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1.鈴ヶ森(すずがもり)
2018年9月3日 日本橋社会教育会館「人形町噺し問屋 その82」より *26分04秒
落語に登場する泥棒は、いつも間抜けである。そしてこの噺の主人公は図抜けておかしい。親分の元で真面目に悪事に励む男は何を聞いても頓珍漢なのである。今日は親分に付いて鈴ヶ森に追いはぎへ出かけることになったが、そのための準備段階から初歩的なダメっぷりを遺憾なく発揮する。追いはぎのためのセリフ回しも教わるのだが、これもたどたどしい。さて目的の鈴ヶ森に着いて、追いはぎを始めようとするがこれがしまらない。
兼好描く新人泥棒のバカさ加減がどうしようもなく面白い。
2.お化け長屋(おばけながや)
2018年6月19日 日本橋社会教育会館「人形町噺し問屋 その81」より *43分22秒
長屋の空き店を住人たちで便利に使っていると、大家が住民たちに怒ってきた。空き店を使い続けたい長屋仲間は、古くからの住人・杢兵衛に相談する。杢兵衛は「借りたい人がたずねて来たら、俺が差配人のふりをして追い返してやる」という。それも、もともと住んでいた美しい後家さんが泥棒に入られたのち殺され、幽霊になって出てくるという作り話を聞かせ借りたくなくさせるというものだ。早速訪ねてきた最初の男は、この杢兵衛の話にすっかりおびえ、あわてて帰ってしまう。この作り話を使い、次々に追い返すつもりだったが、次に来た男は威勢がよく全く怖がらない。おまけに作り話のついでに「店賃がいらない」と言ったものだから、その男はすぐに引っ越して来てしまった。困った杢兵衛たちは、本当に怖い思いをさせてしまおうと、お化け屋敷のような仕掛けをめぐらすのである。
杢兵衛の幽霊話を聞く二人の男のギャップが楽しい。最初の男は大いに怖がるのだが、次の男は怖い話をどんどん壊していくところにギャップがある。
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軽妙な語り口で爆笑を誘う!
圓楽一門きっての人気者、兼好による2席をどうぞ!
人形町噺し問屋…
東京、人形町の社会教育会館で月に1回行われていた三遊亭兼好が主催する独演会の名称。会場の改修等の都合により深川江戸資料館で行った会は「深川噺し問屋」と呼称した。2016年8月からは会場を人形町・日本橋公会堂に変更し同じく「人形町噺し問屋」として続けている。