日本のポップスの先駆者 服部良一プロフィール
1907年10月1日 | 大阪市生まれ (2007年が生誕100周年となる) |
1926年(19歳) | 大阪フィルハーモニック・オーケストラに入団。オーボエ担当 |
1936年(29歳) | コロムビアレコードの専属作家となる入社第1回作品「おしゃれ娘/淡谷のり子」 |
1937年(30歳) | ジャズ・コーラス「山寺の和尚さん」作曲、その後「雨のブルース」「別れのブルース」 「蘇州夜曲」「一杯のコーヒーから」「湖畔の宿」など大ヒット連発 |
1941年(34歳) | 太平洋戦争勃発で、服部のジャズの音楽性排除される |
1945年(38歳) | 終戦を上海でむかえる。12月帰国 |
1948年(41歳) | 「東京ブギウギ/笠置シヅ子」スーパー・ヒット |
1949年(42歳) | 「青い山脈/藤山一郎、奈良光枝」スーパー・ヒット。日本国民的なスタンダード・ソングとなる。 他にも、ヒット曲 多数。 |
1993年1月30日 | 永眠 享年85歳 国民栄誉賞を受ける |
服部良一は洋楽のフィーリングやリズム、ハーモニーを活かし、日本ポップスの先駆者として、いまの日本ポップス隆盛の最大の功労者であると同時に、永遠に語り継ぐべき世界に誇れる作曲家である。
収録曲1.流線型ジャズ/志村道夫
作詞/作曲/編曲:藤原山彦/服部良一/服部良一 (1935)
2.おしゃれ娘/淡谷のり子、コロムビア・ナカノ・リズム・シスターズ
作詞/作曲/編曲:久保田宵二/服部良一/服部良一 (1936)
3.草津ジャズ (Instrumental) /コロムビア・ジャズ・バンド
作曲/編曲:服部良一/服部良一 (1936)
4.東京見物/中野忠晴とコロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ
作詞/作曲/編曲:西條八十/服部良一/服部良一 (1936)
5.月に踊る/二葉あき子、コロムビア・ナカノ・リズム・シスターズ
作詞/作曲/編曲:藤浦洸/服部良一/服部良一 (1936)
6.夢見る心/リキー・宮川
作詞/作曲/編曲:西岡水朗/服部良一/服部良一 (1936)
7.山寺の和尚さん/コロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ
作詞/作曲/編曲:久保田宵二/服部良一/服部良一 (1937)
8.バンジョーで唄えば/中野忠晴
作詞/作曲/編曲:藤浦洸/服部良一/服部良一 (1938)
9.ジャズ浪曲/コロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ
作詞/作曲/編曲:服部良一/服部良一/服部良一 (1938)
10.アホダラ心経/コロムビア・ナカノ・リズム・シスターズ
作詞/作曲/編曲:金川文楽/行方伸/服部良一 (1938)
11.お江戸日本橋/コロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズ
作詞/作曲/編曲:日本古謡/日本古謡/服部良一 (1939)
12.小鳥売の歌/松平晃
作詞/作曲/編曲:サトウハチロー/服部良一/服部良一 (1939)
13.ラッパと娘/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:服部良一/服部良一/服部良一 (1940)
14.ロッパ南へ行く/ロッパ
作詞/作曲/編曲:サトウハチロー/服部良一/服部良一 (1940)
15.東京ブギウギ/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:鈴木勝/服部良一/服部良一 (1947)
16.ヘイヘイブギー/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:藤浦洸/服部良一/服部良一 (1948)
17.三味線ブギウギ/市丸
作詞/作曲/編曲:佐伯孝夫/服部良一/服部良一 (1949)
18.買物ブギー/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:村雨まさを/服部良一/服部良一 (1950)
19.モダン金色夜叉/笠置シヅ子、堺駿二
作詞/作曲/編曲:村雨まさを/服部良一/服部良一 (1951)
20.黒田ブギー/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:村雨まさを/服部良一/服部良一 (1951)
21.ブルーとピンクの新婚旅行/芦野宏、星野みよ子
作詞/作曲/編曲:福永純子/服部良一/服部良一 (1957)
22.俺はハイティーン/神戸一郎、服部リズムシスターズ
作詞/作曲/編曲:水島哲/服部良一/原田実 (1958)
23.東京ベベ/中島そのみ、フォア・ラッズ
作詞/作曲/編曲:水島哲/服部良一/服部良一 (1958)
24.オールマン・リバップ/笠置シヅ子
作詞/作曲/編曲:村雨まさを/服部良一/服部良一 (1951)
ライナーノーツ痛快このうえない“ハットリ・サウンド”が満載の音の玉手箱!!
日本のポピュラー史を語る際、決して避けては通れない音楽家の筆頭に挙げられるのが、本作の主役・服部良一だ。ジャズのフィーリングを活かした和製ブルースやタンゴなど、軽妙洒脱な楽曲を次々と世に送りだした氏の存在は、まるで高く聳え立つ山脈さながらに、悠然たる面持ちで常にそこにあり、微動だにしない。
氏が生前に紡いだ楽曲の数々は実に多彩で、中国の情緒を表現した「蘇州夜曲」からシンフォニック・ジャズ「夜来香幻想曲」、ブギのリズムを採用した「東京ブギウギ」や戦後の息吹を伝えた「青い山脈」など、いずれも類い稀なる才能が横溢した傑作ばかり。
静かな余韻が胸に響く叙情に満ちたメロディを奏でたかと思えば、一転、胸躍る軽快なリズムと斬新なサウンドで、聴き手を瞬く間に愉快な気持ちにさせてしまう。
そんなユーモアとサービス精神に溢れた“ハットリ・サウンド”を心ゆくまで堪能出来るのが、小西康陽氏入魂の本作「ハットリ・ジャズ&ジャイヴ」である。ここに選ばれた歌と演奏は、まさに理屈抜きに楽しめる録音ばかりで、CDの再生ボタンを押したが最後、誰もが瞬時にその魅力の虜になること受け合いだ。しかも、アルバム・タイトルやアートワークなど、パッケージもかつてないほどに新鮮で、、往年のファンはもとより、これまで服部良一の音楽を聴いたことのない若い層にとっては格好の入門盤となるだろう。願わくば本作に続く形で、メランコリックな楽曲を中心とした第2弾が編まれんことを。
濱田高志