インフォメーション

作品紹介

医療漫画の金字塔、手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』の主人公である奇跡の天才外科医ブラック・ジャックの若かりし頃の姿を描く。
のちの「ブラック・ジャック」こと間 黒男は、子供の頃に命を助けてもらった外科医・本間に近付くため、医者を目指し技術を磨き続けている医学生。
彼はなぜ無免許で法外な金額を要求する闇医者「ブラック・ジャック」となったのか……!?
1960年代を舞台にブラック・ジャックの知られざる過去を描き出す話題作!!
また『ブラック・ジャック』の登場人物のほか、『リボンの騎士』や『鉄腕アトム』など手塚治虫作品の他作品の登場人物たちが俳優のように登場するスターシステムを採用し、作品に花を添える。

あらすじ

#01「医者はどこだ!」
1968年、東大紛争が勃発。多くの若者が国家権力への戦いへ突き進んでいった時代。そんなある日、本越大学付属病院に列車とバスの衝突事故によるケガ人が多数搬送された。インターンの岡本舞子から、ケガ人の手当の手伝いを要請された医学生の間黒男。彼はそこで、列車の下敷きとなり、右腕、左脚が切断された少年・拓ちゃんと出会う。教授から手足を繋げるのは不可能と言われて絶望する両親に、間は「俺に任せてくれるならば、必ず繋げてみせる!」と言う。ただし、報酬として当時では法外な金額である500万円を要求する。わらをもつかむ気持ちの拓ちゃんの両親は、その手術を了承するが……。

#02「拉致」
突然、夜道で襲われ、どこかへとさらわれた間。目を覚ますとそこは薄暗い部屋の中だった。数人の男たちと一緒に拘束される間の前に、取り立て屋の立入が現れる。「今日皆さんにお集まり頂いたのは、借金をチャラにする、素晴らしい提案をするためだ!」と言う立入。それは、ある資産家に自分の心臓を差し出す臓器移植の提案だった。適合検査の結果、間とレイモンドという男がドナーに選ばれる。金さえ積めばどんな移植だって引き受ける闇医者・Dr.ジョーカーによって行われるはずの生体間心臓移植手術は、相手の都合により直前でキャンセルされる。窮地に立たされた立入のとった行動とは……。

#03「脱走兵」
以前、黒男の手術の腕前を目の当たりにした岡本が、その技術の「ヒミツ」を探りに黒男のアパートにやってきた。彼女が目にしたのは、水槽で泳ぐ手術痕のある魚。だが、「そっちは失敗」と言う黒男の言葉に驚き、岡本は再び水槽をのぞくと、ほとんど手術痕の消えかけた魚も一緒に泳いでいたのだ。黒男は魚や豚足などを使い、日々、手術の練習に励んでいた。そのとき、並びの部屋から呻き声のようなものが聞こえ、2人は声のする方へ。その部屋には黒男と同じ高校を卒業した2年下の田村がいた。黒男は田村から部屋の中にいる病人を診てほしいと強くお願いされる。病人はアメリカの脱走兵だったのだ……。

#04「ベトナムにて その1」
1ヶ月前、黒男に刺激され、一から出直したいと戦地・ベトナムへ向かった藪。その後連絡は途絶え、黒男は藪を捜しにサイゴンへやって来る。藪に現地の病院を紹介したルポライターの高柳から話を聞き、黒男は藪がいる可能性の高いダリッドへと向かう。ダリッドまでは高柳と一緒に、米軍の輸送部隊に同行させてもらうことに。その道中、敵襲を受ける。このときはじめて黒男は、自分が戦地にいる現実をまざまざと思い知らされるのだった。目の前で銃撃戦が繰り広げられる中、ケガ人の兵士を発見した黒男。いてもたってもいられず、「バカ野郎! 出るな!」との米軍兵・ボブの制止も聞かずケガ人のもとへ。

