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1948年5月22日、アメリカ中部ウィスコンシン州生まれのシンガー&ソングライター。髭もじゃのルックスはいなたいフォーク・シンガー系を想像してしまうが、実際の音楽性はきわめて都会的で、R&Bからの影響を自分なりに消化した、いわゆるブルー・アイド・ソウルな唱法が特徴になっている。 ソロ・キャリアとしては1975年に20th Centuryからリリースした「Promised Love」が最初のアルバムとなるが、その3年前にFat Chanceというアーシーなロック・バンドの一員としてセルフ・タイトル作品を発表しているが、このグループにはその後ソロ・アーティストとして玄人筋から高い評価を得るシンガー、スティーヴ・イートンも在籍しており、肝心の音そのものはともかく、幻の重要グループとして、コアなリスナーの頭の片隅に残っている存在だっだ。 そしてFat Chnaceから3年後に、新進都会派シンガー・ソングライターとして再出発を飾る。

1976年からAORシーンはその足場を固めるていくことになるが、(ボズ・スキャッグスが名作「Silk Degrees」を発表し、スティーリー・ダンはデビュー時からのバンド形態を放棄し、この年からフェイゲン=ベッカーの2メン・ユニットへと転身。ドゥービー・ブラザーズもこの年マイケル・マクドナルドを大きくフィーチャーした「Takin' It To The Streets」を発表し、AOR的な解釈を強めている。また、マイケル・フランクスのメジャー・デビュー作「The Art Of Tea」、およびシングルの<Popsicle Toes>が全米チャートを上昇し、スティーヴン・ビショップがデビュー早々、ヒットを連発した年である。) その1年前である1975年、すなわち、後に一世を風靡するほどブレイクするAOR = Adult Oriented Rockというジャンルがまだ確立されていない時、ビル・ラバウンティが早くもその起源となるスタイルを身に付けていたということは驚きに値する。

1979年に「Rain In My Life」、82年に「Bill LaBounty」と計3枚のアルバムをCurbから発表。AORファンを中心に非常に高い評価を得る 。 その後ビル・ラバウンティはそれまでのベースとなっていたLAを離れ、ナッシュヴィルに移住。ポップ・カントリー系のシンガーに多数の曲を提供し、ビルボードのカントリー・チャートでNo.1に輝いた曲も数曲ある。また、1991年に通算5枚目のソロ作「The Right Direction」を発表し、クラブ・チッタでの日本公演も実現している。 しかしその後は再び作家としての活動に専念し、90年代には名曲「This Night Won‘t Last Forever」がトレンディ・ドラマの挿入歌で使われリヴァイヴァルするなど、日本でも多くのファンを獲得するが、まだ、新作のニュースは届いていない。