配信
1.KISS THE FUTURE
2.ホラーマニア
3.ヒーロー 〜我のままに〜
4.Lolly pop
5.SNOW on the BEACH
6.七彩の旅
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造形の善し悪しに関係なく華のある人はいる。見栄えでなければ何が問題なのかと言えば、多分それは説得力。もっと言うと巻き込み力。その人の言葉や振る舞いにいつの間にやらグイグイ引き込まれ、巻き込まれ、気がつくと思いもしないところに連れて行かれてる感じ。それでも目一杯納得させられちゃう感 じ。
GHOSTY BLOWは間違いなく、ちょっとビックリするくらい華のあるバンドだ。
ボーカル、ベース、ドラム、ギターにターンテーブル、サウンドパフォーマーという編成以上に、強烈キャラクター揃い(と言ってもルックスは全然悪くなくて、むしろいい。そこがチョッピリ悔しい)。見事にバラバラにもかかわらず、並ぶとキラリと放たれる華。
そしてメンバー曰く「その個性同様に音楽的思考も違っていて、それを削り合うのではなくぶつかり合って生み出される」という GHOSTY BLOWの音楽もまた、曲ごとにバラッバラで、さらにその1曲の中には様々な要素が溢れ返り、だからして構成も展開もものすごいことになっている。
いろんな方面にはみ出したシングル・タイトル級の強力ナンバーが6曲も詰め込まれたデビュー・ミニアルバム『HORROR? MANIA』を聴けばわかるでしょ?(笑) しかしその6曲をよくよく聴くと、オープニングの「KISS THE? FUTURE」で< 未来(キミ)を信じられず 過去にすがってさ>と情けない自分を嘆けば、続く「HERO」ではそんな自分と< 向き合って、飲み込んで消化した上で 振り返らず 「我のままでいる」>と覚悟を決め、さらにラスト「七彩の旅」では<気張りすぎず 手を抜きすぎずに 猫背気にして歩く姿が そう正しいんだ キミの歩幅は キミだけが知る>スッと聴き手の中に入り込み、優しく手を差し伸べてくれる。
ループして聴けば聴くほどに、すべて一貫して受け手と同列の視線で描れ、そのどの言葉にも嘘はなく、どの曲も音楽のチカラを信じてて、それをどのメンバーも本気で発信し続けていることが わかる。だからこそ聴き手を強く揺さぶり続ける。
既に地元北海道ではラジオのレギュラーや雑誌の連載を抱え、ZEEP SAPPOROでのワンマンライブも経験。02年結成という事実を考えるとものすごい勢いだから、メジャー・デビューを機に全国に飛び出したら一体どんなことになってしまうのか、もはや想像もつかない。
なぜだか身震いするほど可能性を感じたことを、最後に告白しておく。
ライター・山本祥子