#05「ベトナムにて その2」
ベトナムの地で、反政府軍の捕虜となった黒男たち。一緒に捕虜となった米軍兵・ボブは、敵の隊長に不当な拘束を解くことと、重症を負った仲間・スティーブの治療を要求する。だが、その要求は聞き入れられることはなかった。地下倉庫のような場所で、まともな食事も与えられず、両手両足を拘束されたまま数日間が経過。ある日の朝、輸送隊の通訳として雇われたベトナム人のファンが、反政府軍の人たちに連れ出されて拷問を受ける。拷問が終わりふたたび部屋へ戻ってきたファン。その手にはなぜか拘束具の鍵があった。「説明は後」という彼女の指示通り、黒男たちはその場から逃げ出すことにする……。

#06 「ベトナムにて その3」
米軍の軍医による手術で、命を救われたスティーブ。翌朝、彼の姿が見当たらなくなっていた。ずっと意識が混濁したままだったため、いまだ自分が捕虜のままだと思っているのかもしれないと黒男は言う。彼を見つけ、説得をしたときに悲劇が起こる。スティーブが地雷を踏んで亡くなったのだ。そんなとき、黒男たちが世話になっている村の外れで、倒れていた人が見つかる。運ばれてきた人物はファンの幼なじみであるアイン。黒男たちが捕まっていた基地の兵士であり、ボブにとっては憎むべき相手だ。そんな彼を黒男や軍医は治療すると言う。自分たちを殺そうとした敵を助けることに納得のいかないボブは……。

#07 「苦痛なき革命 その1」
アメリカにやってきた岡本と黒男。2人はバーミングハム大学記念病院で、名医リーゼンバーグ教授の公開手術を見学する。その病院で岡本は、以前留学していた時に知り合ったティアラと再会し、彼女から黒人解放運動の活動家であり幼なじみのジョニーを紹介される。4人がレストランで食事をしていると、突然、ジョニーを黒人男性2人組が襲う。たまたま発砲された銃弾によってティアラは腹部をケガし、ジョニーも2人組からの暴力により右腕を複雑骨折する。一刻も早くジョニーの手術が必要な状況下の中、執刀医が足りずに黒男たちが困っていると、「私がやろう」とリーゼンバーグ教授が現れる。

#08 「苦痛なき革命 その2」
痛みを感じない無痛症のジョニー。彼の病気を治そうと黒男たちは奮闘する。ジョニーへの問診を何度も行い、八方手を尽くして調べるがなかなか原因を突きとめられずにいた。そんなとき、ベトナムからリーゼンバーグ教授を訪ねて藪がやってくる。戦闘ストレス障害の研究者でもあるリーゼンバーグ教授に、元アメリカ軍兵士であるトミーの治療を頼みにきたのだ。病院内で偶然黒男と再会した藪は、彼にもトミーを紹介する。そのときトミーからジョニーと同じ小隊にいたことや、彼がベトナムに行っていないことを聞く。ジョニーの問診の答えが嘘だとわかった黒男は、今度こそ答えさせる!とばかりに問いただす。

#09 「無残帳 その1」
本越大学に、日本の整形外科を牽引すると言われた帝都大の元教授、百樹丸雄がやってきた。事故で両手足を失い、義手で車椅子を動かしながら講義をする百樹。彼は黒男の命の恩人である本間丈太郎先生の教え子であり、黒男とは以前からの知り合いでもあった。久しぶりに再会した黒男は、百樹の研究の手伝いを申し出る。数日後、百樹のもとへ澪という女性が尋ねてくる。百樹と澪の様子を影から見守る黒男と舞子。2人のある話を耳にした途端、舞子は思わず身を乗り出し、飛び出してしまう。そして、澪のおかげで外科医としての自分を取り戻すことを決心した百樹は、帝都大の同期にある手術を持ちかける。

#10 「無残帳 その2」
外科医としての再出発を果たしたはずの百樹。だが、帝都大病院で百樹が執刀するはずだった手術はキャンセルとなる。検死解剖時の写真が患者へ送られ、猛反対されたのだ。数日後、百樹の研究室に澪がやってくる。澪から百樹が行方不明になっていることを聞いた黒男と舞子。帝都大病院で宝医師と露々に会うと言ったのを最後に姿を消した百樹を捜しに、2人も出かける。露々に会って話を聞くが百樹は来ていないと言い、宝医師は帰った後だった。舞子の機転により、研修医仲間から住所を教えてもらった黒男たちは、宝医師の家へ。と、そのとき、裏路地から苦しげな叫び声が! そこで2人が見たものは……。

