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ラテン音楽のルーツ。クンビアってなに?
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究極のダサかっこよさ、それがクンビア

文:パーカッショニスト・プロデューサー/カルロス菅野

究極のダサかっこよさ、それがクンビア
 「恋のクンビア21」。ところでこのどことなくユーモラスでちょっとアフリカっぽい響きのクンビアって何だ?皆さんそう思っているでしょう。それでは先ず、ラテン音楽の専門家としてクンビアについて語ってみましょう。
 クンビアとは、カリブ海に面する南米北部に位置する国、コロンビアの民族音楽から生まれたラテン音楽の一つ。コスタリカ、チリとともに3Cと呼ばれ、世界的な美女の多い国の一つとして有名な国コロンビア。この国の女性は大柄でグラマラス、セクシー度では世界No.1間違いなしです。
 女性ではなくて音楽の話でしたね。カリブ海はリズムの宝庫とよく言われますが、まさに各国、各島々にそれぞれ固有の音楽があって我々でも全てを覚えきれないほどの数々のリズムが人々を一年中踊らせています。
 我々の言うラテン音楽とはスペイン語を話す人々の音楽を指します(ちなみにサンバはポルトガル語です)。
 キューバのソン、ルンバ、チャチャチャ、プエルトリコのボンバ、プレナ、ドミニカのメレンゲ、ベネズエラのガイタ等民族音楽色が強い音楽の中で、コロンビアを代表するのがクンビアという音楽です。
 1940年代に、アフロキューバの音楽がNYにもたらされ、ジャズと結びついて生まれたマンボが世界中で大ブームを巻き起こすと、それをきっかけにして、ラテン音楽全体に目が向けられ始めました。やがて、チャチャチャがブレイク。そして8ビートロックとミックスしたブーガルーへと繋がって行きました。
 そんな中、その後何匹目かのどじょうを狙って、各国の音楽がしのぎを削り、さらにはそれらを組み合わせた、メレクンベ、スクスク、パチャンガなどなど、それまで無かったリズムが次々に生まれました。その中で、もちろんクンビアもその座を奪い取ろうとして一時話題になりましたが、実はそれほど大きなブームにはならなかったのです。
 クンビアの音楽的特徴は、ラテン音楽には珍しい、シンプルな2ビートのリズムにあります。マンボやルンバなどアフロキューバンな音楽は、複雑なリズムパターンで成り立っていて、演奏するにも踊るにもかなりの技術を要求されました。それを身につける事のかっこよさがヒットに繋がったのでしょう。
 それに比べて、シンプルなクンビアはステップもシンプルで誰でも簡単に踊れる音楽でした。ちょっと牧歌的でダサイ感じがしました。
 1970年代に入ると、NYのプエルトリコ人を中心に、汎ラテン的アイデンティティーをバックグラウンドにして始まった、サルサ・ムーヴメントによって、ラテン音楽の世界は一変します。ファニアオールスターズを中心にして各国のミュージシャンがほとんどの曲をサルサという形態で演奏していました。それでも自分たち独自の音楽を捨ててしまう事は決してありません。ラティーノ達の愛国心は非常に強いのです。
 その後のラテン音楽の歴史はNYのラティーノ・ギャング達の勢力図に従って変わって行きます。80年代後半からマンハッタン北部や、クイーンズを中心にドミニカ勢力が台頭してドミニカン・クラブがあちこちに出来て、メレンゲがブレイク。90年代に入るとクイーンズのさらに奥の方に、コロンビア勢力が進出して来ます。コロンビアン・クラブではもちろんクンビアです。
 そして、そこから先ずメレンゲがヒップホップと融合してメレンヒップがうまれ、クンビアもヒップホップとの化学反応を起こして、レゲトンが生まれるのです。そしてコロンビアからロックスター、フアネスが登場して、彼のヒット「カミサ・ネグラ」によってついにクンビアが世界的ブレイクを成し遂げるのです。
そんなクンビアが昭和40年(1965年)に日本でヒット曲を生んでいたとは驚きです。しかもそれが大好きな弘田三枝子さんと憧れのスマイリー小原さんとは、嬉しくなってしまいます。
そして、ここに2006年版「恋のクンビア21」の登場です。究極のダサかっこよさ、さあVamos a bilar CUMBIA.!



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