機界戦隊ゼンカイジャー

スペシャル

世古口 凌 インタビュー

世古口 凌が揺れる心を歌う「STACY THOUGHT」!

ステイシーらしい覚悟の象徴。人に頼らない甘えない!


魅力的なキャラクターたちが絡み合い、物語を彩っている『機界戦隊ゼンカイジャー』!
その中でもミステリアスな出自と端正な顔立ちにファンも多いステイシーが、自身の生き様を歌うキャラクターソング「STACY THOUGHT」が誕生した。もちろん歌うのはステイシーを演じる世古口 凌(せこぐち・りょう)さんだ。

世古口 凌1
レコーディングは都心を離れた閑静な住宅街にある、秘密基地のような地下スタジオで行われた。この日はいつもの穴井ディレクターの他に、作曲・編曲のYOFFYさんも同席。

穴井Dから「メトロノームが(ヘッドホンから)うっすら聴こえるようにするとガイドになりますよ」とアドバイスが伝えられる。その後、YOFFYさんがブースの中へ入り歌やリズムのポイントを直接伝えたりして、マイクテストからいざ本番へ。世古口さんはヒザを少し曲げて足踏みするかのような仕草で、太ももを叩いてリズムを取っている。

(穴井D)「『力』は正義でも悪でも大事なので『ち』を大事に思ってください」
(YOFFY)「口を閉じると音が前に出なくなります。『う』と発声すると『ん』に聴こえますよ」
(穴井D)「YOFFYさん直伝の(リズム感)『ワンツー、スリーフォー』を大切に…こちらは色々言ってますが、世古口さんの頭の中で整理して実現してくださいね」

と、スタッフからの丁寧なアドバイスを、世古口さんは素直に取り入れて行く。

(YOFFY)「歌ってる時に感じるビートで表情が違う…色気がメッチャでてきましたね。掴むの早いわ~」
途中で録音済み分を聴いた世古口さん本人と言えば「『世古口』が頑張っているので『ステイシー』感を出さなくちゃ」と笑っていた。向上心あふれる世古口さんのトライを経て、レコーディングは順調に終了した。その瞬間コントロールルームでは、スタッフが「カッコいい」「すばらしい」と、口々に言葉を発したのであった。

ちなみにタイトルの「STACY THOUGHT」は、作詩のマイクスギヤマさんの手によるものである。そこには「stay(ステイ)/seesaw(シーソー)」の意味が込められているそうだ。ゼンカイジャー、そして母を感じさせる五色田ヤツデの側と、トジテンド側の間で、シーソーのように揺れながらも留まっている不安定な立場を表した秀逸なタイトルだ。

―――収録が終わった瞬間の率直な感想はいかがですか?
終わりましたね~(安堵の表情)。ひと言で言えば「楽しかった!」が間違いありません。僕的にはレコーディング自体は初めてではありませんでしたが、作り上げてきた役で一人、フルに歌うのは…そうですね…
僕だけど僕では無い感じでした。新鮮なレコーディングになり、新しい感覚でしたね。

―――初めてでは無いということは?
声優さんが既に演じている作品の歌に、自分の声を載せることはありましたけど、イチから作るのは初めての経験でした。貴重な経験です。

―――今回心に残った歌詩やフレーズはどの辺りですか?
けっこうたくさんあるんですよ。それを聞かれるとどこにするか迷ってしまいます。ここにはステイシーの考えていることなどが、全部詰め込まれています。大事な情報しか書かれていません(笑顔)。それでも好きなところと言えば…二番の「退路閉ざして 非情の道を突き進む」とかは、パーンッ!と来て好きですね。もう「誰が何と言おうが僕は僕の道を突き進む」という感じです。ステイシーらしい覚悟の象徴だと思います。人に頼ったり甘えたりしないところがステイシーなんです。そう言う人間なんです。(一番の)「『優しさ』に焦がれている暇はないからさ」だったり、「その馴れ合い引いた境界線」のラップの部分にも(それは)詰め込まれています。全部が本当にステイシーを表してくれているのだと思いました。

―――今日は作曲のYOFFYさんも同席ですが、その目の前で歌う感じはいかがでしたか?
(YOFFYさんの歌う)仮歌を聴いて、とても参考にさせて頂いていたんです。そして(自分の思う)ステイシー像と近いんだなと感じて、勝手に嬉しくなったんです。ステイシーのことを良く理解してくださっているんだなって。おこがましいですけど、メッチャ嬉しかったんです。優しく色々とアドバイスもして下さり、緊張などはありませんでした。ホント助かりました。一緒に作り上げた感が強いです。

―――穴井Dからは「セクシーだ!」などの言葉もありましたが。
(笑)ゼンカイのメンバーだったら、セクシー要素も担当出来るのかな、と僕は思ってるんですけど、(歌では)また違ったセクシーが見せられるのかな、とも思います。

