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“マルタ・アルゲリッチ国際コンクール優勝者”という経歴よりも、すでに日本を代表する若手ヴィルトゥオーゾの一人として確実に認知されつつある広瀬悦子が、1年ぶりに第2弾を録音しました。「舞踏への勧誘」で幕を開け、ワルツの終焉を描くラ・ヴァルスへ至る“舞踏の世紀”を俯瞰するユニークなコンセプト。いずれも超弩級の難曲ですが、それを十二分に弾きこなす圧倒的なテクニックはもとより、オーケストラもかくやという壮大なスケール感から繊細極まりないピアニシモまで、その豊穣な音楽性が聴き手を深い喜びに引き込みます。


ウェーバー (タウジヒ編):舞踏への勧誘 [SOUND]-
リスト:ウィーンの夜会 第6番
チャイコフスキー (プレトニョフ編):《くるみ割り人形》組曲
  行進曲
  金米糖の踊り [SOUND]-
  タランテラ
  間奏曲
  トレパック
  中国の踊り
  アンダンテ・マエストーソ [SOUND]-
ストラヴィンスキー:《ペトルーシュカ》からの3楽章
  I ロシアの踊り [SOUND]-
  II ペトルーシュカの部屋
  III 謝肉祭の日
ラヴェル:ラ・ヴァルス

2004年9月8〜10日 笠懸野文化ホール【192kHz/24-bit Recording】
COCQ-83957
2005年5月18日発売 \2,625(\2,500)



至福のときをもたらしてくれる広瀬悦子の“歌”
伊熊よし子

・・・ここに聴く難曲の数々も、彼女の手にかかると実に楽しく優雅に、踊り出したくなるような雰囲気を醸し出している。 昔からトランスクリプションが好きだった。コンクールや学校のレッスンではこうしたジャンルの作品は敬遠されがちだが、「自分の音楽を作りたい」と願う彼女にとって、これらの作品は自分自身を解放させてくれ、自由に歌うことができ、精神を高揚させてくれるもの。「悦子」の「悦」は、悦楽、喜悦、満悦、愉悦の「悦」。まさにこれらの作品は聴き手の心に大いなる悦びをもたらしてくれる。そして、別世界へと運んでくれる。「さあ、一緒に歌いましょう。リズムを刻んで、からだを動かして。踊りましょうよ」
 広瀬悦子のこんな声が聞こえてきそうだ。 これらの作品を聴くと、「ピアノは1台でオーケストラの役目を果たす」と称されるのがよく理解できる。彼女の指からはさまざまな楽器の音色が次々と生まれ出て、ピアノの奥深さを思い知らされる。何度聴いても、至福のときを過ごせる、夢の世界に遊ぶことができる。広瀬悦子は「自分の音楽」で、私たちに愉悦のときを贈ってくれるのである。

(ライナーノートより)

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