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GIRL FRIEND ARMY (Deluxe Edition)_img
COCP-35809-10
¥2,940(税込)
直枝政広による『GIRL FRIEND ARMY』セルフ・ライナーノート

※PDF バージョンはこちら(▼) pdf[pdf:170KB]
プリントして切りとっていただければ各CDジャケットに収納できるサイズになります

「It's a Beautiful Day」が全国の電波に乗ってひとり歩きをしはじめ、「世界の果てまでつれてってよ」が注目度の高い深夜TV番組のオープニングに流れたりもした。渋谷の街角に宣伝用の大きな看板が出た時にもじつはこれといったリアリティはなく、「うーん。おれたちでいいのかな?」みたいなむずがゆさもあった。それはまさかの激流だったのだ。実際は全国キャンペーンの連続で身体は疲弊。一時は「たった今、おれが日本で一番忙しいんじゃないか?」と思えた瞬間が何度もあったほど、売るためにがんばったのだ。飛行機や列車にようやく乗り込むとアイマスクをして即寝が常だったし、今だったら確実に過労死だろう。
  この頃はレコード会社もここぞとばかりに宣伝予算を投入できたし、電波媒体ではパワー・プレイが流行、各社競合による熱い闘いが舞台裏で繰り広げられていた。後に業界がよろめきだすあの世紀末の一歩手前、熱情がまだ有効だった時代にメディアの活気を生身で体験できたことはとても貴重だった。FM802のヘヴィー・ローテーションでThe Changと競い合って負けた「It's a Beautiful Day」ではあったが、自主的な"裏ヘヴィー・ローテーション"として心あるディレクターやDJたちに地道な後押しをされたこと、そのことはずっと忘れない。人と人のつながり、それを信じることができた短いながらも充実した時だった。
  『GIRL FRIEND ARMY』からは大阪営業所でカーネーションの担当プロモーターだった秋元利之が新人ディレクターとしてプロジェクトに介入することになった。予算もかなりあったはずだし、カーネーションの戦略体制はほぼ整いつつあった。プリプロに関してはシングル用に「グレイト・ノスタルジア」と「Drive」を前年と同じく下北沢の部屋でかなり作り込んだ記憶はあるのだが、他の作業(もちろんほぼ全曲に近いDemoが存在したはず)の記憶が薄い。内容的にはHome Demoを基本にアレンジを掬うか、もしくは打ち込みデータを移植し、音の差し替えに異常な時間をくうぐらいで、大抵の作業は潤滑に行われたと思う。メンバーがレコーディングに馴れてきたこともあるし、個人的にも激しいスケジュールの合間で曲を勢いで書くしかなかったが、迷う暇もないその作業スピードも悪状況下においては逆に加速を増した。当時、制作には千万単位の予算を使えたわけだが、一瞬の思いつきがそのままレコードとなることに恐怖は一切覚えたことはない。メンバーは放し飼いで、事務所からもこれといった注文は出してこないし、やりたいようにやればよかったのだ。銀座の音響ハウスのスタジオを一ヶ月近く押え、それもリテイクを繰り返しながら納得のいく作業ができたのもスタッフの愛に恵まれていたとしかいいようがない。
  アルバムの前にシングルを出すにあたって前出の「グレイト・ノスタルジア」と「Drive」を候補にあげた。バンド側は「Edo River」の流れを汲むスマートな印象の「Drive」をメインにしたいと提案するも、レコード会社はベタな歌もの「グレイト・ノスタルジア」を推した。イーグルス「呪われた夜」のようなちょっと時代にそぐわないアナクロな曲だったので不安はあったのだが、こちらの予想通りラジオ受けもあまりかんばしくなかった。「グレイト・ノスタルジア」はNHKのポップ・ジャムでも歌わされたが、あの時の緊張は一生忘れることはないだろう。出番前の楽屋では出来立ての歌詞を覚えるために必死の思いをしていたのだ。しかもその横ではメンバーやスタッフ、会社のお偉いさんたちはトランプに興じていた。そんな状況ゆえ、心細いやら頭はのぼせるやらで、一人ナーヴァスになった。バンド・メンバーは当て振りでも、歌い手は生歌。テレビ収録は残酷。どうせプロモーションなのだからいさぎよく口パクでいいだろうとは思うのだが…まぁ、あの時ほど自分がヴォーカルである運命を呪ったことはない。
  話を戻す。「Drive」は「Be My Baby」や「未来の恋人たち」と同じく矢部くんのバックトラックにぼくが自由にメロディを作ってのせたものだ。このパターンの共作は思いのほかいい出来のものが多い。お聴きの通りの秀作なのだが、ライヴでの再現となるとリズムとコードが難しすぎて、さすがにあの5人でも実演はお手上げだったという実情がある。
  「やめておくれ(car over the lake dub)※」はシングル「Superman」のカップリング。元はちみつぱいの駒沢裕城さんによるスティール・ギターが聴きものなのはもちろんだが、ここまでドラッギーなスティール讃歌は他にないと思う。あえて言おう。表面はポップ、裏はハードコアというこのバンドの本質を今一度確かめてもらいたい。ほんと、なめてもらっちゃこまるが、カーネーションがこれまでいかにぶっとんだ実験をしてきたかを軽く見逃して来た人々に、この今回のリイシュー(特にDisc-2)すべてをつきつけてやりたい思いだ。ファンたちも旧盤を持ってるからリイシューは「いいや」ですませていると後で絶対に泣くはず。
補足:※「Car Over The Lake」はオザーク・マウンテン・デアデヴィルズの名盤タイトルからいただいた。

