表題曲「ラフ」は、彼女のスケールの大きな世界観とアーティスティックな音楽性が見事に融合した、たむらぱんの新境地とも言える作品です。「世界の始まり」を予感させる、鼓動のようなリズムを基調とした浮遊感のあるサウンド。穏やかなのに起伏に富んだメロディーと透明感のある歌声。ゆるやかで心地よいグルーブに乗って聴き進むうちにさまざまな風景が心に浮かんでくる、そんな強いイメージ喚起力をもった名曲です。
親しみやすいのに奥が深い歌詞には定評のあるたむらぱんですが、今回の「ラフ」では、彼女の世界観はさらなる深みと広がりをみせています。「パズルみたいな世界」を完成させたいのに「ピースが足りない」。そんな思い通りにならない世界の「穴」を「手作りピースで埋めちゃおう」という軽やかさ、ラフさだってたまには必要なんだ、と気づかせてくれる、しなやかなポジティブソングです。