#11 「無残帳 その3」
再会した百樹の変わりように衝撃を受ける黒男。「何があったんです?」との黒男の問いに、百樹は復讐を決意させた経緯を話し出す。黒男と別れて病院へ向かったあの日、そこで彼は宝医師たちによって帝都大病院から追い出されたことを知る。理由を問いただそうと多野医師の車に乗り込んだ百樹は、さらに自分の手足が奪われた事故の真相を知ることになる。懸命に黒男が自首を勧めるが、百樹は自分の方法でヤツらを裁くと言い放ち、そのまま闇へと消えていった。帝都大教授連続殺傷事件の犯行はすべて百樹の仕業であることをつかみ、警察は次に百樹が狙う人物の警備にあたる。そこに百樹が姿を現して……。

#12 「狂騒の季節」
一部の学生たちは暴力革命を目指し、過激化していく。そんな中、黒男は今上エリという大学生と出会う。彼女との出会いは、第1次羽田闘争の時。近くの公園で顔から血を流して気を失っているエリを見つけた黒男が、このままだと確実に傷が残ると、その場で傷の処理を行ったのがきっかけだ。以来、エリはちょくちょく黒男のもとを訪れるようになる。ある日、エリから黒男宛に別れを告げるようなハガキが届く。ちょうどそのとき、テレビから過激派の学生たちのアジトが一斉摘発されたとのニュースが流れる。ハガキの消印が摘発先と同じ群馬県であることに気付いた黒男は、ある行動へと出る。それは……!

原作

ヤング ブラック・ジャック(秋田書店「ヤングチャンピオン」連載)

ヤングチャンピオン・コミックス
「ヤング ブラック・ジャック」1~9巻発売中(以下続刊)

コミック第1巻
原作
手塚治虫
脚本
田畑由秋
漫画
大熊ゆうご
医療監修
後藤伸正

スタッフ

監督加瀬充子
シリーズ構成・スーパーバイザー高橋良輔
キャラクターデザイン・総作画監督片山みゆき、三浦菜奈
美術デザイン西田 稔
美術監督柴田正人
色彩設計荒井めぐみ
撮影監督染谷和正
CGディレクター軽部 優
編集渡部珠未
音響監督亀山俊樹
音響制作グルーヴ
音楽池田大介、古井弘人、秋山健介
音楽制作ビーイング
アニメーション制作手塚プロダクション

キャスト

間 黒男
藪
岡本舞子
間 黒男
梅原裕一郎
子供の頃に命を助けてもらった外科医・本間に近づくため技術を磨き続け、すでに高度な技術をもっている医学生。

遊佐浩二
ヒロポン中毒の血もみられない医者。
岡本舞子
伊藤 静
間の通う大学の先輩。インターン中。
ナレーション
大塚明夫
©ヤング ブラック・ジャック製作委員会

