美貌なれヴァイオリン。
日本人初の国際的ヴァイオリニスト、諏訪根自子。その神童時代のSP録音が今蘇る。
諏訪根自子の芸術
COCQ-85013-4 ￥2,415(税込) 2013年3月20日発売

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日本人初の国際的ヴァイオリニスト、諏訪根自子(1920～2012)。
彼女が天才少女と謳われた1930年代に、コロムビアに録音した音源の待望の初CD化です。
※3曲のみCOCQ-84696　〔SP音源による〕伝説の名演奏家たち●日本人アーティスト編に既収録
※歴史的録音のためお聴き苦しいところが多々あります。あらかじめご了承ください。

コロムビアの専属アーティストであった1933年～1935年に録音された、SP盤にして13枚分、26曲の全てがSP盤の録音＝発売日順に収録されており、多感な少女の著しい成長の過程を追体験できます。
これら一連の録音の後、戦前のヨーロッパに留学、フルネ指揮コンセール・ラムルーやクナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルなどと共演。終戦後も活躍を続けますが、60年代には公の場での演奏をほとんどせず、この美貌の名手の名前は伝説化しました。1983年に発表された深田祐介著「美貌なれ昭和－諏訪根自子と神風号の男たち」(文芸春秋社)に描かれ、後にそれがTV番組化もされたため記憶にある方も多いはずです。彼女が2012年3月に92歳で静かに世を去ったニュースは、各紙で取り上げられました。2月には、初の本格的評伝『諏訪根自子美貌のヴァイオリニストその劇的生涯』(萩谷由喜子・著 (株)アルファベータ)が刊行。
復刻の音源は、SP盤の収集では世界有数の存在である金沢蓄音器館とクリストファ・N・野澤氏のコレクションによります。全26曲の半数を所蔵する金沢蓄音器館には全面的にご協力をいただき、良好な状態のSP盤を選盤し、最高級の蓄音器で再生したものをマイク録音しています。一端針音のカーテンを潜り抜けると、そこでは年齢も美貌も忘れて、ただただ諏訪根自子の音楽の気高さだけに心を打たれることになり、天才という形容がいかにも浮薄に感じられるようになることでしょう。美貌なのは容姿ではなく、彼女の奏でる音楽なのです。

アルバム『諏訪根自子の芸術』

■DISC 1
◇本編◇ 1933年～1935年に録音されたコロムビア音源全26曲のコンプリート収録

ドヴォルザーク：ユーモレスク
フリッツ・クライスラー：プニャーニの形式による前奏曲とアレグロよりアレグロ
リース：ペルペテウム・モビール
ゴダール：ジョスランの子守歌
ドルドラ：スーヴニール
フィオリロ：カプリス Op.3-28
チャイコフスキー：アンダンテ・カンタービレ
マリー：金婚式
ドリゴ：セレナード
フォーレ：夢のあとに
サラサーテ：ロマンサ・アンダルーサ
キュイ：オリエンタル
マスネ：タイスの瞑想曲
サン＝サーンス：白鳥
シューベルト：セレナード
バッハ：ガヴォット
グラズノフ／クライスラー・編：セレナード・エスパニヨル
ドリゴ：ヴァルス・ブルエット
ドヴォルザーク／クライスラー・編：インディアン・ラメント
田中穂積／山田耕筰・編：美しき天然
バッハ＝グノー：アヴェ・マリア
パデレフスキー／クライスラー・編：メヌエット

■DISC 2
◇本編◇ 1933年～1935年に録音されたコロムビア音源全26曲のコンプリート収録

瀧廉太郎／山田耕筰・編：荒城の月
グノー：セレナード
シューマン：トロイメライ

ファリャ：西班牙舞曲
※曲順はSP発売順 ※蓄音機によるSP盤再生音源使用

ピアノ伴奏：	上田仁 [DISC 1：1-4] ナデイダ・ロイヒテンベルク [DISC 1：5-22、DISC 2：1-4] (SP盤ではナデイーネ・ロイヒテンベルヒと表記)
使用蓄音器：	ビクター　ビクトローラ・クレデンザ Victrola Credenza VE8-30X 大正14(1925)年～昭和5(1930)年米国製 [木製ホーン(途中まで金属製)]
音源提供：	金沢蓄音器館 [DISC 1：1-5、7、12、17-18] クリストファ・N・野澤 [DISC 1：6、13-16、19-22 DISC 2：1-2] 田中隆雄 [DISC 2：3-4]

