美空ひばり
「川の流れのように」
「この歌、とってもいいね!」と私が母の病床に届けたCDを見つめながら言った曲、それが美空ひばりさんの「川の流れのように」です。父が50歳という若さで癌で他界し、その後一生懸命私たち姉妹を育ててくれた母が病に倒れたのは、父が亡くなって数年後のことでした。母は歌が大好きで、私が物心つく頃から美空ひばりさんの曲を口ずさみながら家事をしていて、いつの間にか私も美空ひばりさんの大ファンになっていました。そんな母のお見舞いに、いつもCDを持って行ったのですが、「川の流れのように」を聴いた時の母は口数少なく、何度も何度もイヤホンでこの曲を聴いていました。退院したらまた家事をしながらこの曲を歌ってくれるのかなと思っていたのですが、病院の庭を散歩している時に歌ってくれたのが最後となってしまいました。この曲は私も大好きですが、まだどうしても母のことが思い出されて涙があふれ、最後まで聴けないでいます。素敵なこの曲を今はきっと天国で母が歌ってくれていると思うので、いつか最後までじっくりと聴いてみたいです。
北海道/クーネルンん(40~44歳 女性)