高津哲也/PRISMセルフライナーノーツ
制作日記によると、今まで書いてきた曲の中からこのアルバム用に選曲をして、実際に録音作業をはじめたのは去年の１０月６日、そしてマスタリングを終えすべての音源があがったのが今年の３月７日。
だからこのソロファーストアルバム『PRISM』は、ちょうど５ヶ月間かけてつくったことになる。

ここに収められた１２曲には、一番古いもので２０代のはじめ頃につくったものから、今回の制作中に歌詞を書きあげた曲までがあり、僕にとっての時間軸に相当の幅がある。曲のタイプやアレンジにもかなり幅があり、陽性の曲、ダークな曲、バラード、コーラスを全面に出した曲から、独唱、そしてデュエットソング等々。
あるパートの打ち込みに何ヶ月もかかった曲から、録音ワンテイク目が活かされた曲までと制作方法や意図も様々だった。結果、思っていた以上に僕が音楽に欲しかったあらゆるものを盛り込んだものになった。

この多彩な内容のアルバムにひとつ芯を通しているものが、シンプルにメロディと曲の良さだと感じてもらえたら嬉しい。誰もがつい歌いたくなってしまうようなダイレクトさと、何度でも聴くことができる深さをあわせ持ったものが、今の時代のポップソングにも、いや今の時代だからこそ出来ると僕は思っている。それを自分なりに、今の時点で思いつく限りやってみたのがこの『PRISM』です。

Co-Producerという立場で本当に親身になって制作を手伝ってくれた沖井君、昔からの大切な仲間である坂君、倉本さん、快くデュエットをしてくださった青野さん、エンジニアリングを担当してくれた巨勢さんと加瀬さんに心から感謝しています。』