ヴィヴァルディ:協奏曲集《調和の霊感》商品情報

ヴィヴァルディ:協奏曲集《調和の霊感》

ヴィヴァルディ:協奏曲集《調和の霊感》

[ALBUM] 2010/08/18発売

ヴィヴァルディ:協奏曲集《調和の霊感》

COCO-73064-5 ¥1,885 (税抜価格 ¥1,714)

レコード・アカデミー賞録音部門賞
※高音質「ブルースペックCD」仕様

ブルースペックCD

ヴィヴァルディ:
協奏曲集 Op.3《調和の霊感》(全12曲)

イタリア合奏団

録音:1988年[PCMデジタル録音]

購入する

※お使いの環境では試聴機能をご利用いただけません。当サイトの推奨環境をご参照ください。

これがヴィヴァルディの愛した響き。レコード・アカデミー賞受賞の超優秀録音盤。

これがヴィヴァルディの愛した響き。レコード・アカデミー賞受賞の超優秀録音盤。

ヴィヴァルディの最高傑作といわれる作品3は、バッハの編曲でも知られる曲や、ヴァイオリン初心者が必ず手がける第6番等、珠玉の名曲揃い。イタリア最高の名手たちの音色美には、ピリオド楽器全盛の今日でも抗しがたい魅力があります。かつてヴィヴァルディが演奏したヨーロッパ屈指の録音会場、コンタリーニ宮の素晴らしい響き、そして名エンジニア、ヴィルモースの手になる超優秀録音は、レコード・アカデミー賞を録音部門で受賞しました。。

☆イタリア合奏団の誕生
60年代後半から世界各地で急激にバロック音楽の復興が起こった中、バロック音楽の本家本元イタリアではレナート・ファザーノ指揮ローマ合奏団とイ・ムジチ合奏団が人気を二分していた。79年のファザーノの死去により、ローマ合奏団のメンバー12人が新たに立ち上げたのがイタリア合奏団(イ・ソリスティ・イリアーノ)で、84年の来日の折コロムビアに「ヴィヴァルディ協奏曲集:C37-7401」を録音したのが、当社と合奏団の出会いでした。

☆コンタリーニ宮での録音
バロック音楽のレパートリー充実のために、イタリア合奏団の録音を継続してゆくためには、イタリアでの録音会場探しが急務でした。
当時、デンオン・ヨーロッパ録音のエンジニアを担当していたのはデンマーク人のピーター・ヴィルモースで、彼は優秀な録音技術とスカンジナビア、英、独、仏、伊、西、ポルトガル語を話すというコスモピリタンでしたので、エラートお抱えのエンジニアとしてヨーロッパ各地のホール、教会で録音する豊富な経験を持っていました。
当時、エラートのバロック音楽カタログでヴィヴァルディの主な合奏協奏曲を担当していたのはシモーネ指揮イ・ソリスティ・ヴェネツィ。彼らのLPの輝かしい音の素晴らしさは音楽ファンの間で広く知られていましたが、その優秀録音の秘密はヴェニスの近郊コンタリーニ宮とエンジニアのヴィルモースにあったのです。このコネクションを利用すべく、次回からのイタリア合奏団の録音はコンタリーニ宮で、ヴィルモースの録音で行なうことが決定しました。

☆コンタリーニ宮とは
ヴェネツィアがその栄光を誇った共和国時代に沢山の元首を輩出した名門中の名門コンタリーニ家(塩野七生著「海の都の物語」参照)が後期ルネサンスの大建築家パラッディオに1546年に造らせたのが今回の録音会場コンタリーニ宮。
当時、ヴェニスの貴族たちはヴェニスの本宅から船を浮かべて、ブレンタ河を遡り、この広大な敷地の別荘にやってきました。
18世紀初頭にはコンタリーニ家の祝宴に呼ばれたのでしょうか、ヴィヴァルディもここで演奏したという記録も残っています。
録音会場の大広間は正面入口から真直ぐ奥にむかったところにあり、4階まで吹き抜けていますが、2階と3階の間は大半が塞がれ、真中に井戸ほどの穴が開いています。この穴をギターの開口部に喩えて、「逆さギターの間」とも呼ばれ、この穴が豊かな音を創り出す秘密の鍵とも言われています。
まさにヴィヴァルディが聴いた響きを再現する理想の録音会場といえます。

☆録音現場から
1986年7月にヴィヴァルディの代表曲「四季」を含む:協奏曲集「和声と創意への試み 作品8」全曲で開始されたイタリア合奏団のコンタリーニ宮録音は、機材搬入が大仕事です。美しい大理石の床と装飾の壁が続く長い廊下、モニタールームには大きな額縁に飾られた古い絵が掛けられているので、これらの文化財を傷つけないように重い機材を運び込み、組み立てるのに神経と体力を使います。 そして、録音当日。マイクアレンジの調整の中、スピーカから響き渡る音の豊満さ、輝かしさ。昨日の苦労が一瞬にして吹っ飛び、その音に魅了されてゆきます。

☆シェスタとマンジャーレ
現在このヴィラは博物館として使われていますので、一般の見学者も受け入れており、録音といえども全館貸切ではありません。見学者もカーテンを開けるとそこに演奏家!なので、驚きと、その演奏の素晴らしさに静かに聞き入ってくれます。そして録音はイタリアの「昼寝(シェスタ)時間」を挟んで、午前中と夕方の2回に分けられますが、シェスタの間は会場に入ることができないので、当初昼食後の時間を持余した邦人スタッフも次第に昼の過ごし方のコツを覚えてきました。録音終了後は演奏家との楽しくも長い夕食(マンジャーレ)タイム。それにしてもイタリア人は良く喋り、良く食べます。

☆CD発売
このCDはイタリア合奏団の演奏とコンタリーニ宮の響き、それを捉えるB&Kマイクと会場を知り尽くしたヴィルモースの録音技術、そしてデンオンのデジタル録音という相乗効果もあってたちまちベストセラーとなりました。また2年後の「調和の霊感」はレコード・アカデミー賞優秀録音賞を受賞するなど、コンタリーニ宮でのシリーズはいずれもが優秀録音としても評価されています。