丸5年、個人的な子育てにまつわることを、こちらでつらつらと書き連ねて参りました。なんと本日で最終回を迎えることとなりました。
この連載を始めた当初、長女は小学2年生、次女は保育園の年中さんでした。そしていま、長女は中学1年生、次女は小学4年生です。この間、あっという間かと思いきや、振り返ってみると案外長かった印象です。未就学児は当然手がかかりますし、小学校に入ると少しラクになるとはいえ、やはりサポートが欠かせません。私の場合は、生粋の心配性ということもあり、子どもたちが小学3年生くらいまでは学校の途中まで送って行き、学校が終わる頃には必ず家にいるようにしていました。
また、中学受験という初めて経験する一大イベントもあり、学校見学や塾への送迎、お弁当作りなどやるべきことがたくさんあった印象です。振り返ると自分で自分に「おつかれさまでした」と言いたくなります。ただ、長女が小学6年生になったあたりから、劇的に子育てがラクになっていることに気がつきました。
なぜなら長女も次女も、心配しなくともお留守番が可能である、という事実に気づいたのです。そうは言っても私が心配性ですから、お留守番は買い物へ行っている間だけ、子どもたちが帰ってくる時間にちょっと間に合わないかも程度からスタート。子どもたちには誰かが来ても決してドアを開けてはいけない、それが宅急便でさえも、というルールでした(最近の宅急便は置き配指定ができるようになり、便利になりましたね)。
今やお留守番はまったく問題ないですし、何かあればラインで連絡をすぐに取ることもできて、心配することも少なくなりました。
つまり、母親として細かく子育てに関わる事象がこの年頃になると極端に減ることを意味します。そうなるとどうなるか、子育てのネタがなくなるのです。ここ最近、こちらで書くことが少なくなってきたのは、子育てが段々終わりに近づいているということなのだと感じていました。
子どもたちはそれぞれの世界を持つようになり「親と遊ぶ」という時期は完全に過ぎ去りました。体も心も成長する中で、これまで通り世話を焼いていては、子どもにとっても母親である私にとっても良くないぞということで、現在は子どもたちの自立を図っているところです。「自分でできることはする」という当たり前のことを、まだまだできずにいるので“食器を下げる”“自分で勉強の計画を立てる”“塾へは一人で行く”、など自立を進めていきたいと思っています。
先日、わが家のベランダにカラスの子どもが舞い込んできました。まだまだ飛べずにいて、どうしたものかと思っていました。区役所に連絡すると、捕獲すると殺処分になるので、暖かく見守ってください、と言われたため、三日ほどエサ(ドッグフード)を与えるなどして様子を見ていました。その間、ずっと親ガラスが少し離れた所から「カアカア」鳴いているんですね。決してこちらまで来ることがありません。どうしてこないのかな、と不思議に思っていたのですが、結局は自力でなんとか飛べるようにならないと。巣立った後に生きていけなくなるからですよね(おそらく)。親もずっと子どもに世話を焼き続けていたら、何もできない、それに人の力ばかり頼って生きていくようになるのかもしれません。その後、子ガラスは地上まで羽ばたくことができ、一週間後には木の上に止まっているのを見つけました。飛べるようになったのです。こうして子ガラスが自分で巣立って行くように、親はさみしくてもぐっと我慢し、自立を促す時がやってきたのでしょう。
そして子どもたちの自立と共に、私も子育て日記を終了したいと思います。これまで拙い子育ての徒然を長らくお読みくださり、ありがとうございました。そして私の後には、絶賛子育て中のお母さんの日記が新しく始まります。こちらも、引き続きお読み頂けますと幸いです。
12年前の生まれたての長女と現在の長女。さあ、自立の時。
本田 香
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