幼い頃、実家には「映画ドラえもん」シリーズのビデオテープがそろっていました。私も妹もドラえもんが大好きで、どの作品もテープがすり切れるほどくり返し観ていましたが、いつ、何度観ても泣いてしまう作品がありました。それが、『映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城』。“バギーちゃん”こと、ドラえもんのひみつ道具の水中バギー(水中用可変型バギーカー)の健気な活躍シーンに、どうしても涙が溢れてしまうのです。
そんな『のび太の海底鬼岩城』ですが、この度、リバイバル作品『新・のび太の海底鬼岩城』が、2月27日から公開に。「映画ドラえもん」シリーズのリバイバルは過去数回行われていますが、ついに海底鬼岩城も……! と、情報解禁の日から楽しみにしていました。
ドラえもん好きの娘、息子も、公開に向けて街中に増えていくポスターやチラシなどを見て「今年もドラえもんの映画観に行きたい!」と大はしゃぎ。息子が幼稚園で友達と観に行く約束を取り付けてきたので、ドラえもん好きの友人たちと一緒に観に行くことになりました。
以降、ネタバレご注意ください!
『新・のび太の海底鬼岩城』は、1983年公開の『のび太の海底鬼岩城』のストーリーや印象的なセリフ、ポイントとなる描写などは踏襲しつつも、現代のテクノロジーを物語に取り込んだり、海底人の暮らしを丁寧に描くことで物語の解像度を上げたりと、より見応えのある 内容になっていました。
ただ当時、画面の中のドラえもんたちと一緒にハラハラどきどきしたシーンは、少々短縮された印象でした。鉄騎隊に見つからないように身を潜めるシーンや、ムードもりあげ楽団と一緒にしずかちゃんが囮になるシーンなどは、幼い私にとって本当に怖いもので。10秒、20秒のシーンが永遠に感じられるほどでしたが、『新・のび太の海底鬼岩城』では、尺が短くなっていたように思います。
確かにあのシーンは怖かったので、現代の子どもたちにはこのくらいマイルドなものがちょうどいいのかもしれません。現に、怖いものが苦手な息子も大丈夫そうでほっとしました。
そして、前述したバギーちゃんの件。
1983年版のバギーちゃんは、少々生意気な気質の中にどこか憎めない愛らしさがありましたが、今作のバギーちゃんはもう少しニュートラルな印象に。ですが、しずかちゃんとの絆を深めながら感動のラストを迎えるところは当時と変わらず、私をはじめ、一緒に行ったママたちもみんな大号泣。子どもたちもバギーちゃんが壊れてしまったのが悲しかったそうで、二世代にわたってバギーちゃんに泣かされることとなりました。やっぱり、バギーちゃんは最高です。
『新・のび太の海底鬼岩城』鑑賞以降、息子は深海生物の絵を描いたり、海のいきもの図鑑を見たりと、海の世界に興味津々。当時の私の心に『のび太の海底鬼岩城』が深く刻まれたように、子どもたちにとっても、この映画体験が心を動かすきっかけになっていたらいいなと思いました。
これから春休み。ぜひ、お子さんと一緒に観に行ってみてはいかがでしょうか。

*大きなポスターの前でみんなでパチリ
平岩茉侑佳
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