最新情報
- 2021/10/16
- LEO リサイタル インタビューを公開しました。
- 2021/10/15
- 一部演目を変更します。
- 2021/09/29
- コンサートのメインプログラム『藤倉大:箏協奏曲』の紹介映像を公開しました。
- 2021/06/25
- 特設サイトオープン
- 2021/06/25
- 10/22(金)開催 LEO 箏リサイタル ~古典を現代に迎える~ 本日よりオフィシャル先行チケット販売スタート!
Movie
「藤倉大:箏協奏曲」/リサイタル~古典を現代に迎える
LEO箏リサイタル ~古典を現代に迎える~
今、多方面から注目を集める若き俊英LEO。16歳の時に史上最年少で邦楽界の登竜門・くまもと全国邦楽コンクールを制し、2019年出光音楽賞受賞。MBS「情熱大陸」、テレビ朝日「題名のない音楽会」「徹子の部屋」などメディアにも頻繁に取り上げられ、2021年4月には藤倉大委嘱新作の箏協奏曲を鈴木優人指揮・読売日本交響楽団との共演で世界初演するなど、箏の新たな可能性を追求する存在として躍進を続けています。
自身初の紀尾井ホールでのリサイタルとなる本公演では、「古典を現代に迎える」と題し、3つの初演作品に挑戦。今年サントリーホールにてオーケストラ版が初演され話題を呼んだ、藤倉大による箏協奏曲(委嘱新作)を、新たに室内楽版で初披露。気鋭の指揮者・坂入健司郎との共演で世界初演します。また、高橋悠治、坂東祐大による新作も初演。さらには尺八界のトップランナー・藤原道山との共演で、沢井忠夫作曲の不朽の名曲「上弦の曲」を演奏するなど、この日だけの特別なプログラムです。
公演情報
LEO 箏リサイタル ~古典を現代に迎える~
公演日:2021年10月22日(金) 18:15開場/19:00開演
会場:紀尾井ホール
出演:LEO(箏)、坂入健司郎(指揮)、特別編成室内管弦楽団
ゲスト出演:藤原道山(尺八)<参加楽曲>上弦の曲
《プログラム》
演奏者の都合により、一部演目を変更いたします。- <変更前>
- 藤倉大:箏協奏曲 室内楽版 *
- 高橋悠治:委嘱新作(箏独奏) *
- 坂東祐大:委嘱新作(箏独奏) *
- 沢井忠夫:上弦の曲
- 今野玲央:鏡
- <変更後>
- 藤倉大:箏協奏曲 室内楽版 *
- 坂東祐大:委嘱新作(箏独奏) *
- 沢井忠夫:上弦の曲
- 今野玲央:鏡
- 八橋検校:みだれ
*=世界初演
- 未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
- 曲順未定。都合により曲目などを変更させていただく場合がございます。
- 公演が中止になった場合以外でのチケットのキャンセル・払い戻しはできません。ご了承ください。
【主催】日本コロムビア株式会社
【お問合せ】 Mitt 03-6265-3201(平日12:00~17:00)
〇新型コロナウイルス感染予防対策について
- 収容率は政府の方針、感染状況等により判断いたします。なお、収容率100%での実施が可能になった場合、前後左右を空けずにお座りいただくことになりますので予めご了承ください。
- 公演実施については今後の政府の方針により、変更になる場合もございます。
当日は、政府および自治体等による感染拡大予防のための各種ガイドラインに基づき感染予防対策を徹底し、お客様により良い公演をお届けできるよう、また、安心してご来場いただけますよう、出演者・スタッフをはじめ関係者一同、全力で努めてまいります。
ご来場を予定されているお客様におかれましては、注意事項をご確認の上、チケットをお求め頂いたうえで、新型コロナウイルス感染拡大予防の趣旨をご理解頂き、手洗いおよび咳エチケットの徹底、消毒液のご利用など感染予防および拡散防止にご協力いただきますようお願い申し上げます。
チケット発売情報
【チケット】
全席指定(税込)S席5,000円 A席4,000円 学生席2,000円
- 学生券は当日引換券での販売となり、公演当日座席指定券と交換となります。
【オフィシャル&プレイガイド先行抽選】
●オフィシャル先行(ローソンチケット):6月25日(金)12:00~7月12日(月)23:59
LEO 箏リサイタル オフィシャル先行
先着先行
https://l-tike.com/st1/leo-official
