紅葉舞う、景色広く。
小さい頃、お昼寝の時間に母がよく「葉っぱの旅」というお話をきかせてくれました。
枝からはなれた木の葉っぱがいろいろな場所へ冒険しながら飛びつづけるお話。
母はいつも、語りながら旅先を決めていたので、
毎回ぜんぜん違うお話になっていました。
だからいつもわくわくしながら、聞いていて、なかなか眠れなかったんですけど。
今月の新曲は、川の源流あたりで生まれた山の紅葉が旅をするお話です。
一枚の葉がひらりと舞い出て、海のほうへ旅していきます。
ちろちろという水の音が、さぁぁぁという音になっていくのを聞きながら、ひらりひらり
と飛んでいきます。
川幅がだんだん広くなっていくのを眺めながらいくうちに紅葉は、
ざあああっ・・・と降りそそぐ雄大な瀧へとたどり着きました。
吸い込まれるような深い緑とよどみない瀧のしぶきに反射した虹の色につつまれて、
紅葉は空を舞っていきます。ずっと、ゆっくりと、舞っています。
紅葉舞う、景色広く。
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