ドイツでは現在2週間の秋休み。
我が家はデンマーク旅行を予定していましたが、ここ数週間でドイツでコロナの新規患者が急増。
やむなくキャンセルしましたが、その代わり近場の友人宅に何件も訪れるいい機会となりました。
ある友人宅では朝食をご馳走になり、あるお宅では夕食&飲み会をし、またあるお宅では子連れでお泊まりも。
コロナ以降、久々にドイツ人のお宅を訪問しましたが…
本当にみんなおうちがきれい~~(うらやま~)!!!
整ったキッチンにはいろんな道具が揃っていてめちゃくちゃ使いやすいし、お皿やカップも揃っていて美しく、テーブルセッティングも素晴らしい。
*感動して絵にしてしまいました!
*こちらが元ネタの友人宅。ホテルの朝食!?って感じじゃないですか!?
日本時代は素敵なカフェたレストランを探すのが楽しみでしたが、こちらにくるとちょっとしたレストランやカフェなんかより家庭の方がよっぽど素敵なんで、カフェ巡りなどを全くしなくなってしまいました。
私はあまりインテリアセンスがないので、その秘密はなんだろう?と改めてその秘密を探るべくお宅をキョロキョロ。
その1。まずは器やカップなど1つ1つが美しい。
ワインやビールなど、ドリンクに合わせたグラスを揃えている家庭も多く、もうそれだけでテンションが上がります。
紅茶を出すにしてもただティーパックをポンではなく、ティーパックのお茶でもティーポットに入れ、そして謎のロウソクコンロみたいなものの上に置くのです。
こちらドイツ語で「Stovchen」というらしく、小さなコンロ台の中にロウソクを入れてお茶の暖かさをキープしておくのです。
(私はインテリアに詳しくないのでよく知らないのですが、ひょっとして日本にもあるかもしれません)
ロウソクでほのかに温められた素敵なポットからお茶を飲みながらおしゃべりをしているとそれだけで癒されてくるという不思議。
この「Stovchen」をこの休みにいろんなお宅で何度も目にし、すっかり虜になってしまったので今回買ってしまいましたよ(笑)。
使いこなせるだろうか。。。
そして素敵の秘密その2。プラスチックを避ける生活にあり。
ドイツ人はとにかくプラスチック嫌いな人が多いです。理由はズバリ、見た目も悪いし環境にも悪いから。
日本だと鉛筆たてにリモコン収納ケース、ペットボトルなどプラスチック製品に囲まれて暮らしている人も多いと思いますが水やビール、ジュースなどのドリンクは瓶で、収納ケースは木製かガラス製などを意識して購入。数ユーロの違いでインテリアを妥協しないその成果が現れている感じです。
ちなみにかつて東京にはセツ・モードセミナーという有名な美術学校がありましたが、その学長であった故・長沢節氏は美しくないという理由で、教室にペットボトルや缶類の持ち込みを禁止、代わりに構内にはコーヒーが販売されていたそうですが一杯づつコーヒーカップに注がれたものだったそう。
この話を20年前に聞いた私は「へ~。徹底してるんだな~。売れる人っていうのはそんなものなんだな~!」と驚いた覚えがありますが、今ならこの気持ちがすごく分かるのです。
というのも、ドイツではこうした感覚の人が意外と普通にいるので。
素敵の秘密その3。DIYが本格的すぎる。
ドイツ人は非常にケチなので、引越しやキッチンの設置まで、多くの人はなんでも基本的には自分たちでやってしまいます。
なので壁の色塗り、床の張り替え、ちょっとした家具の制作なんてのはお手のもの。
なのでマメに手を入れている家が多く美しさが保たれています。
日本の場合、DIY動画を見ていると100均グッズを巧みに使ったものが紹介されていますが、これはやはり日本では「手軽さ」がウケるからでしょう。
ちなみに少し話がそれますが、欧米ではオートマ車よりマニュアル車の方が人気です。
これは車好きが多く、「オートマはつまらない」かららしい…。
手応えがあるものが好きなんでしょうか。笑
つまるところドイツ暮らしは日本でいういわゆる手間隙をかけた「丁寧な暮らし」に近いのかもしれません。
私自身正直申し上げると、日本に住んでいた時はこうした丁寧な暮らしはどちらかというと苦手な方でした。
というのも、家事にずっと縛られているような気がしていたからです。
息苦しい家の中にある家事育児から離れて外の空気を吸いたいし、違う人の料理を食べたいな、と。
まあこれはドイツ人も同じですが。
しかし、メリハリさえつければそれは決して悪い物ではなく、また物は買ってしまうと消費して終わりですが苦労して手にした技術はずっと残るので、結果的に経済的なだけでなく非常にクリエイティブな趣味になり得る、と考えるようになりました。
そのためにはある程度部屋の広さも必要ですし、あるいは近くに素敵な公園があるなどのいい環境が必要となってきます。
また時間がないとできない訳なので、そこはワークバランスなどの話が関係してきそうですね。
もちろん日本でも素敵なご家庭をたくさん見てきましたが、またドイツ流とは異なるので今回取り上げてみました。
インテリアに興味がある方の参考になれば幸いです。
高橋ユウ
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