Sylosis の名が突如として世間に広まったのは2008年の事、イングランドの都市レディング出身の4人組はそれ以前に2作のデモEPをリリースしただけだったのだが、Nuclear Blastからのデビュー・アルバム»Conclusion Of An Age«を発表、一躍その名をメタル・シーンに刻んだのだった。
その斬新極まりないモダン・スラッシュとプログレッシヴのミックスは瞬く間にメディアの耳目を集め、その後リリースした»Edge Of The Earth« (2011)で、“ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ニュー・メタル”と称されるべきバンド群の筆頭として、AS I LAY DYING、FEAR FACTORYらのサポートを勤め上げ、GraspopやWacken Open Airのステージも経験した。
過去2作品によって既に大きな注目を集めることとなったSylosis だが、そのプレッシャーに押しつぶされることなく、彼らは新作の準備に取り掛かる。過去にBLACK SABBATH、JUDAS PRIEST、RUSHなどのビッグネームがレコーディングを行ったウェールズはモンマスのMonnow Valley Studiosに拠点を構え、プロデュースにはRomesh Dodangoda を起用、サード・アルバム»Monolith«が完成する。
音楽的な飛躍はもちろん、本作ではアートの面でもアール・ヌーヴォー的なコンセプトを採り上げるなど、意欲的な作風となっている。
Josh Middleton(Vo/G)コメント:
"ニュー・アルバムがこんなにも早く完成するなんてと思っていた人もいたようだけど、実は2010年の夏にはアルバムの楽曲の数曲は完成していた。できる限りの時間をソング・ライティングに充てたかったし、他のメンバー同様、俺もニュー・アルバムの出来にはとても満足しているし、今までの俺たちのキャリアの総決算と言って良い。バンドとしての俺たちを最も端的に表現しているのがMonolith だと思うし、俺たちが目標としてきたものなんだ。スラッシュ、ビッグでドゥーミーなリフ、そしてダークな雰囲気といったものだね。プロデュースのRomesh Dodangoda、マスタリングを担当してくれたJens Bogrenにも感謝しているよ。 "
"Monolith のアートには凄く満足しているんだ。ダークで不気味な要素はもちろん含ませたかったんだけど、ステレオタイプなメタル風なものだけは避けたかった。70年代のプログレに俺たちは大きな影響を受けているんだけど、当時流行していたアール・ヌーヴォーにも注目してみたんだ。まぁ、コンセプトについてあまり話しすぎるのは良くないかも知れないけど、コンセプトの大元になっているのは、変装した悪魔、そしてギリシア神話のサテュロス(半人半獣の精)だね。そしてギリシア神話からもコンセプトの一部を利用している。アートについてはアルバム同様に非常に重要なもので、どちらかを先に作ってしまうことはないんだ。アートを担当してくれたDan Goldsworthy にはとても感謝しているんだ。"
Josh Middleton(Vo/G)コメント:
“一見してわかるように、Monolith のアートにはアール・ヌーヴォーの影響が非常に顕著に現れている。もっとも、そのムーヴメントを代表するような“花を敷き詰めたような”スタイルとは異なり、Monolith のそれはよりダークな部分を強調してあるし、Sylosis の特徴でもあるニヒリズムに焦点を当てているんだ。コンセプト、という観点から見ればそれはバンドの視点を具現化したものに過ぎないんだ。彼らの楽曲に共通して流れるテーマを基本としてアートを制作したから、そこに流れるコンセプトを完全に理解したいのであれば、歌詞を読んでほしいんだ。”