ハワイアンミュージック
ハワイの自然の中全てにそれぞれ宿る神々たち。その中の女神たちへ捧げる言葉が、
やがてリズムをもち、そして踊り(Hura)が加わり、そこに西洋から入ってきた賛美歌が、さらに、美しいメロディーを、そしてハーモニーを与えた。それが、ハワイアンミュージックの原点…。そして、西洋人たちは王様の贈り物としてハワイに牛を連れてきた。その牛が野生化し続けた為、カリフォルニアからカウボーイを呼び寄せた。その中にギターを持ち込んだカウボーイがいた。彼からギターを譲り受けたハワイの人々。彼らは、音のあわせ方まで知らなかったので、それぞれ勝手に音をあわせて使い始めた。それが、スラック・キー・ギターの誕生である。スラック・キー・ギター = ゆるい音程という意味…。 そして、たくさんの移民の中から、ポルトガルの小さなギター「ブラギーニャ」が一人のポルトガル人によって持ち込まれた。これが、ウクレレの祖先になる。

ハワイアンミュージックシーン
50年代のハワイアンは、それこそ日本人がハワイアンという言葉を聞いて思い描くような音楽である。スティール・ギターがフィーンと入って、いかにも夏という…。このころ、観光地として売り出し中のハワイ。それだけにとにかく人々の心はアメリカ本土に向いていた。アメリカは憧れの地。そして、若者たちは渡米した。しかしそこには人種的な差別も含めて厳しい現実があり、もう少しすればベトナム戦争なども起こる。70年代には多くの人々が挫折して戻ってくる。そのときに、ハワイの美しさ、そして自然な生き方が彼らを癒していく。そうした流れの中で、自然とハワイアンという民族性、音楽といったものが「やはりいいもの」と回帰されていったわけである。話を戻して60年代は、ハワイの伝統的なスタイルのバンドから、形や音楽の形状が解き放たれた自由な時代となる。モダンの時代である。そして、70年代はスラック・キー・ギターにも注目が集まり、新しくも伝統的なハワイの音楽が再評価されていく。80年代になると今度は、ジャマイカのレゲエを取り入れたジャワイアンのような音楽が登場し、アメリカの音楽市場を意識したものが増えていく。そして、90年代はミクスチャーの時代。ラップもポップスもトラッドもすべて同時に、一つのアルバムに入り込んでいる。ヒップホップもR&Bも含め、それが現在のハワイアンミュージックシーンである。

ハワイ音楽の基本は「アロハ」
実にハワイの音楽はアメリカのポップスシーンに向かったり、トラッドへ回帰したりと、10年ごとに繰り返している。ハワイの人々は、とにかく来るものをどんどん吸収する。
決して「最近の若いヤツは」とか「ハワイアンはそんなもんじゃない」なんて言わない。また若い人々もトラッドを継承する人々を否定するのではなく、キチンとリスペクトしている。だから、トラッドの精神は絶えない。ハワイの基本、ハワイ音楽の基本は、「アロハ」。自然体で生きることは変わっていない。

 
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