高橋悠治以外には演奏不可能といわれた難曲「ヘルマ」を含む現代ビアノ演奏の偉大な記録。
作曲に確率計算を導入し、大量の音の「雲」を処理する技術をつくりだしたクセナキスと、その師で、カトリック神秘主義と高次倍音を作曲の根幹にもち、1950年以降の音楽に決定的な影響を与えたメシアンの作品に、他に類を見ない異次元の才能で常にセンセーションを巻き起こす高橋悠治が挑んだ、現代ビアノ演奏の偉大な記録。中でも、記号論的音楽「ヘルマ」は高橋悠治のために書かれ、彼以外には演奏不可能といわれた難曲です。解説も高橋悠治本人が執筆。