「Message」、「STANCE」に続いて発表された80年代を締めくくる作品。収録されたそれぞれの作品が持つ色彩、表情といったものが充分なスケールを持って訴えかけてくる。ここでは特に、編曲に対するこだわりに注目したい。大胆な手法の中にも繊細さが息づき、作品それぞれに時間空間を超えた温もりを残している。「燃える思い」、「麗-Rei-」といった作品の深みはそれまでに無かったものとして大きく評価された。「街の灯り」、「センチメンタル」、「それだけの愛」この3曲だけでもこの作品を表するだけの充分なインパクトがある。完成された「唄」が存在するのである。しかし、何よりもアルバムの最期を飾る「凡庸」のスケールに圧倒されることだろう。80年代を締めくくる形でこの作品が書かれたことは大きな意味がある。
(解説文より)