まず思ったのは、月並みな表現ですが、昔の第一印象と同じで、良い曲ばっかり!あらためて、素晴しいメロディ・メイカーだなあと。
「どんな依頼でも、
その時の一番良いものを提供しちゃう。
でないと次が作れない…」
十年以上前に伺ったご本人のお言葉が、今も思い出されます。
そしてうまく表現できませんが、当時は斬新なサウンドに隠されて気づかなかった、古き良き流行歌への「敬意」のようなエッセンスも、初めて全体のお仕事から濃密に感じることができました。
そう、デイジーワールドと言えばコロムビアで、コロムビアといえば、古くから独自のサウンドを誇る流行歌の老舗です。
20世紀初頭のSP時代から歌謡曲全盛時代を経て、流行歌が枝分かれした今の時代に、「別れのブルース」や「ブルー・ライト・ヨコハマ」のコロムビアが、細野さんの充実した作品集を今出される事にも、あらためてジーンと来ているところです。
思えば最初の打ち合わせからここまでの期間で、こんな凄いデザインで、こんな大ボリュームのBOXが、実際にできあがるとは…
細野さんと、関係された皆様に向け、リスナーの立場からも、感謝の気持ちでいっぱいです。
『細野晴臣の歌謡曲〜20世紀BOX』監修補 青野裕慈