TRIADレーベル復活記念!
過去、TRIADに所属していたアーティスト15組を収録したオムニバスアルバムが完成!
何度でも何度でも。僕らは思い出す。
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![THE REVIVAL OF TIRAD[2015]](images/album-tit.png)

- Artist/Title
- Sound
- 06.The Willard / People are…
- 09.Escalators / 恋の引力
- 10.坂本サトル / 天使達の歌
- 14.Valentine D.C. / Be a believer
◆ THE REVIVAL OF TRIAD [2015] ライナーノーツ
僕達には生きる上での理想があって、理想に向かって真っすぐに生きて行きたいという欲望があって、それを外に表したくてたまらない気持ちがあって。だけどそれをただ素直に吐き出し続けても他人と摩擦を起こすことになるから自分で抑制することを覚えて、結局、言葉にならないグレーのドロドロが胸の内に溜まって、どっかでクダを巻いたり、鍵つきの日記に殴り書きをしたり、金曜日の夜に酒を浴びるように飲んだりすることで解消する。「普通は」そうやってバランスをとって生きて行くのである。
だけど、世の中には自分の夢や理想にあまりに忠実な人達がいて、そういう人達の「どう転がっても角が丸くならない歪な素直さ」はあまりにピュアなものだから、前述したような「普通」から逸脱し、ある種超越した生き方になっていく。そういう人達は言うまでもなく叩かれ、普通の列で前ならえすることが美徳とされる世界の端っこへと弾き出されてしまう。純粋に、真っ直ぐに、自分に正直に生きて行くことを偏愛する人はいつだって、うまく生きるために誰かと誰かがバランスを取って言いたいことを腹の底に仕舞うことで成立している世の中に、「異端」の称号を与えられてしまう。
そうして端に引っ込められた純粋過ぎる人間達の反撃の一打こそがロックという音楽で、だからこそ世の中の「普通」や固定概念を一瞬でもひっくり返すだけのパワーを、ロックは昔から今まで放ち続けてきたのだ。不器用でいいじゃないか、恥ずかしげもなく心に真っ直ぐに生きたっていいじゃないか、青臭くたって夢と理想のために闘い続けたいんだ――そんな、「正しき異端児」達の信念がぶつかり合う音は、いつもロマンティックだった。
そして、そういうロックのロマンにずっと恋をし続けてきたレーベルが、TRIADだ。
1981年のレーベル発足時、その当時としては珍しく、レコード会社外部から制作スタッフを積極的に採用していたことからもわかる通り、ロックというラジカルな音楽を、さらに通例のない方法・構造で面白がっていたのがTRIADで、そこからどんな音楽が生まれたのかというと――この『THE REVIVAL OF TRIAD』にラインナップされた面々をご覧いただけばわかる通り、音楽でだからこそ彩れる感情と衝動にバイアスをかけず、不器用だからこそキラキラとした青春性を真っ直ぐに表し、綺麗に整ったものばかりが「美しい」とされる世の中だからこそラジカルに響く、歪な純粋性を持った音楽ばかりである。
2007年の10月以来となるTRIADの復活には、様々な事情と要因があるだろうし、その中のたった一つをピックアップしたところで語り尽くせないこともわかっている。ロックもポップスも何もかもがごったになり、「音楽のジャンルなんてどうでもよくない?」という論説もある中で、「ロックがどうのこうの」言ってるのは時代錯誤かもしれない。だが、冒頭に暑苦しく書いた通り、そうして端っこに追いやられるほどに強烈な反撃の一打を放つのがロックという生き様であり、その一打にロマンを見続けてきたのがTRIADなのだ。SNSには、正論で悪者を叩いて溜飲を下げているだけの人。そんな中で、自分という人間の正直な言葉も綴れずに萎縮していくだけの人。自由なフリして内省化の一途を辿っているように見える2015年、同レーベルが復活の狼煙を上げることには何かの必然性を感じずにはいられない。僕達が求めているのは、綺麗に整った正論だけじゃない。毎夜毎夜腹の中で暴れ回ってしょうがない、素直な自分のままで生きていきたいと叫ぶ自分を思い切り解放してやるための歪でロマンティックな綺麗ごとなのだ。そんなことを強烈に感じる、ロックに恋してやまない「TRIAD」というレーベルのアンソロジーがこれだ。