谷本貴義 インタビュー
谷本貴義が歌うドンドラゴクウのテーマソング「君のヒーロー」
歌っている僕自身、楽しさとワクワクが止まらなかった
ドン15話に登場した追加戦士ドンドラゴクウのテーマソング「君のヒーロー」を歌唱されたのは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007)OP主題歌も担当した谷本貴義さん。
以降、数々のスーパー戦隊楽曲を歌唱だけでなく、作詩作曲もされてきた谷本さんにレコーディング終わりでお話しをお聞きしました。
―――まずは「君のヒーロー」のレコーディングを終えた感想を教えてください。
スーパー戦隊シリーズの歌を歌えるのが僕自身久々でしたので、歌う前からとても楽しみにしておりました。
今回、曲も上下に激しいといいますか、いろんな展開があってすごく歌い甲斐のある曲だったので、レコーディングでは本当に思い切り楽しませていただきました。
―――作詩家 及川眠子先生の作詩された楽曲をレコーディングされるのは「獣拳戦隊ゲキレンジャー」以来になるかと思いますが、2月に日本武道館で開催された50×45 感謝祭 Anniversary LIVE & SHOWで「獣拳戦隊ゲキレンジャー」を歌唱されたのは記憶に新しいかと思います。
あの大きなステージ、日本武道館で歌わせていただけるということは、僕の歌手人生において何にも代えがたいものなので、本当に噛みしめるように歌わせてもらいました。
及川先生とお会いするのは15年ぶりだったのですが、お話しで盛り上がったのは、及川先生が和歌山の龍神村に事務所登記を移転されたとお聞きして、僕も以前は一人旅ではよく和歌山に行っていたので、その話しをさせていただきました。
―――及川先生の歌詩を15年ぶりに歌唱された感想を教えてください。
「獣拳戦隊ゲキレンジャー」のときはOP主題歌でしたので、言葉一つ一つをものすごく吟味して一つの作品に仕上げられた楽曲のように個人的に感じていたのですが、今回は挿入歌ということでもう少し自由度の高い楽曲を作られたように感じました。
言葉遊びや歌いまわしの歯切れのよさなど、遊び心が至るところにあって、歌っている僕自身とても爽快な気分になります。また、レコーディングで歌い進めていくにつれ、何かこう及川先生がこの楽曲に込めた世界観というか、エネルギーというか、そういったものがどんどん自分の中に入ってくる気がして、自分自身も恐いものが吹き飛んでいくような、元気100倍になっていくような、そんな気持ちが沸々と湧いてきました。及川先生といえば、僕らの世代にとってはやはり『新世紀エヴァンゲリオン(1995)』のOPテーマ「残酷な天使のテーゼ」ですので、当時からファンの僕にとっては、ゲキレンジャーに続き今回も作品をご一緒できたことは本当にうれしいです。
―――及川先生と同じく、作曲された作曲家の山下康介先生もスタジオにいらっしゃっておりました。
山下先生と最初にご一緒させていただいたのはアニメ『デジモンクロスウォーズ(2010-2012)』の挿入歌「WE ARE XROS HEART! ver. X7」、「Evolution & Digixros ver. KIRIHA」の2曲だと思います。
デジモンでは挿入曲でいくつかの楽曲をご一緒させていただいたのですが、山下先生の楽曲は、いつもバリエーション豊かでメロディーの展開も毎回ワクワクさせられます。荒波をグイグイ突き進んでいくような高揚感があり、そしてサビでドカンッ!!と爆発していく雰囲気がとても好きです。歌うといつも爽快感と心地よさでいっぱいになります。今回の「君のヒーロー」もまた山下先生の魔法で、とってもカッコイイ曲になっています!また、今回はなんといってもオリエンタルテイストの織り込み方が絶妙で、アレンジも聴きどころ満載だと思います。歌っている僕自身、楽しさとワクワクが止まらなかったです!「君のヒーロー」が劇中でどんな風に流れるのか、皆さんにも視てもらえる日が待ちどおしいです。
―――今回もドラゴンとタイガーがモチーフの戦士のテーマソングということで、谷本さんの歌声にオリエンタルを感じる人も多いと思いますが。
僕自身は全然感じてないんです(笑)。やっぱりそうなんですかね。たしかに「中華」とか「悟空」のキーワードのお仕事をいただくことが多いんですけど(笑)。でもそういうキーワードのイメージを持っていただけるのはありがたいですね。中華っぽい歌を歌っている人でしょ、って覚えてもらえるのは嬉しいです。中華料理もちょっと勉強してみようかな(笑)。
―――谷本さんはスーパー戦隊シリーズの楽曲を数々手掛けてらっしゃいますが、今後手掛けてみたい楽曲はありますか?
実は僕まだロボソングを作ったことがないんです。以前歌わせていただいた、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(2018)』のルパンエックス/パトレンエックスのテーマソング「M・A・X POWER」という挿入歌では、2番の歌詩がロボソングになっているのですが、純然たるロボソングをまだ歌ったこともないんです。昔はロボが登場して戦うシーンになるとMoJoさんの歌うロボソングが流れるというイメージがあるので、そういうロボソングを作って歌えたらいいなとは思っています。とはいえ、ロボソングにも限らずお声がけいただけるならどんな曲でも作っていきたいです。
―――「君のヒーロー」という曲タイトルにちなんで、谷本さんにとってのヒーローを教えてください。
僕にとってヒーローっていうのは、「憧れる存在」とかですね。音楽の世界における僕のヒーローはアメリカのロックシンガー「ジョン・ボン・ジョヴィ」だったりします。自分の心の中でずっと憧れている人がヒーローだと思います。
「君のヒーロー」
歌:谷本貴義
作詩:及川眠子
作曲・編曲:山下康介
7月20日(水)発売の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ EP vol.2』に収録。
谷本貴義
広島出身。2001年、TVアニメ「デジモンテイマーズ」挿入歌「One Vision」でデビュー。スーパー戦隊シリーズにおいては、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』OP主題歌「獣拳戦隊ゲキレンジャー」を担当。以降、「ドラゴンボール改」や、「金色のガッシュ・ベル!」第二・三期などの主題歌の歌唱を担当する他、作詞・作曲・編曲を手掛けるなど幅広く活躍しているアニソンアーティスト。
ヨーロッパから南米まで、海外で開催されるアニソンフェスにも数多く出演し、アニソンシンガーとして世界で活躍を続けている。