ゲストキャラクター&キャスト

#02「拉致」
立入灯郎
レイモンド
金山留蔵
ジョウ
立入灯郎
東地宏樹
取り立て屋。黒男が多額の借金をしている。
レイモンド
井上倫宏
黒男とともに、立入に拘束される男。
金山留蔵
岡和男
救国教の教祖。資産家。
ジョウ
江口拓也
金山を崇める教団員のリーダー格の一人。
#03「脱走兵」
青山
田村
スミス
マーロン
ヒューゴ
青山
豊口めぐみ
反戦運動を行うグループ「ベ由連」のメンバー。
田村
松岡禎丞
青山の下で活動する青年。
スミス
置鮎龍太郎
ベトナム戦争から脱走してきたアメリカ兵。
マーロン
小田久史
スミスとともに脱走してきたアメリカ兵。
ヒューゴ
武内駿輔
感情を表に出さない、冷徹な男。その正体は……。
#04「ベトナムにて その1」
高柳
ボブ
ファン
スティーブ
高柳
利根健太朗
戦地ベトナムで取材をしているフリーカメラマン。
ボブ
安元洋貴
アメリカ軍、輸送部隊の隊長。
ファン
M・A・O
ボブたちの現地案内や通訳を務めているベトナム人。
スティーブ
山本祥太
ボブの部隊の隊員。
#05「ベトナムにて その2」
軍医
軍医
諏訪部順一
アメリカ軍の医師。
#07「苦痛なき革命 その1」
ジョニー・バセット
ティアラ
リーゼンバーグ
ジョニー・バセット
吉野裕行
無抵抗主義の黒人解放運動のリーダー。
☆『アラバスター』のジェームズ・ブロック。
ティアラ
Lynn
ジョニーの幼馴染。岡本の留学時代の知り合い。
☆『アラバスター』の小沢亜美。
リーゼンバーグ
山野井仁
大脳医学の権威。戦闘ストレス障害にも詳しい。
『ミッドナイト』に登場。
#08「苦痛なき革命 その2」
ヒューゴ
トマス・ウイリアムズ(トミー)
ヒューゴ
武内駿輔
感情を表に出さないCIAの男。第3話「脱走兵」に登場。
☆『人間昆虫記』の釜石桐郎。
トマス・ウイリアムズ(トミー)
高橋英則
ベトナム戦争での経験からの戦闘ストレス反応に悩む。
『七色いんこ』に登場。
#09「無残帳 その1」  #10「無残帳 その2」  #11「無残帳 その3」
百樹丸雄
宝
鯖目
多野
百樹丸雄
宮野真守
将来を期待されるも、事故で四肢を失いその道を断たれた元外科医。
☆『どろろ』の百鬼丸。

緑川光
帝都大学病院の外科医。百樹の医学生時代からの友人。
☆『どろろ』の多宝丸。
鯖目
平川大輔
帝都大学病院の教授。多野・宝とともに帝都大病院の大剛派閥に属する。
☆『どろろ』の鯖目。
多野
間島淳司
帝都大学病院の教授。
☆『どろろ』の田之介。
澪
露々
伴俊作
大剛景光

松井恵理子
百樹の婚約者。
☆『どろろ』のみお。
露々
大地葉
百樹が義手を研究するきっかけになった子供。
☆『どろろ』のどろろ。
伴俊作
富田耕生
捜査一課の刑事。
☆手塚作品の代表キャラ。通称ヒゲオヤジ。
大剛景光
子安武人
帝都大学病院の院長。宝の義理の父でもある。
☆『どろろ』の醍醐景光。
#12「狂騒の季節」
今上エリ
藤井
青山
立入
今上エリ
悠木碧
学生運動に身を投じる学生。治療してもらったことが縁で黒男と知り合いに。
☆『リボンの騎士』の男装のヒロイン・サファイヤ。『B・J』においても様々な役を演じている。
藤井
鈴木達央
エリの所属する学生運動グループのリーダー。
☆『ガラスの城の記憶』の札貫一郎。
青山
豊口めぐみ
3話にて登場。エリとともに藤井の学生運動グループに所属。
☆『バンパイア』の岩根山ルリ子。
立入
東地宏樹
取り立て屋。黒男が多額の借金をしている。
☆手塚作品の名脇役のアセチレン・ランプ。『B・J』でも何度も登場。
オクチン
オクチン
CV:10~12話
寺島惇太
(4話/江口拓也、
7、8話/逢坂良太)
テレビの中でニュースを伝えるアナウンサー。
☆『ザ・クレーター』で色々な役を演じたオクチン。アニメ内でも姿・声を変えてアナウンサーを演じています。

☆マークは手塚治虫先生の作品内でのキャラクター説明です。『ヤング ブラック・ジャック』では手塚先生の作品のキャラクターを役者のように扱い、別の役柄を演じてもらうスターシステムという表現方法を採用しています。
※リーゼンバーグとトミーは、スターシステムではなくその「本人」が登場しています。


©ヤング ブラック・ジャック製作委員会

音楽

オープニング・テーマ
「I am Just Feeling Alive」 歌/UMI☆KUUN(うみくぅん)
2015年10月28日 ビーイングより発売
エンディング・テーマ
「オールカテゴライズ」 歌/焚吐
2015年12月2日 ビーイングより発売

放送情報

TUT 毎週土曜日 深夜1:53~2:23 放送中
※放送は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。

配信情報

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