受付期間:6月25日(金)12:00~7月12日(月)23:59
- 先着受付となります、受付期間内にお申込みください。
- お申込後、入金期間が表示されます、期間内にご希望のお支払い方法にてお手続きください。
- ご購入時に別途、発券手数料等かかります。
- お支払いはコンビニのローソン店頭、クレジットカード等お選びいただけます。
詳細は申込み画面にて必ずご確認ください。
- ローソン最速先行(抽選):7月14日(水)12:00~7月19日(月)23:59
- プレイガイド先行一次(抽選/イープラス、ローソンチケット):7月22日(木)12:00~7月28日(水)
- プレイガイド先行二次(抽選/イープラス、ローソンチケット):7月31日(土)12:00~8月5日(木)
【チケット発売日】
一般発売:8月8日(日)~
【チケット取扱い】
ローソンチケット:https://l-tike.com/leo-koto/ (Lコード:33527)
イープラス:https://eplus.jp/leo-koto/
MITT TICKET: 03-6265-3201 (平日12:00〜17:00)
注意事項
- 未就学児入場不可
- チケットはお一人様1枚必要です。
- 収容率は今後の政府の方針、感染状況等により判断いたします。
- チケット購入の際は必ず、公式サイトに掲載している注意事項をご確認の上、チケットをお求めください。
- チケットを紛失された方、または当日チケットをお忘れになった方はチケットがなければどのような場合でもご入場できません。
- 本公演購入時にご登録の氏名、緊急連絡先等は、万が一来場者から新型コロナウイルス感染者が発生した場合など、必要に応じて保健所等の公的機関へ提供させていただく場合がございます。
- 公演実施については今後の政府の方針により、変更になる場合もございます。
- その他、当日の感染予防対策におきましては、公式HPをご参照ください。
- 車椅子をご利用のお客様は、上記、運営までお電話にてお問合せください。
主催:日本コロムビア
出演者
《出演者プロフィール》
LEO(箏)
1998年横浜生まれ。本名・今野玲央。9歳より箏を始める。
音楽教師であり箏曲家のカーティス・パターソン氏の指導を受け、のちに箏曲家 沢井一恵氏に師事。
16歳でくまもと全国邦楽コンクール史上最年少 最優秀賞・文部科学大臣賞受賞。一躍脚光を浴び、2017年19歳でメジャーデビューし、これまでに4枚のアルバムをリリース。
MBSドキュメンタリー番組「情熱大陸」、テレビ朝日「題名のない音楽会」「徹子の部屋」など多くのメディアに出演。
井上道義、秋山和慶、沖澤のどかをはじめとした指揮者や、東京フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演しソリストを務める。2021年4月には藤倉大委嘱新作の箏協奏曲を鈴木優人指揮・読売日本交響楽団との共演で世界初演。
2019年出光音楽賞、神奈川文化賞未来賞受賞。現在、沢井箏曲院講師。東京藝術大学在学中。
伝統を受け継ぎながら、箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目と期待が寄せられている。
坂入健司郎(指揮)
1988年5月12日生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。13歳ではじめて指揮台に立ち、2008年より東京ユヴェントス・フィルハーモニーを結成。これまで、J.デームス氏、G.プーレ氏、舘野泉氏など世界的なソリストとの共演や、数多くの日本初演・世界初演の指揮を手がける。2015年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへ出演を果たし、2016年、川崎室内管弦楽団の音楽監督に就任。これまで、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、愛知室内オーケストラ、大阪交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団へ客演。好評を博している。
藤原道山(尺八)※ゲスト出演
