NewJack 拓郎 インタビュー
NewJack 拓郎が語るロボ曲「燃えろ!虎龍攻神!」
現在進行形の「NewJack 拓郎ing」を楽しんでもらいたい
9/21に発売される『暴太郎戦隊ドンブラザーズ EP vol.3』に収録される虎龍攻神のテーマソング「燃えろ!虎龍攻神!」。
今回は『五星戦隊ダイレンジャー』の主題歌以来、29年ぶりに自身の名義での歌唱となったNewJack 拓郎氏にお話しを聞きました。
――まずはレコーディングを終えた感想を教えてください。
気持ち良かったですね。自分のやりたいことをエンジニアの方とディレクターの方とやり取りしながら、一つずつ作っていく作業っていうのは気持ちが良いですね。
――NewJack 拓郎という名義での歌唱は29年ぶりとなりますね。
NewJack 拓郎っていう鎧を着るのに、昔は結構時間がかかったんです。でも最近は朝起きて自然とNewJack 拓郎であったりもして、(『五星戦隊ダイレンジャー』放送)当時にNewJack 拓郎として歌唱していた頃よりもNewJack 拓郎と僕自身の距離が縮まっている気がします。今日のレコーディングに向けて理由を考えてみたんですけど、『五星戦隊ダイレンジャー』の主題歌を一旦客観的に見れたのが大きくて。最初の10年ぐらいはNewJack 拓郎になるのに時間がかかったというか、帽子を被ったりだとか、NewJack 拓郎であるために何を準備しなくちゃいけないかと一々考えてNewJack 拓郎になってましたよね。
――NewJack 拓郎に不可欠なものとは?
そこなんですよね。最近、どうやったら特撮歌手になれるんですか?という質問をいただくんですけど、そういうのは高取くん(高取ヒデアキ)とか、たかぱす(高橋秀幸)とかYOFFYに聞いてよ、って思ったりするんですけど(笑)。でも、メインストリームで歌ってるNewJack 拓郎がファンの求めているものか、といえば、そんなに短絡的なことでもなくて。記録(音源)として残したNewJack 拓郎を、ファンに対してかっこいいまま、渋いままで魅せるかを考えていた29年だったんですけど。単純に、NewJack 拓郎とは、を考える時間が増えたんだと思います。
以前アメリカのワシントンで開催されたアニメ/特撮のコンベンションに呼んでもらって、「五星戦隊ダイレンジャー」を歌ったんですけど、そのときはふわふわしていて。海外のファンの前では日本のファンの前以上に、NewJack 拓郎として歌わなくてはならないっていう、もう1段階ギアを上げなくてはならないんだって感じましたね。でも、今はもっとスムーズにNewJack 拓郎になれるようになったと感じました。
――29年前、初めてNewJack 拓郎として歌ったレコーディングは覚えてますか?
じつはあまり明確に覚えていなくて(笑)。というのも、ディレクターのダメ出しと褒め言葉、飴とムチがすごくて(笑)。例えば、最初の「転身だァァッ!」の歌い方だけでも何パターンもトライして、歌の本編よりも歌い出しに悪戦苦闘して時間が掛かったのを覚えてますね。オペラ調だったり、ガラガラ声だったり、いろいろトライした結果、今皆さんが知っている形になりましたね。
――ED「俺たち無敵さ!!ダイレンジャー」も大変でしたか?
「俺たち無敵さ!!ダイレンジャー」は割りと早く録り終えましたね。僕はそもそもブラックミュージックが好きだったので、スティーヴィー・ワンダーとかの跳ねたリズムが大好きだったんですね。なので、この曲はスーッといきましたね。 OPの「五星戦隊ダイレンジャー」のような歌い方はしたことがなかったので、レコーディング前に想像して練習してきた歌は全てダメ出しをされたので苦労しましたけど、面白かったのも覚えています。
――NewJack 拓郎節が今回の楽曲にもたくさん盛り込まれていますね。
なんか、1個変わった感じが求められるな、って思いますよね。例えば高橋秀幸くんの『特命戦隊ゴーバスターズ』OPのようなストレートなハードロックとか、そういうのではなく(笑)。お団子なのにカレー味、みたいなちょっとトリッキーな歌を求められることが多いので、そういうイメージを持っていただけるのは嬉しいですよね。
――NewJack 拓郎節というと、龍と虎というモチーフに繋がるイメージも強くありますよね。
随所に遊び心満載の歌になっていたので、歌っていて気持ちよかったです。
――レコーディングでこだわった箇所はありますか?
Bメロの「トラ」「ドラ」という言葉遊びが、サビの頭の「どーだ!」や「銅鑼」の韻を踏みつつも、ロボットの名前の「虎龍攻神(トラドラゴンジン)」のときには間にブレスを入れないように気をつけたりテクニカルな部分もありましたね。その中で、求められているNewJack 拓郎節をどこにどう入れていこうか考えるのは楽しくも難しい部分はありましたね。 楽曲の譜面をいただいてから考えながら練習していると、NewJack 拓郎節の具合が分からなくなるんですよね。譜面通りに節を無くして歌って、またNewJack 拓郎節を入れて歌ってを繰り返して、2日ぐらい時間をかけましたね。でも実際のレコーディングはなにも考えないで歌っちゃいました(笑)。NewJack 拓郎から出てくるものをストレートに記録することができたと思います。ディレクターも僕のやんちゃを許してくれたので。
――LIVEで、お客さんも一緒に楽しめる楽曲になりましたね。
歌っている間中、ずっとコールアンドレスポンスがずっと頭の中で鳴り響いていて、「わっしょい!」とか、「はい!はい!はい!」とか入れどころがいっぱいあるので、最後は我慢できなくて自分で入れちゃいました(笑)。
――最後にファンのみなさまにメッセージをお願いいたします。
29年ぶりに歌うとなると、生存確認の意味合いも出てきちゃうんですけど、変わらず元気にやっております。あ、ファンの方へのメッセージでしたね。ファンの方にはぜひ現在進行形のNewJack 拓郎、まさに「NewJack 拓郎ing」または「NewJacking」の歌唱を楽しんでいただき、よろしくお願いできればと思っています。
「燃えろ!虎龍攻神!」
歌:NewJack 拓郎
作詩:八手三郎
作曲:山下康介
編曲:亀山耕一郎
11月23日(水・祝)発売の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ EP vol.3』に収録。
NewJack 拓郎
『五星戦隊ダイレンジャー(1993)』のOP「五星戦隊ダイレンジャー」、ED「俺たち無敵さ!! ダイレンジャー」の歌唱で東映特撮ソングデビュー。
梅田凡乃など、いくつかの名義を持ち、様々な特撮ソング/アニメソングを歌唱している。
現在は、ラジオ番組のMC、自身のYouTubeチャンネルで様々なコンテンツを発信している。