に感じたことがないんですよ。安定感がすごくある感じ。
- 小:
- そう、人間的に何か信頼できるっていうか、馴染みやすい部分っていうのは阿部くんに対して持っているかもしれないですね。一緒のタイミングで入ったってこともあるだろうし、性格的な部分も...かなりあると思う。
- 阿:
- ウッフッフッフ(笑)。ありがとうございます(笑)。まあこの際だからちょっと言ってみたら?(笑)
- 小:
- 阿部くんは、アレだよ、ほら。すごい頑固な人で...
- 阿:
- (笑)
- 小:
- 例えばね、ドラムセットのタムタムの数が2個から1個になったりとか、シンバルの数が2枚から1枚になったり3枚になったり、いろいろ変るんですよ。で、PAの人に「Qちゃん、それ決めてくれないとマイクの本数が変ってくるから、ちゃんと決めて」って言われるんだけど、本人すごい悩んでて。で、「何で悩んでるの?」って訊いたら、例えばタムタムが二つあるのに一つだけを叩く訳にはいかない、っていうか二つあったら二つ叩いちゃうんだ、と。だから1個だけにした方がいいのか2個にした方がいいのか悩んでいるんだと。という話を聞いたときに「そういう頑固さもある人なんだ」と思って。それは...自分には無いものだから。だからね、「こうあるべき」っていう姿は強く持っている人なんで、ときに「おいおい阿部くん、そこはちょっと行き過ぎじゃないか」って思うときはあったりはするんだけど、だけどまぁそこも含めて人間らしい部分もあって。だからこそ個性的なドラマーとしていろんなところで引く手数多なんだと思うし。いろんな経験を経てどんどん成長してるのも一緒にやってて分かるしね。ボク以外のベーシストともいっぱい演奏している部分もあるから、逆に阿部くんがどう思ってオレのベースを聴いてるのかなっていうのは...でもそんな会話はバンド内ではしないから。
- 阿:
- ハッハッハ(笑)
- 小:
- でもそういうのもまぁ、楽しいっていうか。ホームグラウンドとしてね、阿部くんがコレクターズでやってるからオレは経験できるんだろうしなと思うしね。それはずっと変らないし、そこも楽しみたいっていう部分も当然あるから。...まぁ何かあってねぇ、「もうちょっと合わせらんないよ」っていう時がくるかもしれないけど...
- 阿:
- (笑)いまさら?
- 小:
- いまさらね。...そんな感じ。
- 荒:
- 阿部さんは?
- 阿:
- あのー、これは小里くんとだけに限らずなんだけど、よくも悪くもコレクターズは...何て言うんだろうな、「会社の同僚」っぽいところがあるんだよね。だからお互いに踏み込まないようにしてるところはあるんだよ。小里くんとも、もちろん一緒に入ったっていうことでの、加藤くんとコータローくんに対する感じとはまた違うものはもちろんあるんだけど。で、正直最初は、ドラムとベースということで言えば、すぐに合うタイプじゃなかったんだよね。それは別に演奏力がどうというんじゃなくて、「こういうテンポに対してこういうビートを乗せるときにどうするか」みたいな視点の問題として。逆に言うと小里くんの方が多分幅があったんだと思うんだけど、自分はもう「コレだけ!」っていうところがスタートだったから。そこをいろいろ時間をかけて歩み寄っていってるから…恋愛みたいに最初から一目惚れでバーン!とくっついたんじゃなくて、遠くから友達でいて、よくよく演っていくなかで「結構オレたち相性いいよね?」みたいな感じで作ってきてる部分がすごくあるから。逆に今はもうそういう信頼感というか、一番考えなくていいというか。例えばボクが他で演ってるときの相性がいいベーシストとかはハッキリ決まっているのね。「こういう感じのテンポでこういうベース弾いたらこの人とは絶対合う」とかね。小里くんとは特にそういうのが無くて、大体どのテンポでどういう曲でも小里くんだったら普通に...付いてきてくれるといったら変だけど、合わせてもらってる。ホントそういう感じで気にせずやっているというかね。どっちかというとボクの方が毎回毎回音も変えるしセットも変える、その度に小里くんは「...また変ったんだね」って思ってると思うんだけど...何も言わないけどね(笑)。そういう風に合わせてくれてるというか。
- 小:
- それだけですか?(笑)
- 阿:
- ベーシストとしては何の問題もないし、素晴らしいんですけど。ボク個人的にはですね、小里くん「Francis」やってたでしょ?ソロ。もう随分前の話ですよ。アレ、ボクすごい好きな作品なんですけど。で、小里くんはすごく音楽的な幅がある人なんで、その部分に関していえばちょっと勿体ないと思ってるワケよ。だからもっとソロワークというか、ベーシストとしてだけじゃなくてアーティストとしてもっといろいろ活動すればいいのにな、っていうのはずーっと思ってた。たまに何かあると小里くんに言うんだけど。小里くんもその度に「ありがとう」って言うんだけど...どうも一向にその動きがみられないのが...何故なのかなっていう...のが普段言えないことかな?
- 小:
- ありがとう。
- 阿:
- なんでなの?
- 小:
- いや、深い理由はないんだけど...
- 阿:
- (笑)
END