平成28年3月30日、岩手県釜石市の根浜海岸に「おかえりなさい」(平成19年発売のシングル)の歌碑が完成し、除幕式典が行われました。
島倉千代子は生前、平成23年の東日本大震災の大きな被害に胸をいため、被災地へ「落ち着いたら『おかえりなさい』を歌いにいきたい」と語っていました。持ち歌である「おかえりなさい」(作詩:友利歩未、作曲:杉村俊博)は、平成19年5月30日に発売された楽曲で、定年で職場から離れていく団塊の世代へ向けた応援歌。その「おかえりなさい」を、震災で犠牲になった方々に「お帰りなさい」…、いまだ行方が分からない方々には「帰っておいで」…と、そんな思いをこめて歌いに行きたいと周囲に話していましたが、この思いを遂げることができずに他界しました。
そこで、本人の思いを聞いていた関西地区のファンらでつくる島倉千代子後援会(事務局・大阪市吹田市、吉田恵美子代表、会員約160人)が、平成27年3月、同曲の歌碑建立を計画。吉田代表ら4人が発起人となり、会員に寄付を呼びかけると、歌碑建立のための寄付金323万8000円が集まりました。同時に吉田代表の友人で釜石市出身の小松廣子さん・義次さん夫妻に相談すると、夫妻の知り合いであった釜石市鵜住居町根浜にある旅館「宝来館」の女将・岩崎昭子さんの好意で同地の敷地内に歌碑建立の土地を確保。同年10月末、様々な有志の想いのもと、「おかえりなさい」の歌碑が完成しました。
歌碑は白御影石製で高さ90センチ、幅約1.4メートル。「おかえりなさい」の歌詩が刻まれ、背面にはそのジャケット写真が刻みいれられています。製作は島倉千代子の墓石も製作した稗田石材店で、東京から10時間の移動を経て同地に運び込まれ設置したものです。
本人の誕生日に正式に披露したいという発起人の皆さんの思いから、このたびの除幕に至りました。
■設置場所:岩手県釜石市鵜住居町20-93-18(宝来館)