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「コレクターズ大頭鑑」「OH! MY MOD!」「MISSING TRACKS」について

 昨年、デビュー20年の節目を通過したザ・コレクターズだが、そんなアニバーサリー・ムードなどどこ吹く風、彼らは今再び、時速100キロ、追い風200メートルで全力疾走中で最盛期を迎えている。

  この文章を読んでくれている人で、昨年暮れに発表された、目下の最新オリジナル・アルバム『東京虫BUGS』をまだ聴いていないなどという方はおそらくほとんどいないだろうが、40代の男達が鳴らすアンセム・ソング「たよれる男」に始まるあのアルバムはザ・コレクターズというバンドが一つのヤマを越えて、再び新たな地平を目指すべきところに立ったことを高らかに告げる力作だ。一頃は、ストレートなラヴ・ソングに腐心していたこともあったし、サビを英語に頼ることもなくはなかったが、このアルバムでは洞察力に富んだ加藤ひさしの書くアイロニカルな歌詞にキレが戻ってきており、お得意のロマンティシズム溢れる言葉のチョイスとのバランスもまったくもって見事。曲調も力づくでビートを畳み掛けるようなものではなく、しなやかなロックンロール・チューンからアコースティック・アレンジのナンバーまで、リズムのヴァリエイションも実に豊かなものがズラリと並んだ。あくまで私見ではあるけれど、『UFO CLUV』(93年)以来のバンドにとってのビッグ・ウェイヴ。病んだ大都会に巣食う様々な人々に焦点を当て、そこに物わかりのいい大人になりつつある自分たちをも重ね合わせた、加藤ひさしからのヒューマニズムという名のエール。こんな音楽を作れるポップ・ミュージック・クリエイターが今の日本に他にいるだろうか?と。

  実はここ数年、リーダーの加藤ひさしと話を進めながら、バンドの音楽性をしっかり解明したザ・コレクターズの音楽書を作れないだろうか?と案を練っていた。筆者は今でこそ、彼らがアルバムを出すたびに加藤ひさしや古市コータローらメンバーに取材をする立場になっているが、87年のデビュー当時から彼らのステージを見続け、アルバムが出ればその日のうちに買いに走ってきた一ファンでもある。いや、厳密には一時期、彼らのライヴから足が遠のいていたこともあった。どんな時も100%満足のいく思いで応援していたかと言えば、それもウソになるだろう。それでも彼らのことを見失ったことなど一度もない、彼らの才能に限界を感じたことなどあるわけがない、ということだけは断言できる。そして、しばらく距離を置いていたからこそ、彼らに対する愛情を再確認できたという自負もある。

  そして、最新作『東京虫BUGS』を聴いて確信した。やはりこのバンドはもっともっと多くの人に聴かれるべきだし、彼らが作ってきた作品の数々の素晴らしさを我々のような立場の人間がちゃんと言葉で伝え残していかねばならないだろう、と。そして、それをやるのは、『東京虫BUGS』という傑出したアルバムが誕生した今しかないのではないか、と。

表紙  あれから約1年、『ザ・コレクターズ大頭鑑』(音楽出版社刊)という本がようやく完成し、今、店頭に並んでいる。08年に入り、何度も何度も加藤ひさし、並びにスタッフや編集者たちとミーティングを重ねた。加藤ひさしとの取材は、何度かに分けて行われたが、都合、10時間近くにも及んだ。編集作業が佳境に入っても、メールや電話連絡で加藤ひさしとは何度もやりとりしたし、加藤自身が貴重な品々を用意してくれ、わざわざ我々のもとまで届けてくれたりもした。本の監修者は私=岡村ということになっているが、影の監修者は加藤ひさしと言ってもいいほどに加藤の尽力は相当なものだったということも、ここで告白しておこう。もちろん、直接の登場こそないが、古市コータロー、小里誠、阿部耕作も頻繁に連絡をくれ、参加作品のリスト制作などに力を貸してくれた。その参加作品リストの中には、本人も「レコーディングしたものの、何という作品だったか覚えていない」というような古いものもあり、リストとしてはコンプリートとは言えないが、逆に言えば、メンバー当人たちが記憶をたよりにしっかり集めてくれた一覧ということになる。
  いわゆる“アーティスト本”という楽屋落ち的なものにしたくなかったので、メンバーのインタビューは加藤ひさしのみに絞り、コンテンツのほとんどは、主に洋楽方面に明るい音楽評論家、ライターの方々に彼ら自身の言葉でザ・コレクターズの音楽の魅力を紐解いてもらっている。中には辛口な文章もあり、もしかすると読んでいただくと納得のいかない部分もあるかもしれない。だが、そういった批評性でザ・コレクターズというバンドをしっかり伝え残し、いつかこういう本を作ることが夢だった筆者にとっては、感無量、評論家冥利に尽きる内容になったと自負している。

ジャケット写真 また、この本の発刊と足取りを合わせるかのように、ザ・ピロウズの山中さわおが選曲したベスト・アルバム『OH! MY MOD!』と、様々なオムニバスへの提供曲などオリジナル・アルバムに未収録のナンバーを集めた『MISSING TRACKS』もリリースされることになった。『MISSING TRACKS』の方には来日直前のザ・フーのナンバー「So Sad About Us」の新録カヴァー・ヴァージョンも収録されている。そして、そして、現在、加藤ひさしは来年発売予定のアルバムに向けて、鋭意ソングライティングにいそしむ毎日。お祭りムードなどどこ吹く風、彼らはこうしている今ジャケット写真もなお時速100キロ、追い風200メートルで全力疾走中なのだ。

  「君の知らないこのロック・バンドが4半世紀近くにも及び、
   今も休みなくパフォーマンスし続けられる理由を知りたくないか?」

  『ザ・コレクターズ大頭鑑』の本のオビには加藤ひさし自身によるそんなコメントが寄せられている。そう、知りたいはずなのだ、おそらくザ・コレクターズのファンなら誰でも。そして、その理由は、きっとザ・コレクターズのことを愛している人にはきっとわかるだろう。彼らの歴史はまだまだ続いていくが、その理由はたった一つだ。

 ザ・コレクターズは真性のロックンロール・バンドだから。ロックンロールはタフでトゥー・マッチ・ロマンティックな音楽だから。ゆえに、彼らは今なお走り続ける。それが理由だ。理屈になってないだって? そんなことを言うヤツは、ザ・コレクターズのアルバムを最初から聴き直せ。そこに答がある。


2008年10月 岡村詩野

ジャケット写真

ALBUM 2008/11/05 Release
OH! MY MOD!
The Collectors best
Sawao Yamanaka Selection

COCP-35184 / ¥2,625(税込)
ジャケット写真 ALBUM 2008/11/05 Release
MISSING TRACKS
COCP-35183 / ¥2,625(税込)

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