10歳より尺八を始め、人間国宝 初代 山本邦山に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業、同大学院音楽研究科修了。皇居内桃華楽堂において御前演奏(宮内庁主催)。安宅賞、江戸川区文化功績賞、松尾芸能賞新人賞、『季(TOKI)-冬-』で平成30年文化庁芸術祭優秀賞を受賞
現在、都山流尺八楽会大師範。都山流道山会主宰、日本三曲協会、江戸川邦楽邦舞の会会員。「曠の会」同人。
NHK Eテレ「にほんごであそぼ」レギュラー出演中。テレビ朝日「題名のない音楽会」出演多数。
特別編成室内管弦楽団
1st Violin 石上真由子 2nd Violin 城戸かれんViola 中 恵菜
Cello 朝吹 元
Double Bass 大黒屋 宏昌
Flute/Piccolo 占部 智美
Oboe 大庭 蓉子
Clarinet 篠塚友里江
Bassoon/Contrabassoon 栗林 愛理
Horn 庄司 雄大
Trumpet 犬飼 伸紀
Trombone 箱山 芳樹
Vibraphone 甘田 一成
Piano 増田 達斗
メッセージ
この度10月22日に紀尾井ホールにて初のリサイタルを開く事が叶いました。新型コロナウイルスの蔓延からもうすぐ1年半が経つ中で、こうして開催決定出来たことを本当に幸せに思います。演奏会を中々開催できないもどかしい時期もございましたが、お客様の前で演奏する事の幸せを改めて実感し、より一層お客様への感謝の気持ちと演奏へ対する思いが募っています。
この演奏会は、約3年前から構想を練ってきた今回限りの特別プログラムです。
高橋悠治、藤倉大、坂東祐大という名だたる作曲家の先生方の新作初演、また大変尊敬しております尺八演奏家の藤原道山氏、指揮の坂入健司郎氏率いる今回のための特別編成室内管弦楽団といったゲストをお招きし、豪華メンバーでお届けします。
私の信じる箏の音色を皆さまにお届けする事を、大変楽しみにしております。
2021年6月
LEO
若きスーパースター箏奏者のLEOさんの個人委嘱で作曲した箏協奏曲。
僕のほとんどの協奏曲がそうであるように、2つの版があり、管弦楽版を作ってから室内楽版を作った。管弦楽版は予定していた世界初演が急遽テレビ放映のみの無観客コンサートに。しかし1ヶ月ちょっとしてから急遽2回も追加公演が決まり、今度はお客さまの前で再演されることになった。のっけからラッキーな協奏曲。室内楽版は、アンサンブル一人一人の奏者と箏の音楽的な緊密なやりとりができるように作曲した。両方の版がこの初演を機に、日本国内外で再演され、LEOさんの素晴らしい演奏が世界各地で輝くような協奏曲になればいいな、と思う。
2021年6月
藤倉大
LEO 10月22日紀尾井ホールリサイタル インタビュー
ひとりの演奏家の存在によって、その楽器の持つ可能性が大きく拡がり、新たに多くの作品が生み出される。そんな演奏家が歴史上にしばしば現れる。ヴィオラの今井信子やオーボエのハインツ・ホリガーなどはその典型だろう。箏奏者のLEOもまた、そうした稀有な演奏家のひとりである。まだ23歳の青年だが、その才能とエネルギーは、箏という楽器の可能性を拡げ続けている。LEOの箏が持つ豊かな表現力が作曲家たちにインスピレーションを与え、新たな名曲が次々と生み出されていく。10月22日に紀尾井ホールで行われるリサイタルは、そうしたLEOが作り出す新たな箏の歴史を目撃するものとなるだろう。そのプログラムは藤倉大の箏協奏曲室内楽版、坂東祐大への委嘱作品から自作自演まで実に幅広い。このリサイタルにかける想いをLEOに聞いた。
___10月22日の紀尾井ホールでのリサイタルは『古典を現代に迎える』と題されています。このタイトルには、どういう想いが込められているのでしょうか?
ここで言う古典とは音楽そのものでなく、日本人が受け継いできた独特の「間」や美意識など、精神としての古典を指しています。そうした古典を現代の音楽を通してお伝えすることが、今回のリサイタルのひとつのテーマです。
このリサイタルは、数年前から構想を練ってきたプロジェクトです。プロとしての本格的な活動を始めるタイミングで、これから自分はこういう活動をして、こういう音楽家になっていくんだ、というメッセージが伝わるコンサートを開きたいと思い、プログラムや共演者から委嘱作品までじっくり考えて、長い時間をかけて準備を進めてきました。
