Interview

全曲解説

10. 胸の内を聞かせてほしいだけ

――この曲はアルバムのなかでもちょっと異質というか。

平部:これはまさにフルアルバム作るっていうなかで「短い曲も作ろうぜ」って言って始まったんですよ。もう歌詞はそっちのけで、3人でジャムりながら作っていって。短いというのは意識してたので、最後もサビ歌ったあと、アウトロ入れるんじゃなくてそのまま終わった方がきれいなんじゃないかみたいな。本当に3人でああだこうだ言いながら作った曲ですね。

――歌詞についてはどうですか?

平部:歌詞はreGretGirlらしさを残しつつ、ただ、今まではどちらかというと直面した不幸な出来事に落ち込んだ気持ちを書くみたいな感じなんですけど、これはそうじゃなくて、昔あったことを思い出しながら歌うみたいな感じですね。

――歌詞の最後の《死ぬまで君の元恋人でいるよ》って、どういう気持ちなんだろうな。

平部:これはどう捉えてもらってもいいですけど、まあただの事実と思ってもらってももちろんいいし、本当に重たいやつと受け取ってもらってもいい。受け手の自由でいいと思います。ただ自分っぽいワードだなとは思いますね。

十九川:ほんまにそのセッションっぽく作ったっていうのもあって、演奏してて楽しいし、考えて作ったベースラインというよりも、もうにじみ出てくるものみたいなプレイですね。短いし聴きやすい曲だし、その曲のいちばん最後に、このキラーワードがあるみたいな。そういうところもお気に入りな曲ですね。

――これも何年か前だったら絶対言えない言葉だったんじゃないかなって思うし。

十九川:そうですよね。

平部:今やから歌える歌だと思う。

――逆に、過去のひとつの経験から、平部くんはたくさん失恋の歌を書いてきたわけじゃないですか。それもすごいですけどね。

平部:そうですね。もちろん今となってはまったく――あんまり言い過ぎるのもあれですけど(笑)、まったく引きずってはいないんですよ。でもやっぱり思い出したら書けるんですよね。いいんか悪いんかわからないんですけど、僕、記憶力がよかったりするので。今でも当時の彼女の思い出が突然出てきたり、今でも夢に出てきたりするんですよ。でもそこに未練があるのかっていうとそういうわけじゃなくて。僕の中に刻み込まれてるんだな、いつまでもいつまでもこれは続くんだなと思います。

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