ベートーベンやバッハ、ブラームスなど後世に残る数々の超有名クラシック音楽家を輩出してきたドイツ。
もちろん今でもクラシック音楽やオーケストラはドイツの文化として根付いており、音楽を生業にして生活している人にもたくさん出会います。音楽家として生きる安定コースはズバリ、オーケストラへの所属。退団しなければ所属し続けられるので言わば音楽家の会社員です。ですが、なかなか欠員が出ないため、少ない枠に応募者が群がりその枠を勝ち取るのは大変なのだとか。
また、ドイツには「ミュージックシューレ」(音楽学校)と呼ばれる、市の音楽機関があり、所属すると市のコンサートや子供の音楽教室の先生などの仕事をそこの職員としてこなします。市の職員のため、こちらは音楽家の公務員となります。
一方、そういった所属にこだわらず自由に活躍したいならフリーランスの音楽家、個人で教室を持つなどの方法も。
ちなみに我が家の子達はミュージックシューレが提供している「JEKI」という音楽教室に通っています。
こちらは「1人1人がオーケストラの楽器がなにか1つでも演奏できるように」という目的から発生したプロジェクトで放課後、決まった曜日にミュージックシューレの先生が学校に派遣されて教室で開催されるグループ音楽教室です。
格安で、かつ楽器も無料で借りられるため(1年間自分のものとして)、非常に敷居の低い音楽教室です。ドイツの学校の音楽の授業は非常にゆるく、日本の音楽のようにハーモニカや鍵盤ハーモニカ、たて笛などを吹く機会がありません。なので我が家は長男アユは「バイオリン」、次男ワタは「ギター」を選び、音楽の追加授業のような感じで学ばせています。
ただ、子供を本格的に音楽の道に進ませたい、上達を目的としたい、という人には物足りないかも知れませんので日本のように自分に合うプライベートスクールに通わせている人も。(注:これはJEKIの先生のレベルが低いということではなく、音楽への意識がそこまで高くない子の為の音楽教室、という意味です。先生によって授業内容は違いますが、先生は勿論みなさん素晴らしいプロの先生です!)
私は子供の頃ピアノを6年間習っていましたが、毎日練習しなければいけないし厳しくてストレスでしたので、子供には単に楽しめるレベルでいいかな、という考え方です。なのでこうした子供が嫌がらず続けられる音楽教室はとてもありがたい存在です。
ちなみにドイツには世界中から音楽を学びにたくさんの留学生がやって来るのでドイツの音楽家は非常にインターナショナル。なんと現在の長男アユのバイオリンの先生は日本人なんですよ! 勿論偶然なんですが、アユだけの日はお互いに日本語で話すので、なんだか不思議な気分になります。。。
では、クラシック以外でドイツの若者たちはどんな音楽を聞くのか?
まず、ドイツには日本の「アニソン」なるものがないので(日本のアニメが放送されているのでそれくらい。)小学生くらいの子供が聞くものと言えばすでに大人が聞いている音楽を一緒に聞くのです。
ドイツ国内のものもあれば、英語の歌詞のものも。日本のように流行がどんどん移り変わらないので、ラジオでもほぼ同じ曲が半年から1年くらいずっと流れています。なので嫌でも頭の中に残ってしまうという。。。
音楽としては全体的にかっこいいものが多く、日本のようにアイドル文化がほぼないので(アイドル風?みたいなグループはいるけど)「クールでパーティなんかでかけたら盛り上がって踊れるような音楽」が人気です。夏に日本から友人が遊びに来た際、うちの子供達が好んで聞いているという音楽を聞いた時「なに!?もうこんなの聞いてるの?」と驚いたという。。。(笑)
またドイツでは「幼くて可愛い」女性より「クールでかっこいい」女性の方が人気なので、日本のようなアイドルが爆発的に人気になることはないかと。「パフューム」が海外で人気だと聞いたことがありますが、日本の海外にウケる要素…「クールでカッコいい」「「独特のダンスと音楽」「それでいて日本人っぽい可愛さ(でも可愛すぎない)」「ハイテクかつ近未来的な、日本のイメージ」などがふんだんに盛り込まれているからかな、と勝手に分析。人気なのも納得です。
日本とドイツーやはり文化の違いは音楽にも出ていて面白いです。
ではまた次回!
Tschuss!(チュース:バイバイ)
高橋ユウ
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