原信夫とシャープス&フラッツ3-2-1-0 オリヴァー・ネルソン&シャープス・アンド・フラッツ

DISCOGRAPHY ディスコグラフィ

原信夫とシャープス&フラッツ

3-2-1-0 オリヴァー・ネルソン&シャープス・アンド・フラッツ

[ALBUM] 2008/10/29発売

3-2-1-0 オリヴァー・ネルソン&シャープス・アンド・フラッツ

COCB-53748 ¥2,096 (税抜価格 ¥1,905)

  • 1.ストレイト・ノー・チェイサー
     STRAIGHT, NO CHASER

  • 2.グッド・ベイト
     GOOD BAIT

  • 3.ソー・ホワット
     SO WHAT

  • 4.C ジャム・ブルース
     C JAM BLUES

  • 5.ブルー・モンク
     BLUE MONK

  • 6.3-2-1-0

  • 7.ヤーニン
     YEARNIN'

  • 8.12音ブルース
     12 TONE BLUES

  • 9.5×5×5

  • 10.ミッション・アコンプリッシュト
     MISSION ACCOMPLISHED

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オリジナル・レコードNo.XMS-10022
オリジナル・リリース '69年12月

原信夫とシャープス・アンド・フラッツ
作編曲 オリヴァー・ネルソン

初CD化

1969年9月19日、午前6時5分、オリヴァー・ネルソンは愛妻と一人息子のナイルスを伴って羽田空港に降り立った。
出迎えたのは原信夫とシャープス・アンド・フラッツの全員とジャーナリスト諸氏。無事入国手続きを終えて全員と対面したオリヴァー・ネルソンは「サックス・セクションの人達は?」と、いかにも自分がサキソフォン奏者らしい質問をする。シャープス・アンド・フラッツのメンバーの話では「オリヴァーは、リハーサルの際、非常に厳しく、各セクション別の音合せは勿論、時には個人個人も指名されて吹かされそうだ」と、その夜から始まるレコーティングを前に、緊張と
期待でピーンと張り詰めたものを感じさせる。その夜、6時からコロムビア第一スタジオにおいて、オリヴァー・ネルソン立合いのもとにリハーサルが開始された。一週間ほど前に到着したスコアをもとに、すでにひととおりの音合わせは済ませてはあったが、実際にアレンジメントを担当した当人の立合いのもとに演奏して見ると、細々とした問題が出てくる。
オリヴァー・ネルソンは終始温厚な表情をくずさず、日本酒をチビチビやりながら、時折、あれこれと注文をつけている。
しかし、それほど細かいかしょには触れず、むしろアンサンブル全体の効果という面からの注意であり、指摘であった。
なるほど、前評判どおり、時には、「今度はサックス・セクションだけ……」とか、「練習ナンバー何番のところ、トランベットとリード・アルトの2本だけでやって見て! そうそうその音、アルトの音をもう少し立てて! そのサウンドを忘れないように」という具合に適切な指示をくだす。すると次からは見違えるばかりのサウンドになるので、リハーサルに立合った者同志で、大いに感心してしまった。
以上のごとき繰り返しの末出来上がったのが、この画期的なLP である。シャープス・フンド・フラッツのメンバー一同、
やはり少々固くなった面もあるが、それだけに、非常な集中力をもって、しかも啓発されながら、この一連の演奏の中に没入して行ったようであった。
私は、これまで出されたシャープス・アンド・フラッツのLP……いや日本のフル・バンドの多数のLPの中で、おそらく
最高の水準を行くものと思う。唯、前掲のオリヴァー・ネルソンのコメントの中に「アヴァンギャルド・ジャズの主流は個人のソロが主体であるので、その点を充分研究して貰いたい」とあるが、公平に眺めて、その点こそ、これからのシャープス・フンド・フラッツに課せられた大きな問題であり、大目標ということになろう。同時にこれは、日本ジャズ界全体に問い掛けられた一つのテーマでもある。(発売当時のライナー・ノートより抜粋)

指揮:原信夫(ts)   ゲスト: 菊地雅章(p)
トランペット:森川周三 福島照之 篠原国利 佐波博
トロンボーン:谷山忠男 鈴木弘 橋爪智明 中嶋正弘
サックス:前川元(as) 加藤久鎮(ts) 鈴木孝二(as) 森川信幸(bs)
リズム:小川俊彦(p) 直居隆雄(g) 竹内弘(b) 中村吉夫(ds)