J・ガールズJ・ガールズ コンプリートシングルズ

国内の評価だけでなく、海外からも支持の声が高い『J・ガールズ』。
デビューから50年近くを経て、再び脚光を浴びているクールなポップデュオの全貌が明らかに！

国内外の音楽がクロスオーバーな様相を呈し、極めて面白い時期であった1960年代後半、歌謡曲が流行歌と呼ばれていた時代から常に業界をリードしてきた日本コロムビア内で、ポップスやフォーク専門のレーベルとして誕生したのが“DENON”であった。
そのDENONレーベルの創成期に「あなたが来ない日」でデビューし、逸早くスマッシュヒットを飛ばしたのがJ・ガールズだった。J・ガールズこと葉月しのぶと葉月ジュンは、姉のしのぶが48年7月15日生まれ、妹のジュンが50年6月18日生まれと当時のプロフィールにある。東京生まれの二人は、松竹音楽舞踏学校に入学し、SKD(=松竹歌劇団)を経て歌手デビューへと至った。元・フォー・コインズのリーダー、三沢郷の書き下ろし作品を得て歌謡界に羽ばたいた二人の全てのシングル盤3枚に、未発売だった音源、さらに奇跡的に残されていたインストゥルメンタル音源を加え、ここにJ・ガールズの初めての作品集が実現に至った。
すべての作品の作曲・編曲を三沢郷が担当している厚みのあるサウンドは、従来の和製ポップスとは一線を画したハイセンスな作品群。三沢の持つ抒情性と二人の清新な歌声がマッチして、正に世界に通用させるべくニューサウンドを実践している。が、当時はまだ早過ぎたのか、最近になって、ジョニー・デップが主演した映画『ブロウ』(2001年)の劇中歌に使用されたり、英BIG BEAT編集による逆輸入ビート・ガール・コンピ『NIPPON GIRLS』(2009年)に選曲されたりと、殊に国外からの再評価の声も高く、デビューから50年近くを経て、今再び脚光を浴びているポップデュオの全貌がようやく明らかになる機会が得られたことになる。

解説：鈴木啓之(アーカイヴァー)


〜THE DEEP歌謡コレクション〜
歌謡曲黄金時代に発表され、再評価の声が高いアーティストの未CD化の音源を中心に発掘。