『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』アニメシリーズ 完結!
全18話一夜限定オールナイト上映イベント
【日程】2024年11月9日(土)~10日(日)
【会場】シネマート新宿 Screen 1
【登壇者】入野自由、白石涼子、黒川智之アニメーションディレクター
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』アニメシリーズ 完結!全18話一夜限定オールナイト上映イベントが11月9日、東京・シネマート新宿で行われ、声優の入野自由、白石涼子、アニメーションディレクターの黒川智之氏がイベント前の舞台挨拶に登壇した。
浅野いにお氏自身初のアニメ化作品となる『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』劇場版が2024年3月に前章、5月に後章として公開され大きな話題となったが、アニメシリーズ版は、劇場版とは異なる結末、そして劇場版では描かれなかった原作の印象的なエピソードを盛り込み制作されたという。
劇場版とアニメシリーズ版の企画が走り出した背景を聞かれた黒川氏は「アニメシリーズ全18話と、劇場版2章立てというのは最初から決まっていました。現場ではアニメシリーズを18本作って、そこから劇場版を作ったので、アニメシリーズありきで現場は動いていました」と裏話を披露し、大葉圭太役の入野はこの話を最初から聞いていたそうだが、田井沼マコト役の白石は当初、アニメシリーズ版のみだと思っていたそうで「アフレコ現場に行って役者陣から噂で聞いた感じだったんですけど、びっくりしましたね」と目を丸くした。
改めて、アニメシリーズ版を見た感想を求められると、入野は「アフレコが終わったのが1年くらい前なんですけど、アフレコ当時は絵が全部完成していなかったので、(完成したものを)全部見終わったあとに、劇場版のクオリティを全18本、保って描いてくれてありがとうございましたって思って感動しました」と目を輝かせ、「“隅から隅まで浅野いにお先生の絵が動いている”と劇場版のときに感じたものが、アニメシリーズでも感じられたのが、いちファンとして嬉しかったですね」と感無量な表情を浮かべた。
一方、白石は「アニメの収録は1話毎だったし、順番も入れ替わったり、間も空いたりしたので、18話こんな風になったんだなと思って面白かったですし、劇場版を見てアニメシリーズを見るとまた印象が変わって、キャラクターに対する印象も変わりましたね」と吐露し、「劇場版と違って自分で止めて見られるから、気になるところで止めて見たり、戻って見たりして、背景にこんなこと書いてあったんだとか注目しちゃったりしましたね」と声を弾ませた。
また、アニメシリーズ版から劇場版を作る際の編集が大変だったという黒川氏は「映画に入れる話数と入れない話数を最初から決めていて、劇場版は前章120分、後章120分あって、アニメシリーズは1話20分ちょっとなので、賞味6本ずつで、残りの6本は映画に入れないと決めていたんですけど、いざ前章の編集をしたときに、映画に入れない話数のこのシーンはスクリーン映えするよなとか、このシーンは大事なんじゃないかと欲が出ちゃって、1回編集を繋いでみたんですけど物足りなさを感じてシーンを入れ替えたりしたので、前章は編集に時間をかけてやりましたね」と振り返り、「映画とアニメシリーズでシーンの順番も違っていたりするので、ぜひ機会があれば見比べてください」と呼びかけた。
加えて、黒川氏は「こういう企画に携わるのが初めてだったのですごく刺激になったし、苦労した分、映画は前章・後章でまとまりのいいものになったと思いますし、アニメシリーズは長い尺で見せられるので、いろいろ深掘りできるところもあって、また違う魅力があるシリーズになったなと実感しています」と仕上がりに手応えをにじませ、入野は「アニメシリーズは1話1話でドラマがあるから、自分の中から生まれてくる感情の膨らみは大きいんじゃないかなと思いますね」とコメント。観客のみなさんは一晩かけてアニメシリーズを見ることになるが、入野は「門出と凰蘭と一緒に旅をしてきたような感覚になると思いますし、今日しか味わえない体験になると思うので、来ていただけて嬉しいです」と感謝した。
イベントでは、アニメシリーズの主題歌楽曲が、浅野氏が作詞作曲をし、anoと幾田りらが歌唱する新曲『SHINSEKAIより』が採用され、11月15日午前0時より配信スタート、12月にはサントラアルバムもリリース予定となっていることが発表されたが、入野は「浅野先生ってなんでもできるんですね(笑)」と感嘆すると、黒川氏も「デモを聞いたときに、『これ浅野先生が曲を書いているんですよ』って言われてにわかに信じられなかったです(笑)」と驚きの表情を見せた。
改めて、同曲を聴いた感想を求められると、入野は「anoちゃんと幾田りらちゃんの2人の化学反応というものは、劇場版で聴いていましたけど、新しい2人の魅力がいっぱい詰まった曲ですね。2人がそれぞれやっている歌とは違う世界観で、聴いていて面白いなって思いました」と胸を躍らせ、白石は「メッセージのある歌詞で何回も聴いちゃいました」とにっこり。加えて、12月4日より発売される『デデデデ』Blu-ray&DVDの詳細も発表された。
最後に、観客へメッセージを求められると、入野は「みなさんにアニメシリーズ全18本をオールナイトイベントで見ていただけるのはすごく嬉しいです。明日の朝方は早起きをしてみんなのことを思いますので、最後まで楽しんでいってください」と呼びかけて観客を笑わせ、白石は「劇場版では入っていなかったシーンや、わたし的にはアフレコしたのにカットされたシーンがいろんなところに散りばめられていますし、かわいい服を着ているマコトもいたりするので、ぜひ見逃さずにチェックしていただけたら嬉しいです。衝撃のシーンから始まる全18話を最後まで楽しんでください」とアピールした。
そして、黒川氏は「アニメシリーズのみのキャラクターが何人もいるんですけど、そのキャストもめちゃくちゃ豪華なんですよ!本当にびっくりすると思います。キャストもまだ発表になっていないので、みなさんが初めての目撃者になります。ぜひ、キャスティングにも注目していただきたいです」と告白し、「最終話は超大物アニメ監督に一部コンテをお願いしたところがあるので、エンディングのクレジットにも注目して、最後まで見ていただければと思います」とおすすめした。
原作:浅野いにおコメント
『デデデデ』の世界観を念頭に置きつつも、その近似値のような終末感漂う混沌とした現代に生きる「私たち二人」の曲として制作しました。可愛さの裏側にある生意気さ。ふざけ合いの中に垣間見える諦念。そんな複雑な感情を歌詞の中に残せたと思います。anoさんと幾田りらさんの、お互いを支え合うようなコンビネーションは感動的に素晴らしかったです。二人の強さと儚さを兼ね備えた声がなければ、この曲は成し得ませんでした。そして余談ですが、作詞だけでなく作曲まで担当するという原作者のわがままを受け入れてくれたプロデューサー氏には本当に感謝です。