◇付録1◇ 金属原盤がコロムビアに保存されている全音源16曲

ドヴォルザーク：ユーモレスク
ドルドラ：スーヴニール
サラサーテ：マンサ・アンダルーサ
キュイ：オリエンタル
マスネ：タイスの瞑想曲
サン＝サーンス：白鳥
シューベルト：セレナード
バッハ：ガヴォット
グラズノフ／クライスラー・編：セレナード・エスパニヨル
ドリゴ：ヴァルス・ブルエット
ドヴォルザーク／クライスラー・編：インディアン・ラメント
田中穂積／山田耕筰・編：美しき天然
瀧廉太郎／山田耕筰・編：荒城の月
グノー：セレナード
シューマン：トロイメライ
ファリャ：西班牙舞曲

◇付録2◇ 3台の蓄音機による同一SP音源聴き比べ

グラズノフ／クライスラー・編：セレナーデ・エスパニヨル
使用蓄音機：ブランズウィックヴァレンシア (大正14(1925)年頃米国製 [木製ホーン])
グラズノフ／クライスラー・編：セレナーデ・エスパニヨル
使用蓄音機：E.M.G.エキスパート・シニア (昭和10(1935)年英国製 [紙製ホーン])
グラズノフ／クライスラー・編：セレナーデ・エスパニヨル
使用蓄音機：イギリス・グラモフォン H.M.V. モデル194(昭和2(1927)年英国製 [金属製ホーン])

金沢蓄音機館所蔵


ブランズウィックヴァレンシア	E.M.G.エキスパート・シニア	イギリス・グラモフォン H.M.V. モデル194

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諏訪根自子プロフィール
大正9年(1920年)1月23日に生まれる。
4才頃ヴァイオリンを始め、小野アンナに、続いてアレクサンドル・モギレフスキーに師事。
1930年秋、来日したエフレム・ジンバリストに面接、メンデルスゾーンの協奏曲を演奏して驚嘆させる。
多くの雑誌、新聞に天才少女ヴァイオリニストとして取り上げられる。
1932年、初のリサイタルを開き、神童と呼ばれる。
1936年、ベルギー駐日大使の推薦と外務省の後援によりベルギーに留学。
1938年、パリに移り、ピアニスト原智恵子の紹介でボリス・カメンスキーに師事。
1939年、サル(ホール)・ショパンでパリ・デビュー演奏会開催。
1943年、2月ナチスの宣伝相ゲッベルスからストラディヴァリウスを贈呈される。10月クナッパーツブッシュ指揮ベルリン・フィルと協演。
1945年、ベルリン陥落の後、アメリカを経由して帰国。戦後は、井口基成や安川加寿子らとコンサートを開くが、演奏の第一線から退き伝説上の人物に。
1978年～80年にバッハ：無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータを録音。キング・レコードより発売された。
1984年、1月茅ヶ崎市民会館、5月東京文化会館、10月町田市民ホールで演奏会。町田が最後の演奏会となる。
2012年、3月92才で永眠。
2013年、2月初の本格的評伝『諏訪根自子美貌のヴァイオリニストその劇的生涯』萩谷由喜子著(アルファベータ)刊行。

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諏訪根自子フォトギャラリー

原智恵子と

リンク
金沢蓄音機館
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/

『諏訪根自子美貌のヴァイオリニストその劇的生涯』(萩谷由喜子・著 (株)アルファベータ)
http://www.alphabeta-cj.co.jp/music/music022.html
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