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1999年マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクール優勝、アルゲリッチからそのパッションと知性を称賛された注目のピアニストによる待望の録音。リサイタルでも圧倒的な名演を聴かせたシャコンヌを中心に、シューベルトやグノーの名作をリストが編曲した華麗な小品を合わせた聴き応えたっぷりのアルバム。並外れたテクニックのすばらしさとともに、テンペラメント溢れる歌心が強く聴きての心をつかみます。



1 クライスラー/ラフマニノフ編:愛の喜び

2 ワーグナー/リスト編:夕星の歌〜歌劇《タンホイザー》より

3 シューベルト/リスト編:ます [SOUND]-

4 シューベルト/リスト編:アヴェ・マリア

5 シューベルト/リスト編:魔王

6 シューベルト/リスト編:菩提樹

7 グノー/リスト編:ファウスト・ワルツ〜歌劇《ファウスト》のワルツによる
  [SOUND]-

8 フランク/デムス編:前奏曲、フーガと変奏曲

9 J.S.バッハ/ブゾーニ編:
  シャコンヌ〜無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より
  [SOUND]-

録音:2003年8月25〜28日 彩の国さいたま芸術劇場
COCQ-83732
2004年2月18日発売 \2,625(\2,500)



このディスクに寄せて
百瀬 喬

 ――――広瀬悦子を初めて聴いたのは、彼女が13歳の時にモスクワ青少年ショパン国際コンクールに参加して優勝した、その頃のテープで、そこでは音楽の流れが常に自然で、実に素晴らしい才能だと感心した。その後、パリに留学したときいて、どうしているのかと時々気にもなっていたのだが、そのうちにアルゲリッチ国際コンクールに第1位入賞という話を聞いて、喜んでいた。そして数年前に別府のアルゲリッチ音楽祭に登場、実にみずみずしいテンペラメントそのものの演奏を披露してくれた。
 このCDには、いわゆるピアノのオリジナル曲ではなくて、他ジャンルの作品をピアノ用に編み直した、つまり編曲ものばかりが収録されているが、これがまたいずれもが実に魅力的である。「愛の喜び」や「ファウスト・ワルツ」に弾むそのリズムの乗りの魅力。シューベルト〜リストを歌い継ぐ息づかいの自然さ。また「シャコンヌ」は実に堂々として構築的で、音楽の内容も立派だ。まさにアルゲリッチ好みの、テンペラメントな資質を十分に発揮した若手の登場だ。

(ライナーノートより)

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