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「三番叟」Sambaso
「翁」という儀礼曲の中で、狂言方の勤める役が三番叟である。古風な様式を留める神聖な曲で、日本芸能の神髄とも言うべき究極の舞。野村家の三番叟には洗練された鮮やかな切れ味がある。舞踏・ダンスにも通じる宇宙的な世界観を持ったこの曲を、野村萬斎が舞う。必見である。
三番叟:野村萬斎 千歳:深田博治
笛:一噌隆之 小鼓頭取:大倉源次郎 脇鼓:古賀裕己
脇鼓:吉阪一郎 大鼓:亀井広忠
後見:野村良乍 竹山悠樹
地謡:野村万之介 月崎晴夫 破石晋照 時田光洋
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「鎌腹」Kamabara
怠け者の太郎が妻へのあてつけに自分の腹を切って死のうとする、その一部始終をシテが独演する。妻も仲裁人も見ていないところで一人、何度も腹を切り損なう太郎。まるでベケットの戯曲を思わせる無目的な行為の繰り返しが、人間の愚かしさを際立たせる。古典狂言としては特異な、不条理さを感じさせる作品である。
太郎:野村萬斎 妻:高野和憲 仲裁人:野村万之介
後見:月崎晴夫
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「能楽囃子」Nohgaku-Bayashi
能楽の様々な囃子のエッセンスを特別に組み合わせて演奏。演奏者の息遣い・掛け声によって生まれる自在な間の伸縮、躍動感。能楽囃子の音楽としての魅力が存分に楽しめる。
笛:一噌隆之 小鼓:鵜澤洋太郎 大鼓:亀井広忠 太鼓:小寺真佐人
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「川上」Kawakami
吉野の里に住む盲目の夫は、川上の地蔵に参籠した甲斐があって目が開くが、地蔵のお告げには「連れ添う妻は悪縁ゆえ離別せよ」という条件があった…。人間と運命の対峙を鮮やかに描く、狂言の異色の名作。四十分弱の作品ながら、長編の演劇に匹敵するほどの緊密感に満ちたドラマ性があり、かつて日本の戯曲のベスト3に挙げられたこともある。狂言界の至宝・野村万作の叙情に満ちた演技が堪能できる。
盲目の夫:野村万作 妻:石田幸雄
後見:月崎晴夫
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