___今回のリサイタルの核となる藤倉大さんの箏協奏曲はどのようにして生まれた作品なのでしょうか?
私が藤倉大さんを初めて知ったのは、2016年、高校3年生の時でした。藤倉さんが三味線奏者の本條秀慈郎さんのために作曲した《Neo》という作品を聴いて、三味線本来の魅力を一切損なわずに、誰も聴いたことのないような音色や響きを実現しているその音楽に衝撃を受けたのが最初の出会いです。それから間も無く、私がデビューした直後に、藤倉さんに箏のための作品を書いていただきたいとお願いしたところ、ご快諾いただき、《竜》という作品が完成しました。箏の伝統的な演奏法を現代的に再解釈することで新しい響きを生み出す素晴らしい作品です。
《竜》から2年ほど経った頃、「世界で通用する箏とオーケストラのための協奏曲があったら良いのに」と言うお話を藤倉さんにさせていただいたのがきっかけで、この箏協奏曲が誕生しました。箏協奏曲も《竜》と同様にたくさんのディスカッションをしながら作曲を進めてくださり、オーケストラ版のほかにも、今回演奏する室内楽版、ピアノ・リダクション版、そして協奏曲から派生したふたつのソロ作品も作ってくださいました。
箏協奏曲は、4月30日に、鈴木優人さん指揮の読売日本交響楽団と世界初演をしました。このコンサートは新型コロナの影響で、無観客となってしまいましたが、その演奏はテレビを通して多くの方に聴いていただくことができました。7月にはセバスティアン・ヴァイグレさん指揮の読売日本交響楽団との共演で早速再演することもでき、念願の公開演奏も実現しました。
___箏協奏曲について藤倉さんは、ソロとオーケストラが競い合ったり、対立したりすることはなく、大きく飛翔する箏をオーケストラが支える作品だと語られています。箏を支え、助けるオーケストラの編成の大小によって、音楽にはどんな違いが生まれるのでしょうか?今回のリサイタルで演奏される室内楽版と、4月、7月に演奏された管弦楽版の違いについて教えてください。
藤倉さんの箏協奏曲は、ソロ楽器が前に出て旋律を奏でて、オーケストラがそれを支える西洋音楽の典型的な協奏曲ではありません。この協奏曲は、箏とオーケストラが一体となって、ひとつの楽器のように演奏する作品なので、ソロと伴奏という明確な役割分担はないのです。箏は音量の小さな楽器なので、箏の音がオーケストラの響きに埋もれてしまわないように設計されているのですが、室内楽版は編成が小さい分、音量バランスの点でより演奏しやすくなると思いますし、シャープなリズムやタイトなグルーヴを感じていただけるのではないかと思います。
室内オーケストラを指揮してくださる坂入健司郎さんとは今回が初共演となるのですが、すごく情熱を持って作品に向き合ってくださっているので、一緒に演奏させていただくのが今からとても楽しみです。
箏協奏曲「カデンツァ」
___今回のリサイタルでは坂東祐大さんの委嘱作品も初演されます。坂東祐大さんは若い世代を代表する、今もっとも注目されるクリエイターです。アカデミックな現代音楽に留まらず、映画、ドラマ、ポップスと幅広いフィールドで活躍されています。坂東さんという作曲家、その作品についてのLEOさんの印象を教えてください。
坂東さんが幅広い活動を展開されていることは存じ上げていましたし、最近ではアルバム『ドレミの歌』など、さまざまな作品を聴かせていただいていました。特に印象深かったのが、東京藝術大学邦楽科の生田流箏曲専攻のOB会である「森の会」の演奏会にために、坂東さんが作曲された合奏曲です。箏奏者である自分も思いつかないような奏法や音色、響きの連続にとても驚いたのを覚えています。
今回作曲してくださった作品は、時間の感覚を問うような音楽となっています。新型コロナによって季節の変わり目を感じることが難しくなったり、時間の進み方が歪になってしまったりしている「今」という時代とリンクしている作品で、その表現はぜひ会場で体験していただきたいと思います。
___沢井忠夫さんは、LEOさんが最も大きな影響を受けた芸術家のひとりと伺っています。今回演奏される《上弦の曲》は、1979年に沢井忠夫合奏団第1回演奏会で初演された作品です。この作品の聞きどころについてお聞かせください。
沢井忠夫先生は私が生まれる前の年に亡くなっているので、直接お会いすることはできなかったのですが、私が属する流派の創始者ですし、師匠の沢井一恵先生の旦那様でもありますので、お話はたくさん伺って、残された録音でその演奏にも触れてきました。自伝も書かれているので、それも熟読して、お会いしたことはなくとも、その存在は身近に感じてきました。
今から7、80年前、西洋の音楽を勉強した作曲家たちが邦楽器のために曲を書くようになり、それが現代邦楽ブームとなって数十年続きました。その先頭に立っていた琴奏者が沢井忠夫先生でした。今回演奏する《上弦の曲》は日本の伝統的な5音階のひとつである都節音階で書かれていて、使われている演奏技法も伝統的な古典の奏法なのですが、そのなかにピアニッシモからフォルテッシモまで、西洋音楽のダイナミクスの抑揚が織り交ぜられていて、沢井忠夫先生の目指した現代邦楽の姿がよくわかる作品です。
___《上弦の曲》では尺八界のトップランナー、藤原道山さんとも共演されますね。
藤原道山先生の師匠である山本邦山先生は沢井忠夫先生とも一緒に活動されていたので、藤原道山先生は沢井忠夫先生の作品も熱心に研究されています。私は沢井忠夫先生と山本邦山先生による《上弦の曲》の録音を愛聴しているのですが、4年前に藤原道山先生の演奏で《上弦の曲》を聴いたとき、沢井忠夫先生と山本邦山先生の演奏と同じように強い感動を覚えました。それ以来、《上弦の曲》を演奏する際にはぜひ藤原道山先生と共演したいと願い、今回実現しました。
