Release

1st EP
「生活e.p.」

2021.12.29 Release
COCP-41654 ¥3,850 (税抜価格 ¥3,500)
jacket
  1. ロードイン

    楽曲解説歌詞 (歌ネット)

  2. シャンプー

    楽曲解説歌詞 (歌ネット)

  3. LDK

    楽曲解説歌詞 (歌ネット)

  4. オールディーズ

    楽曲解説試聴歌詞 (歌ネット)


『生活e.p.』全曲解説
by.平部雅洋

今作のコンセプトは、生活=恋愛。
生活と恋愛は表裏一体だと思う。

M1.「ロードイン」

地元の街の風景はどうしても過去の恋愛を思い出すもので、それをしっかり形にしておきたいと思ってできた曲です。この曲自体が今回のEP作品のセルフライナーになっているんじゃないかと思うくらい、具体的な言葉で歌詞を綴っています。昔の自分がこのテーマで書いたら、ひとつの恋に対してもっと思いつめて作詞をしていく感じになったと思うんですが、これはもう少し引いた目線で、「あの頃に戻れたらいいな」くらいのニュアンスで書けたんじゃないかと思います。僕も大人になりました(笑)。
今回『生活』というEPのテーマを先に決めてから制作に入ったんですが、作品コンセプトを決めて曲を作っていくというやり方は初の試みでした。そのなかでも「ロードイン」は、一番最後にできた曲。シンプルにアップテンポな曲がほしかったのと、『生活』というテーマを表現するためにも、情景や感情をギターで演出したかった曲です。過去のアップテンポな曲では、あまりギターを重ねて入れたりしないんですが、これは最後にはひとりでは弾けないくらいにギターを重ねて、扇情的なサウンドにしています。
作詞でも初のトライがありました。実はこの曲で初めて関西弁を(一言だけですが)歌詞に織り込むことができました。これまでも何度か関西弁の歌詞を入れることに挑戦していたのですが、関西弁特有のベタさが出てしまうのもあって諦めていたんです。それが今回はうまくハマりました。地元感を出したいEP作品だったので、ここに入れることができてとても満足しています。

M2.「シャンプー」

今回の『生活e.p.』という作品のコンセプトは、実はこの曲のデモがあったからこそ浮かんできたものでした。「シャンプー」は3年前にはすでにデモが存在していた曲です。ずっと出すタイミングを見計らっていました。1stアルバム『カーテンコール』の時にも、この曲を入れられないかと考えていましたが、『カーテンコール』は新しいreGretGirlを見せていこうというコンセプトで作った作品だったので、この曲の世界観がうまく収まらなかったのです。それを今度こそ完成させよう、リリースしようというなかで、今作の『生活』というテーマが見えてきました。
サビの“ギュッと抱きしめていたら何もかもどうでもよくなったよ”の歌詞は、3年前の当初からすでにあったものです。今回完成させて改めて思ったのは、ワードをこんなふうにサビに詰め込むように歌うのは、これまでのreGretGirlの曲にはなかったもので、3年越しではありますが僕のなかで新しい引き出しがまたひとつ増えたような気がしていています。長くあたためていた曲ですが、出来上がってみればここにも新しいreGretGirlが表現されていました。
きっと3年前だったら同じ形にはなっていなかったと思います。自分も日々刺激を受けながら、音楽の好みもやりたいことも変化していくなかで、アップデートしたバンドサウンドで、満を持してこの曲を世に出せたことがとても嬉しいです。

M3.「LDK」

この曲は、reGretGirlの音楽性のなかにあるポップさやキャッチーさを意識しました。僕たちは3ピースのバンドだということもあって、ギターリフを主軸に置くような曲作りには、それほどガッツリ取り組んで来なかったんですが、「LDK」はギターリフを意識して作っています。僕はそもそもギタリスト寄りのミュージシャンではないですし、ギターリフから曲を作るというより、やはりメロディを作ってそこに歌を乗せていくというやり方が多くなるのですが、今回は珍しくメロディと同時にリフも作り込んでいきました。キャッチーですごく良いリフができたと自分でも思っています。
“君を忘れることをやめたのです”というフレーズは、この曲の殺し文句とも言える歌詞ですが、これまでは「君をずっと思っている」みたいな表現をよくしていたところで、“忘れることをやめた”という表現が出てきたとき、まだまだ自分の作詞もいけるなと思いました。いい言葉を書こうと無理やりひねり出したのではなく、歌詞を書き進める流れのなかで自然に出てきた言葉なので、よくよく考えるとかなりヤバい歌詞だとも思いますが(笑)。最初の“不器用な夕飯の愛情を ふたりでいただく日々でした”っていう歌い出しも、実際の経験から書いている風景ではありますが、ストレートすぎない言葉で表現することができて、気に入っています。

M4.「オールディーズ」

これぞまさに「平部雅洋が書く歌詞」というような曲になりました。サウンド的にはストリングスを導入していたり、インディーズ時代とは方向性の違う曲ですが、歌詞は、失恋して落ち込むところまで落ち込んで過去を振り返りまくるという、reGretGirlの原点というか、僕がずっと書き続けてきたものの良さが一番出ている曲ではないかと思います。これまでの一番を叩き出そうとしたわけではないのですが、過去の「デイドリーム」とか「黒鳥山公園」に負けないくらい、とにかく女々しいと言われるようなバラードを書きたくて書いた曲です。
自分のなかでは「あの頃に戻りたい」とか「良い思い出」として残っている記憶でも、相手からしたら自分は「ただの過去の人」だという切なさとか、相手の記憶のなかで自分という存在がどんどん古くなっていく寂しさとか、そういう感情を言葉に込めて書き綴っています。「オールディーズ」という言葉には「古き良き」というイメージがあると思いますが、自分だけが相手のことを思うのではなく、失恋をした相手のなかでも、自分がずっと良い思い出として残っていけたらという想いから、このタイトルをつけました。
いつもはギターを弾きながら曲を作っているんですが、この曲はピアノで作曲しています。そのおかげか、これまでのreGretGirlのバラードにはない、ドラマチックでエモーショナルな展開になりました。
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