 

"Home Demo覚え書き"

  ここまでくるとHome Demoの作業は爆発し、8chの488ではトラック数が足りず、いくつかのトラックをまとめつつTEAC244に移植していた。しかし、そのマスター・テープを再生するデッキは現在手元になく、しかたなく244の4chテープを488で強引に再生するしか手はなかった。その際に生じる歌や位相のズレもなんとか力技で修正。なんら違和感なく聴けるものに仕上げたつもりだ。
  「Garden City Life」や「グレイト・ノスタルジア」のHome Demoはおそらく勢い1発でできたはずで、ピアノやストリングスのイメージもほぼ完璧に出来上がっている。同じく「1/2のミッドサマー」も出来過ぎ。それがはたしていいかどうか別にして、スタジオではこのHome Demoをそのまま再現した。どっちが暑苦しい夏なのかはあなたの耳で比較して楽しんでいただきたい。「My Little World」はそもそもジェイムズ・テイラー『ワンマン・ドッグ』を目指しながらもそのずっと遠くへ行ってしまった曲。もちろんとんがったギター・フレーズはダニー・クーチを意識した。Home Demoならではの妄想世界。
  このDisc-2における白眉は「No Goodbye」のHome Demoだろう。これは発表された正式曲(Disc-2のM-3)とは内容がまったく違うヴァージョン。仮タイトルは「さらば恋人ちゃん」。サビはあの通りだが、Aメロには不思議な漂い感があるし、「まぁいいや〜」というすっとぼけた歌詞もなかなかに良い。せっかくなので聴いて大笑いしていただきたい。とはいえ、今聴くとこちらのヴァージョンのほうがヒットしたのではないか?とも思うんだけどね。なにはともあれ、おもしろい。この「さらば恋人ちゃん」を練って、もう一度作り直したのが「No Goodbye」、あの現状のかたちとなった。この時のシングル制作はなかなかに大変な作業だったのだ。
  ラストの「やめておくれ」ももちろん一人多重。切なさが極まったが、とてもいいHome Demo。概してHome Demoが良すぎると本番はそれにひきずられてうまくいかないものだが、「やめておくれ」はその残されたどのテイクも素晴らしい出来。何をやるにもシンプルが一番。その気楽さもあって、いまでもライヴでは歌いたくなるほど好きな曲だ。


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