山本有彩

山本有彩

金沢美術工芸大学出身の日本画家。透明感溢れる人物像の中に凛とした気品を讃える作風で、多くのコレクターから支持を得ている。明治から昭和にかけて絹に描かれた日本画に強く影響を受け、自身の制作の殆ども絹本彩色(絹に描く日本画)であり、伝統的な素材と技法を継承しつつ、身近な生活の場面や現代のアニメや漫画から抽出したエッセンスも加え制作している。
彼女の生まれ育った金沢は雨がよく降る土地で、独特の霧がかかった湿気を含む空気には層があり、粒子のフィルターのようである。日本画の制作もまた、絹の描写部分を水で濡らし、絵具を置き、刷毛でぼかし薄い膜のように色彩を淡く広げてゆく。薄いベールを重ねる描写方法は、霧の粒子のフィルターによく似ている。
作品タイトルにも文学的な言葉を多く用いて、日本語の語感やリズム、古典表現にも強い関心を持ち、作品制作と同様に丁寧に言葉を紡いでいる。

REIJINSHA GALLERY
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