Home Demoでは矢部くんの「Parakeet Kelly」が秀逸なのだが、今回は収録時間の関係でここには収められていない。というかディレクター秋元によれば「完璧で、ほぼ同じだし…」とのこと。ちなみにあのスタジオ版にある後半の打楽器連打、アフロの祭典のような部分はぼくの思いつきだった。
個人的には我が作品中もっとも気に入っている(まったく人気はなさそうだが…)「ナポレオン・ライス」のHome
Demoがそのまま本編に入ったことが嬉しかった。あの1曲のユーモアがじつはこのアルバムの肝になっていると思っている。ギターは『Mellow
My Mind』でぼくが抱えて写っている茶色のビザール・ギター(スゥエーデン製のHagstrome)で録音。今は赤いテレキャスターを製作してくれた平石くん宅に預けてあるけれど、とても妙な音がするのだ。もちろん、レス・ポール氏の多重録音作品にかなり感化されている。
他のHome Demoもほぼその時点でイメージは出来上がっているけれど、「ヘヴン」の原型がこうまでムード・ミュージック的だったとは誰も想像できなかったのではないだろうか?あれをグランジへ移し替えるよう指示したウエケンの勇気、じつに見事だった。