そもそも。それは「ジャズ&ジャイヴ」というイヴェントに始まる、のかも。週末の新宿OTOに移ってから、DJの平林伸一さんが少年隊の「ABC」をヘヴィ・プレイするようになって。ぼくも大好きな曲だったから、ヤラレタ、先を越された、と思ったけど、気が付けば一緒になって踊っていました。そのとき、ああ、この曲をリミックスさせてもらえたら、と考え始めたら、もうアタマの中ではカラフルなイメージが花火のように打ち上がっていて。
 あるいは。それは野本かりあさんの「DANCE MUSIC」というアルバムを作ったときに始まる、のかな。4つ打ちのクラブ・ミュージックの12インチを聴き漁って、そのルーツな70年代ディスコのレコードを買い漁って、夜のダンスフロアで爆音で消費されていく音楽のことをずっと考えた涯に、今度は脳内になぜか筒美京平先生がやさしく笑って待っていて、ちょっと驚きました。
 そして。ようやく完成したカアリイのCDを京平先生に送ったら、久し振りにお招きにあずかりまして。そのとき思い切って「ABC」のリミックス、やらせてもらえませんか、とお願いしてみたところ、「出来るんじゃないかな」と言ってくださって。そこからこのアルバムの企画がスタートしたのだから、これは本当に「お墨付き」リミックス盤なのです。
 ちなみに。参加リミキサーもクラブで偶然会って頼んだ、という人が多い。翌日には二日酔いで忘れているかも、と心配になったDJも何人か。とにかく年内に作りたかった。だって、年末のパーティーでみんな盛り上がりたいでしょう。そう考えたら今度は「京平ディスコナイト」というタイトルが降りてきて。一緒に「京平は夜の七時」というのも降りてきたのだけど、これはもちろん一蹴されまして。そうなるとジャケット・デザインは信藤先生にお願いするしかないかな、と。
 つまり。そんな経緯で作った、コレは久々にゴージャスなアルバム。筒美京平、という検索ワードには、やはり「トーキョー」と「夜」が引っ掛かる。その意味では、ことし他社でリリースされた「トリビュート・アルバム」も悪くないけど(スピッツの「木綿のハンカチーフ」には感動しました)、やぱり「京平リスペクト」「京平ラヴ」なのは絶対にコッチでしょ。愛情の深さが違うもの、とか喧嘩を売っておきます。もちろんシャレです。知ってる曲はもちろん、知らない曲も大名曲ばかり。ABCからXYZまで。カラオケからナイトクラブまで。それでは試聴どうぞ。