GENERATION KILL は近年復活の声も大きい、スラッシュ・メタルのカムバック現象の最も大きなトピックの一つと言って良いだろう。もっとも、彼らが単なるノスタルジアからスラッシュ・シーンの一翼を担っているのでないことは言うまでもない。
GENERATION KILL は多種多様なジャンルから影響を受けていることを公言しているし、その個性が飛びぬけている事は明白である。5人のバンドのメンバーが持つ個性、それこそが、彼らを特別なものにしているのだ。
Season Of Mist からのデビュー作『Red, White and Blood』 、ベイエリア・クランチと呼ばれる、切り刻むようなリフ展開、はっきりとしたメロディ、そしてギター・ソロ、 METALLICA, ANTHRAX, MEGADETH, TESTAMENT らが擁していた要素、それらが80年代のエクストリーム・ミュージックを支えていたのだが、GENERATION KILL はそれらを再構築しようとしていたわけではない。
GENERATION KILL は現在 EXODUS のフロントを務めるRob Dukes とRob Moschetti (ex-PRO-PAIN, M.O.D.) によって結成されたバンドであるが、彼らのルーツからはそれを感じ取ることが可能だ。リード・ギターのJason Trenczer (ex-MUTILATION) が加わることで、バンドにはキャッチーなリフ、そしてテクニカルなソロが加わり、セカンド・プレイヤーであり、新参加の Jason Velez はグルーヴとメロディで花を添える。 また、こちらも新規メンバーであるドラマー、Jim DeMaria (ex-MERAUDER)が持つ、ハードコア系の音楽的影響はバンドにスピード、パワーを供給する。
『Red, White and Blood』リリース後、バンドはNuclear Blast と契約、 HATEBREED, SEPULTURA 、SOULFLY らとの仕事で著名な売れっ子、 Zeuss との共同作業により、セカンド・アルバムを完成させた。ファーストと同じフィールドに立つつもりはなく、更なる音楽的な高みへと自らを羽ばたかせる。
2011年リリースの『Red, White, and Blood』から2年、バンドはセカンドの制作についての費用を自分たちで用立てた。2013年2月から3月にかけて、本作は録音されている。ソング・ライティング、そしてより成熟した音楽性を身に着けて。
レコーディング以前のプリプロ段階で、セカンドについてのアプローチをZeussとディスカッションしたという彼ら。
自分たちが若い時に聴いていた作品を片っ端から聴き直し、彼らが感じたのは、それらの収録曲が8~9曲と、現代に比較して極端に少ない事であった。
ルーツに立ち戻ったバンドは古いスタジオに一部屋を借り、そこでセカンド収録曲のアイディアを次々と書き溜めて行く。
そして それらの楽曲をZeuss のプロデュースでレコーディングした結果が、本作へと結実したのである。多彩な楽曲、究極のへヴィネスは勿論だが、最も興味深いのはシンガーであるRob Dukes のアプローチだろうEXODUSで彼が使用する、アグレッションの塊のようなスタイルに慣れたファンには相当な衝撃が待っている。時にソウルフルとさえ表現できるようなメロディ、フィーリングが溢れているのだ。
GENERATION KILLにとって大きな飛躍となるであろうセカンド・アルバム『We’re All Gonna Die』。自らに正面と向き合い、バンドの限界さえも超越した本作、聴きどころは多い。