(maxi single)
COCA-14517
1997.10.10


trailer music
(*********records, tokyoお知らせ篇)

PORNO 3003






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INTRODUCTION/黒い十人の女

公開当時以来、殆ど観ることができず、ファンの間では市川 崑の幻の傑作といわれてきた「黒い十人の女」。伝説の作品が36年ぶりにニュー・プリントで蘇る。
 妻がいるにもかかわらず、他に9人の愛人を持つテレビ・プロデューサー。
たまりかねた女たちが共謀して男の殺害を企てた-。
荒涼とした現代人のディスコミュニケーションがフィルム・ノワール風に描かれ、フェリーニの「甘い生活」やアントニオーニの作品を想起させる。グラフィカルな構図、光と影のコントラストの見事さはまさに圧巻である。当時、市川 崑は「炎上」('58年)、「鍵」('59年)、「おとうと」('60年)など、海外でも評価された名作を立て続けに発表し、監督として最も脂が乗っていた。さらに本作の撮影の直前にはアラン・ロブ=グニエ脚本の「涙なきフランス人」とカミュ原作の「ペスト」の映画化という企画を進めていた。残念ながら両作とも実現には至らなかったが、当時の市川 崑がいかに野心的であったかを物語っているといえよう。
キャストは「おとうと」に引き続き岸恵子が出演し、クール・ビューティーな容貌で観るものを魅了する。他にモノトーンのコート姿がフィルム・トワール感漂う山本富士子、ビーハイブ・ヘアがキュートな中村玉緒、マストロヤンニも真っ青の浮気な伊達男を演じる船越英二、局のアナウンサー役で伊丹一三(現 十三)、そして、特別出演のクレージー・キャッツがさりげなくファンキーなジャズをキメている。
脚本は公私共に市川 崑の最重要パートナー、和田夏十。メカニズムの中で押し流されていく現代人をクールに描いている。
なお、毎回タイトル・バックがスタイリッシュで見事な市川映画であるが、本作のタイトル・バックも見所の一つである。

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レディメイド、市川崑を讃える

いまから十数年前のある日、ぼくは京橋のフィルムセンターの試写会で「黒い十人の女」を観た。そしてその日、ぼくは市川 崑を発見した。
もちろんぼくが「発見」するずっと以前から、市川 崑は日本中の、そして世界の観客から愛され、評価されていた。
「ビルマの竪琴」や「炎上」は数多の賞を獲ったし、「金田一シリーズ」は大当たりした。でもそんなことは昔の話だ。
「黒い十人の女」はリチャード・レスターの「ナック」よりも4年早かったし、市川 崑はジャック・タチやジャック・ドゥミと違って今も現役の監督だ。
この映画を観たら、今後は誰も市川 崑をクロサワと比較したりなどしなくなるうだろう。
ぼくはこの「黒い十人の女」をあなたに是非観てもらいたい。そして「真夏の夜のジャズ」より、チャールズ・イームズの全ての映画より100倍素晴らしい「東京オリンピック」を観てもらいたい。
ぼくはあなたにも市川 崑を発見してもらいたい。

小西康陽



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