上弦の曲 リハーサル映像
___今回のプログラムにはLEOさんの自作である《鏡》も入っています。この作品はどんな作品ですか?
《鏡》は私が20歳の時に発表した作品です。当時『情熱大陸』の数ヶ月にわたる密着取材を受けていたので、毎日のようにディレクターさんから、「LEOさんにとって音楽とはなんですか?箏とはなんですか?」と質問を投げかけられていました。それで必然的に自分自身を見つめることになって、当時の自分なりの答えとしてこの曲を書きました。タイトルは自分自身を映す「鏡」を指していて、自画像のような意味を持つ作品となっています。
先人たちから受け継がれてきた古典の精神は、現代の私たちのDNAにも染み付いていると思いますし、古典の精神に基づく箏の演奏は、それを聴くお客様にある種の懐かしさや共感を呼び起こすのではないでしょうか。《鏡》にはそうした考えが込められていて、日本の古典が持つ「間」やテンポの揺らぎを取り入れながら、それらを現代のハーモニーや形式と融合しています。
鏡
___このリサイタルは、LEOさんご自身はもちろんのこと、作曲家や共演者の顔ぶれを見ても、今日の日本音楽界の凝縮された「面白さ」を箏という視点で体感することができる演奏会だと思います。最後に音楽ファンに向けてメッセージをお願いします。
箏の新しい表現を見つけるインスピレーションや、楽器の可能性を拡げるモチベーションは、古典の世界と現代邦楽にあって、そのふたつが私の原点です。古典の音楽を深めれば深めるほど、新しい音楽を弾く際の表現力も増しますし、藤倉大さんの協奏曲のような作品を演奏することで、現代の作曲家の視点を通して箏の魅力や可能性に改めて気付くことができるのです。そうした蓄積が西洋のクラシック音楽やポップスを演奏する際の表現技法にも繋がっています。これからも古典は深め続けていきたいですし、作曲家への委嘱も続けて、箏のレパートリーの拡大に努めていきたいと思っています。すでに私の箏の演奏を聴いてくださっている方にも、今回初めて箏の演奏を聴かれる方にも、どちらの方にとっても、箏という楽器の新しい一面をお伝えできるコンサートになると思います。この演奏会でしか聴けない特別なプログラムとなっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
インタビュー・文:八木宏之
LEOプロフィール
LEO(箏)
1998年横浜生まれ。本名・今野玲央。9歳より箏を始める。
音楽教師であり箏曲家のカーティス・パターソン氏の指導を受け、のちに箏曲家 沢井一恵氏に師事。
16歳でくまもと全国邦楽コンクール史上最年少 最優秀賞・文部科学大臣賞受賞。一躍脚光を浴び、2017年19歳でメジャーデビューし、これまでに4枚のアルバムをリリース。
MBSドキュメンタリー番組「情熱大陸」、テレビ朝日「題名のない音楽会」「徹子の部屋」など多くのメディアに出演。
井上道義、秋山和慶、沖澤のどかをはじめとした指揮者や、東京フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演しソリストを務める。2021年4月には藤倉大委嘱新作の箏協奏曲を鈴木優人指揮・読売日本交響楽団との共演で世界初演。
2019年出光音楽賞、神奈川文化賞未来賞受賞。現在、沢井箏曲院講師。東京藝術大学在学中。
伝統を受け継ぎながら、箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目と期待が寄せられている。
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みだれ(八橋検校 作曲)/ Midare - 箏/ Koto (LEO)
Bach : Cello Suite No.1 in G Major Prelude - Koto cover (LEO) 無伴奏チェロ組曲一番 プレリュード