―――もしライブでオファーがあったら、それをナマで観られる訳ですよね。
アハハ、どこのライブですか? でもその時は衣裳を着てしっかり歌いますよ。僕の私服じゃもの足りませんよね(笑)

―――この歌をカラオケで歌うときの世古口さんワンポイントアドバイスをお願いします。
もう覚悟を決めて歌ってください。(この歌は)ステイシーの覚悟の象徴なんです。揺れ動いてはいますが、自分と見つめ合うこその歌なんです。みなさんもこれを歌うことで、今後どうするのか自分を見つめ直して下さい(笑顔)。考えるキッカケになる曲だと思います。シリアスな歌になっています。(自分はもしカラオケにあったら)せっかくなので歌います! そんな経験はなかなか無いのでバンバン歌います。みなさんにもたくさん歌って欲しいです。キーは男性にとって少し高いのかも知れませんが、ちょっと下げて歌ってもらって…女性は逆に歌い易いかもしれません。お子さんは難しいかもしれないなって(笑)

世古口 凌2
―――世古口さんは、普段はカラオケでどういった曲を選曲されるのですか?
僕はバラードが好きで良く歌うのですが…鉄板ですけどSMAPさんの『夜空ノムコウ』や、『オレンジ』『STAY』などです。僕は最近の流行りの歌に着いて行けないと言うか、着いて行きたくないんです。だから最近の曲はまったくもって知らないんです。聴くのは昔のJ-POP…平成初期の歌が多いですね。パワーをくれる曲を聴くことが多いです。(千綿)ヒデノリさんの『カサブタ』などが思い浮かびます。『(金色の)ガッシュベル!!』と言うアニメの主題歌なんですけど。これは幼少期から聴いています。現実では大人の縛りとか色々難しい事があるけど、そんなモノは取っ払って生きていこうよ!って。そこに何度も救われたり思い出があります。

―――では幼少期の思い出の一曲も、その『ガッシュベル!!』の『カサブタ』なんですね。
僕は不登校の時期があったんですよ。親の都合で転勤を重ねていて、ある時「もう学校に行きたくない」って、なっちゃったんです。友達を作るのも嫌で、「学校に行く意味が分からない、勉強を何のためにするか意味が分からない、何故ならいずれ命も尽きてしまうから」って。そんな時『ガッシュベル!!』に触れたんです。そこから放たれるセリフに所々で響くモノがあり、泣けてきたんです。友達や仲間って意外と良いモノなんだと。僕はそれを確かめに学校に行った感じでした。作品にも感謝してるし、主題歌の『カサブタ』にも背中を押されたと言う思い出があります。『カサブタ』はデカいです!

―――そんな世古口さんの経験のように、この歌を聴いて何かを感じる子どももいるかもしれませんね。
いや~居てくれたら良いんですけど、ちょっと難しいかな~。でも「人に流されないで」とは、間違いなくこの歌詩が言ってると思います。そこが伝われば良いですね。分かる子には分かるかな? 分からなくてもその内分かると思います。大人の方にも響くモノがあるかと思っています。

―――この歌をキッカケに、世古口さん自身が歌の世界でも活躍してみたくなったりしませんか?
歌を聴いたりライブ映像を観たりすることは良くありますが、自分でとなるとどうですかね。
歌で届けたいモノがあるのか無いのか今は分からないんです。もし歌にして届けたい何かを見つけたら、是非やってみたいと思います。

―――今後もしまたスーパー戦隊ソングのオファーがあったら、どんな歌を歌ってみたいですか?
そうですね。正義のヒーローが「正義」とは限らないよ、って歌ですか? 僕はなかなかヒネクレているんですけど(笑)まっとうに良いものがイイとは限らない、正義の味方にも裏があるかもしれないし、正義の味方は他の人に取ってはそうでは無いかもしれない、と客観的な見え方が出来る人が増えたら良いと思っています。違った価値観と言うか、ヒーロー側にも悪側にもお互いに「正義」がある感じですね。正しい「正義」なんか無いんだよ、と言うことを歌に出来たらメチャメチャ面白いと思います。スーパー戦隊にはちょっと似つかわしくない素材かもしれませんが(笑)

「STACY THOUGHT」
 作詩/マイクスギヤマ
 作曲・編曲/YOFFY
 歌/ステイシー(世古口 凌)

この歌は『ミニアルバム 機界戦隊ゼンカイジャー 3』(COCX-41555)に収録!

構成:チバ!(スタヂオ・ジンプ!)/監修:瀧島南美(東映)

商品情報

COCX-41555 CD
2021/10/27発売
ミニアルバム 機界戦隊ゼンカイジャー 3
COCX-41555
¥1,650 (税抜価格 ¥1,500)
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