白銀の月
身の引き締まるような深閑とした空気に、月が凛と輝く12月の夜。
月はただ落ち着いて、時間の流れをひたすら静観しているように見える。
38万キロという絶妙な距離を保ちながら、
地球の周りだけを一筋に廻り続ける月。
浮世離れしているように見える月だけれど、
案外、実はここ何十億年も色々を乗り越えて、
今やっとすべてを判ったところかもしれない。
「それならもう、万事から超越していても可笑しくはない、か…。」
月をじっと眺めているとふと、そんなことを思ったりする。
月の直径は、地球の約4分の1。
母(ぼ)惑星との比率を考えると、とても大きい衛星なのだそう。
地球の事をどう思いながら回り続けているのだろう。
もし人間の存在を知っているなら、
この不器用な生き方をする私たちをどう思っているんだろう。
ふと、そんなことを思ったりもする。
ずっと見つめていたら何でも答えてくれそうな気がする。
白銀の月の光が降りそそぐ夜に。
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