Hypocrisy そして、8月新譜のLock Up 初代シンガーでもあるPeter Tägtgren (ピーター・タットグレン)のソロ・プロジェクト、Pain の通算8作目となる作品。2つのバンドのシンガーとして有名であるのみならず、CELTIC FROST, CHILDREN OF BODOM, DIMMU BORGIR、Immortal といったヨーロッパ・メタル界の重鎮たちのお気に入りプロデューサーでもあるPeter。
Pain の音楽性はdeath / power metal を基本として形成されているが、圧倒的にブルータルな側面を持つ一方、非常にキャッチーなメロディ、そしてユーロ・ビートを彷彿とさせるようなキーボードを入れるなど、華やかな印象も強い。日本盤にはヨーロッパでデジパック・エディションのみに使用されていた未発表曲、ライヴ・ヴァージョンを合計5曲収録。
“音楽はオレの全て。2回も離婚してるし、世の中は最悪だ。音楽以外にオレには何も残されてない”
(本人談)
Let Me Out : この曲を1曲目に選んだのは、アルバムの中でいちばんスピード感があるからだ。ドラムも2ビートで入って来るし、今までのPain の作風とは違っている。歌詞は、フラストレーションについてのものだ。良い曲を書こうと思ってあがいている俺自身を表現してみた。
Feed The Demons:ダークでヘヴィ、これが持ち味になってる。歌詞は悪魔が解き放たれる恐ろしさについてだ。ニュースを見ていれば人が人を撃ち殺したり、そんなものばかり。自分の心の内側に住む悪魔に気をつけろって事だ。
The Great Pretender :最もPain らしい曲だ。キャッチーな要素も多い。歌詞はヒーローになりきれなくて、結局ピエロのままになってる男について。スーパーマンは電話ボックスで変身できるけど、こいつは電話ボックスにさえ入れない体型なんだ。ビデオ(2作目)も作った。
You Only Live Twice :タイトル・トラック。人生の終わりについての曲。人生が良い方向に進む事を願って苦闘するんだが、結局思うように行かず、幻滅するさまを歌っている。“人生を2度生きたい”という意味だ。 グルーヴィで、クールなメロディが満載だね。
Dirty Woman :男たちについての曲。性的に興奮するとIQ が下がってしまうだろう?女たちはそれを狙ってるって事。音楽的には今までとちょっと違うスタイルで歌ってる。ビデオ第1弾なんだけど、Youtube でコメントを見ると、“最高!”と“最悪…”が両極端で面白かった。
We Want More :インダストリアルな面を打ち出した曲だ。前作“Cynic Paradise”以降、最初に書いた曲でもある。歌詞は、地球を救うと皆言うけど、自分に利益がもたらされると分かった瞬間に環境なんてどうでも良くなるような状態を歌っている。
Monster: 俺のもうひとつのバンド、Hypocrisy のスタイルに近いから、Pain の楽曲としては意外な感じに聴こえるかもね。Pian っぽいエレクトロの要素もあるけど。歌詞はモンスターにならないようにピルを欲しがる男の話。医師に正気を保てるように薬を乞い願う男についてだ。
Season Of The Reaper:エピックだ。スローでドゥーミー。歌詞は危機に陥った時に男らしくしていられるか、それともただ泣きわめくかという選択について。最後をスローに締めくくるというのは良いアイディアだと思った。空虚な感じにしてね。