人魂だ! 怪談だ!! 妖怪だっ!!! KABUKI METAL という割には思い切りホラーなメロデスです
■IT企業城下町として有名なフィンランド第3の都市タンペレ出身の4人組、WHISPEREDのセカンド・アルバム。日本文化にとことん影響を受けたそのスタイルは、衣装、歌舞伎風メイクにとどまらず、なんとアルバムの冒頭を飾る“Jikininki”(喰人鬼)のナレーションに完璧な日本語を使用。他にも“アマテラス”、“河童”など、そのモチーフは過去に類を見ない。琴、三味線といったトラディショナルな楽器を多用しているのも興味深い。また、プロダクションにおいては敏腕エンジニア Fredrik Nodstrom を起用し、そのダイナミックな楽曲、世界観を存分にアルバムに閉じ込めることに成功した。
■日本盤のために4人が新たにレコーディングした2曲も聞き逃せない。1986年に放映されていた「銀牙 -流れ星銀-」のテーマ曲を大胆にカヴァー。昨年11月に実現したFinland Fest(代官山Unit)でも披露された同曲は、フロア中のキッズの度肝を抜いた。また、もう1曲は人気ゲームFinal Fantasy VII のゲーム挿入曲“Fighting”をピックアップ。“死の将軍”を意味するアルバム・タイトルのように、サムライ、カブキといったベタな伝統文化から、アニメ、ゲームといったピカピカのクール・ジャパンまで、あらゆるニッポンを貪欲に飲み込んだ「東郷ビール」の国、フィンランドのメタラーに注目だ。