古川貴之 インタビュー
「自分が歌唱させてもらえるなら自分で歌詩も作りたいなって」
――レコーディングを終えたばかりの感想を教えてください。
楽しかったです!普段の自分が作った楽曲のレコーディングは、それこそ自分が“王様”になれる現場でメンバーにディレクションを出していく立場だったんですけど、プロデューサーやディレクターの期待に応えるかたちでパフォーマンスしてみて、ものすごく学ぶことが多かったですし、気づきも多かったですし、そういう面でも楽しかったです。音楽もかっこよくて、すべての面で楽しかったです。
楽曲を作っていく中で、歌詩だけを担当するのは初めてだったんです。今までTHE PINBALLSというバンドの時に、ギターの中屋智裕が作ってくれた曲に歌詞を付けたことはあるのですが、それは自分でメロディも作ったので、今回初めて他の方のメロディに自分の歌詩を載せるという経験をしました。この年齢になると初めてということが少なくなってくるので、初めてに挑戦するという楽しさもありましたね。
――初挑戦には、不安と期待とどちらが大きかったですか?
自分にできるのか、って不安のほうが大きかったです(笑)。
――作曲家の園田さんとの共同作業はいかがでしたか?
最初にデモ音源を聴かせてもらった時に、デモの歌が上手くてもうこの人で歌唱もいけばいいのにって思ったぐらいで。あとになって聴いたらその歌は園田さんの歌声だったって知って、大谷翔平じゃないですけど、ピッチャーが4番でホームラン打ったぐらいすごいことだと思ったんですよ。ほんと歌が上手くて。化け物だと思いました。それがすごい印象深かったです。
――最初に歌唱のお話しを聞いた時はどう感じましたか?
声を掛けていただけたのはすっごい嬉しくて、でも自分が歌唱させてもらえるなら自分で歌詩も作りたいなって気持ちもありました。
――幼少期にスーパー戦隊シリーズなどの東映特撮作品はご覧になっていましたか?
スーパー戦隊シリーズだと『恐竜戦隊ジュウレンジャー』、『高速戦隊ターボレンジャー』、『忍者戦隊カクレンジャー』。あと仮面ライダーシリーズだと『仮面ライダーBLACK』と『仮面ライダーBLACK RX』。中でもシャドームーンが大好きでしたね!子どもの時はずっと「シャドームーン!シャドームーン!」って言っていて、親にうるさいってよく怒られていました。敵なのにフォルムがものすごくかっこよくて!
――自身が子どもの時に観ていたシリーズの歌を担当することの感想は?
実を言うと若干の不安もあります。午前9:30から僕の歌声が流れることをスーパー戦隊シリーズのファンの皆さんやファミリーの皆さんに受け入れてもらえるのか、という不安も正直あるんですけれども、1年間聴いていただく中でだんだんと聴き馴染んで、仲良くしてもらえたらいいな、という希望をもってがんばってレコーディングに臨みました。
――歌唱するステージにはどのような想いを持って立ちますか?
お子さんも一緒に楽しめるステージを作っていければいいな、と思っています。
自分は決して若くはないですし、回り道をして今ここにいると思っているので駄目な部分も多い大人だと思っています。だけど、完璧ではない人が一生懸命熱く続けていく姿は、意外とかっこよく見えるかも、というのをお子さんたちに見せたいと思っています。転んでも立ち上がって、間違えたり失敗しても諦めずに頑張っていけば、チャンスを掴み取れるんだよ、ということをパフォーマンスで伝えられれば嬉しいです。
失敗してもがんばっていこうよ、というこの想いは歌詩にも込めました。
――最後にメッセージをお願いします。
子どもの時にスーパー戦隊の放送が休止の日、観たいってお母さんに泣きついていたくらい大好きだったシリーズ作品に携われたのは本当に嬉しいです。
スーパー戦隊シリーズのファンの皆さんにも、そして僕のバンドのファンのみんなにも楽しんで頂けるよう精一杯1年間がんばりたいと思います!
「全力キング」
歌:古川貴之
作詩:古川貴之
作曲・編曲:園田健太郎
4月5日(水)発売の『王様戦隊キングオージャー 主題歌』に収録。
古川貴之(ふるかわたかゆき)
2006年結成の4人組ガレージロックバンド「THE PINBALLS(ザ・ピンボールズ)」のボーカルとギターを担当し、インディーズで6枚のアルバムを出した後2017年「NUMBER SEVEN」でメジャーデビュー。2021年11月24日をもってバンド活動休止し、2022年に「MARSBERG SUBWAY SYSTEM」を結成。
第47作『王様戦隊キングオージャー』オープニング「全力キング」にはソロアーティストとして参加。
スーパー戦隊シリーズの楽曲に初参加ながら、作詩も担当している。