プログレッシヴ・メタルの新星、Communic の新作’The Bottom Deep ’が遂に登場。ヘヴィ・メタルの様々な要素を絶妙なバランスでブレンドしたそのスタイルは、地元ノルウェイでは勿論、ヨーロッパ各国でデビュー当時から絶賛されており、今後の活動にも大きな期待がかかっている。聴きこめば聴きこむほどに、その複雑さ、ミュージシャンシップを存分に味わえる傑作。
COMMUNIC のスタイルはエモーショナルな深み、そして様々な音楽からのエレメントを織り込んだ幅広さに満ちている。キャッチーな歌メロ、ギターとベースはパワー・メタル、スラッシュ、プログレッシヴ、時としてドゥーミーな要素をも含んでいる。
それぞれのメンバーの持つ非常に高い技術の結晶が、彼らのオリジナリティをもたらした。プログレッシヴ・ロックの持つ実験的な要素も多分に含まれているが、80年代〜90年代のメタルが持っていた、ムーディでメロウ、かつエモーショナルな部分、聴き易さも兼ね備えている。
異なる音楽的なアプローチの集合体がそのユニークさを生み出し、比類なき独創性を作りだしているのだ。
“今作に収録されている楽曲は凄くヘヴィなので、多くのリスナーが驚くと思うし、全体を包むフィーリングはかなりダークだと言える。曲は以前よりも短いし、ストレートな感じだと最初は感じるかもしれない。でも、至る所にフックを隠してあるし、それがじわじわと肌に迫って来るとでも言えばいいのかな。とにかくディープな作品になったと言えるね。”
“今回のアルバム制作に関しては非常に上手く全てが進んだ。でも、ある種奇妙な感じでもある。今回はプロダクションを全て僕たち自身でやったから、とても正直でオーガニックな作風になったと言える。今回ほど歌詞と楽曲に自分自身の体験を反映させた事はなかった。そのせいで、アートワーク、楽曲リストが世の中に出た時点で恐怖感に似たものと、凄い興奮という相反した感情が自分の中にある。こういう形で自分を開いて、心の奥深くにある感情と、考えを白日に晒してしまった、今までにこんな事は行ったことがないし、もう戻れないんだ。
奇妙なんだよね。歌詞と楽曲は僕の一部なのに、それは僕が知らなかった部分でもあるわけだから。この“Bottom Deep”のようなアルバムを自分の人生の中で書かなければいけないと想像した事はなかったけど、今となって、これは自分の象徴、それも永遠に残る象徴なんだと感じているんだ。”
“僕たちはノルウェイの出身だけど、それを意識した事はほとんどない。Communic の音楽には国境は関係ないからね。”
2003年3月に 元SCARIOTのOddleif Stensland (G&Vo) 、 Tor Atle Andersen (Dr)の手により結成、程なくして Erik Mortensen(B / 元INGERMANLAND、Oddleif のバンド仲間) が参加。本来はCOMMUNIC はプロジェクト形式のユニットで、2004年1月に3曲入りデモ(自主流通:限定100枚)を制作。ドイツのRock Hard magazine で"demo of the month" に選出され、‚Heavy oder was?!‘ magazine のサンプラーにデモ収録曲が収録されるなど、俄かに注目を集め始めたため、バンドとして活動を継続する事を決意、Nuclear Blast との契約を手に入れる。
2004年9月にデンマーク人プロデューサーJacob Hansen と3週間のレコーディング作業に入りデビュー作 "Conspiracy In Mind"を2005年2月にリリース。上述した2誌で“Album of the Month”に選出されるなど、一躍ノルウェイ出身のバンドとしては異例の注目を集めた。その後行ったツアーも口コミで大成功を収め、ドイツのRock Hard Festivalなど、大規模フェスへの出演も果たす。
その後も“Waves Of Visual Decay” (2006) 、 “Payment Of Existence” (2008)と順調にリリースを重ね、積極的にツアーも行っている。
2011年2月初頭から Oddleif、 Erik、Tor Atleはスタジオ入りし、本作 “The Bottom Deep”のレコーディングを開始した。“The Bottom Deep”はいわゆるクラシック・バンド、 SANCTUARY 、 NEVERMORE、 CANDLEMASS などのファンには勿論、パワー・メタル、プログレッシヴ・メタルのハイブリッド作品として IN FLAMES ら、今シーンを最も活気づかせているバンドのファンにもお薦めだ。