前作、08年発表の4作目“Antithesis”(完全なる相違の意)がBillboard誌のHeatseekersチャートにランクインするなど、デス系アーティストとしては異例のヒットを記録したカンザス州出身の5人組、Orgin の通産5作目。常軌を逸したかのような凄まじいテクニックと吼え狂うデス・ヴォイスの嵐は大物の風格十分。5月開催予定だった“Kabuto Metal fes” での来日公演は惜しくもキャンセルとなってしまったが、新作“Entity ”をひっさげての全米ツアーも決定しており、更なる飛躍が期待される。
97年7月4日(アメリカ独立記念日)結成。Paul Ryan(G&Vo) とJeremy Turner (G& Vo)の2人が共通の知人を通して出会い、以後定期的に行っていたジャム・セッションがバンドの骨格となり、Clint Appelhanz(B)、Mark Manning(Vo) が97年10月、翌98年1月にはGeorge Fluke(Dr) がラインナップに加入。Origin というバンド・ネームはその時からのもの。スピード、ブルータリティ、テクニック、そしてミュージシャンシップをすべて兼ね備えたバンドを作る事が目的だった。
98年5月23日、Suffocation(Nuclear Blast所属)のサポートでオフィシャル・コンサート・デビュー。その年の夏、4曲入りの自主制作/流通盤デモ“A Coming into Existence” を発表、同年10月に開催されたDeath Across Amerika というパッケージ・ツアーのオープニングを飾る(他参加バンド:Nile、Cryptopsy、Oppressor、Gorguts)。
99年2月、George Flukeの後任としてJohn Longstreth(Dr / ex-Angel Corpse)、 Clint Appelhanz の後任としてJohn の紹介で、Doug Williams(B / ex-Cephalic Carnage ) がそれぞれ加入。4月には早くもNapalm Deathのサポートを務め、その後もツアーを続行、テキサスで開催されたDismember Metalfestにも参加した。そして12月にはRelapse Records との契約を獲得する。
2000年7月11日、ファースト“Origin”をリリース。ニュージャージーで開催されたthe March Metal Meltdown、Contaminated 2000(他出演バンド:Exhumed、Cephalic Carnageなど)、カリフォルニアではNovember to Dismemberなどのフェスに参加。Death Across America 2000 TourではポーランドのVader(Nuclear Blast所属)、Cephalic Carnage、Dying Fetusらとの共演も果たす。
その後もCandria、Cryptopsy、Poison the Well らとのツアーを敢行。01年にはMilwaukee Metalfest 、Summer Slaughterなどへの出演を経て、セカンド“Informis Infinitas Inhumanitas”を発表、それは2人のニュー・メンバー、James Lee(Vo / ex Ill Omen)、Mike Flores(B / ex Once Living )のお披露目でもあった。
同作をリリース後、Nile、Arch Enemy、Hate Eternalらとのツアーに出るのだが、創設者の1人、Jeremy Turner が脱退、Clint Appelhanzがバンドに戻る(今回はギタリストとしての参加)。Immolation、Vader、The Berzerkerとのツアー、その後もAll That Remains、Scar Culture、Crematoriumらとロード・サーキットを続けるが、03年1月のNuclear Assault とのツアーは脱退問題でキャンセル、John Longstrethがバンドを抜け、James King(Dr / ex - Unmerciful)が加入。
ニュー・ラインナップによる初めてのギグはホームタウンのトペカで03年9月に行われた。バンドにとって初のPV“Portal”もその現場で撮影。翌04年、ヘッドライン・ツアーを西海岸で敢行(Uphil Battle がサポート)、夏には中西部をサーキット、Milwaukee Metalfest 2004 、The Texas Death and Grindfestにも出演(w/ Soilent Green、Kill the Client )。
05年3月15日、James KingとClint Appelhanz (ギター・プレイヤーとして参加)を迎え新作“Echoes of Decimation”をリリース。New England Metal and Hardcore Festiva(トリ)、Ohio Deathfest等に参戦。 サマー・ツアーではMalevolent Creation、Animosity らとサーキット、52日間という長丁場で、全米30州&メキシコを制覇、総移動距離は16,000マイルを超え、多くの会場がソールド・アウトとなった。
2006年春、James King、Clint Appelhanzの2人が脱退、 UnmercifulというバンドをJeremy Turner、Tony Reusらと結成。 しかし4月にJohn Longstreth(Dr)がバンドに戻り、5月にはバンド初のヨーロッパ公演が実現する。同年夏のUSツアーではPaul Ryanが全てのギター・パートをこなしている。
07年2月のヨーロッパ・ツアーではMisery Index 、Necrophagist、Diskreet(バンドと同じ街の出身)と共演。そのツアーの終了後、Jeremy Turner(G&Vo) が復帰、次回作の制作にとりかかる。 08年2月に作業終了、待望の新作“Antithesis”は4月1日にリリースされ、Billboard誌のHeatseekersチャートで21位を記録。同作からのシングル“Finite”も制作され、MTV2 の番組“Headbanger’s Ball”でプレミア放映されている。